こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

「今、やるべきこと」の判断

2013-09-20 23:31:18 | 市政&議会報告
決算審査特別委員会の質疑が昨日で終わり、きょうは委員長を除く6人の委員の意見表明があった。

日本共産党は「一般会計・特別会計」の認定に反対、水道事業会計、市立病院事業会計には賛成した。
他会派は全ての委員が全てに賛成、採決の結果、3件とも認定された。

定例会最終日の27日の本会議で、委員長報告の上、改めて賛否が問われる。

日本共産党の意見表明の内容は森下議員のブログをご覧ください。

各会計の決算についての監査委員の「意見」が市長宛に提出され、資料として配布されている。
その結びに「本年度の決算における実質収支は、一般会計が497,274千円の黒字であるが、特別会計では国民健康保険事業が341,164千円、駐車場事業が851,226千円、下水道事業が754,936千円とそれぞれ赤字となっており、依然として非常に厳しい財政状況になっている。」とある。

今日の委員会でも、これと全く同様の意見表明が続いた。
皆さん、「極めて厳しい財政状況・・・」とおっしゃる。

確かに過去の建設事業の借金返しが財政に重い負担となり、公債費は約40億近く、歳出の14%にのぼるなど、窮屈な財政状況ではある。
市立病院の経営も厳しさが続いているなかで、公設公営の病院として維持し続けるための財政負担のあり方も大きな課題だ。

決算状況をみれば、一般会計は単年度で3億5600万円余の黒字。実質収支では5億近い黒字だ。
300億円を超える予算現額に対して、不用額を6億6千万近くだし、執行率は91.89%。
必要と認めて予算を組みながら8%近くが「使われなかった」ことになる。
毎年度、結果として一定の「不用額」があるのはある意味であたりまえだが、それにしてもこの執行率はけして高くない。(2011年度は96.86%)

また「国保、駐車場、下水道の特別会計に累積赤字」があることを「非常に厳しい財政状況」の根拠にしているようだが、特別会計も単年度では全て黒字だ。
特に、国保は「赤字→保険料引き上げ→滞納増加→赤字→・・・」の悪循環の会計だったが、この4年間は大幅黒字。累積赤字が残っているとはいうものの「流れ」で見れば、急速に「健全化」に向かっている。

5億近い「黒字決算」で終わることと、そのうちいくらかを「将来に生きる支出」として執行することと、どちらがよかったのだろうか???

たとえば子ども医療費助成でも、この10月からようやく「入院で小学校卒業まで、通院で小学校2年生」までに引き上げる。
子ども医療費助成は子育て支援の柱、子どもたちの命と健康を守る施策として各自治体が競い合って対象年齢の引き上げをしてきた。
全国、大阪府の自治体に大きく遅れをとったことは「子育て支援に力をいれない自治体」をアピールしていることにもなる。

たとえば、子育て世代に特に重い国保料負担の軽減のために、一般会計からの繰り出しを増やすこと。
それは国保加入世帯の家計応援になるだけでなく、国保財政の健全化を促進する。

たとえば「通院にタクシーを使うしかない」「近くに日々の生活に必要な買い物ができる店がない」という外出困難の方々への送迎サービス。
高齢者・障害者の方々の暮らしの支えとなり、閉じこもりを予防することが将来の介護費用の抑制につながる。

これまで一般質問などで、こういう提案をしてきた。
これらが昨年度の予算のなかでできなかったはずはない。それぞれは一般会計の黒字分のほんの数%でできたことだ。

もちろん「何もかも」「あれもこれも」ができるほど、安定した財政基盤があるわけではないが、「だからこそ!!」と思う。
「今、やるべきこと」をしっかり見極め、市民の暮らしを支えなければ!
若い人たちに魅力ある施策を打ち出さなければ!
そうしなければ、「生産年齢人口」、子育て世代であり税金を納めていただく世代が他市へ転出していくことによる人口減少に歯止めがかからないのではないか?

2001年当時、「赤字再建団体転落のがけっぷち」の時期には、否応なく「どこを削るか」に知恵をしぼらなければならなかった。
その当時と同じように「依然として非常に厳しい財政状況」と紋切り型で繰り返し唱え、「どこを削るか」ばかりを考えていてはかえって先々の明るさは創りだせない。




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