こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

まちづくりのキーワードは、やっぱり「市民参加」だと思う

2012-11-10 21:20:37 | 市政&議会報告
昨日開かれた、市街地再開発特別委員会に市からの「報告」は2件。

1件は「アルザ泉大津都市開発株式会社(以下「アルザ(株)」)の事業廃止・清算について」

アルザ(株)は泉大津駅東の再開発事業の中で「ホテル・駐車場の運営、再開発ビル全体の管理」などを目的に設立され、市は2億円(資本金8億150万円)を出資して当初から参画。(1994年)
2004年にはホテルを売却、駐車場は解体し、ビルの管理業務に特化して再生を図るものの、結局来年度には「解散」するとのこと。

泉大津駅東の再開発は、地権者による再開発組合が事業主体となって進められたもの。ところが、36階建てのツインビルが立ち上がり、オープンの時を迎えてもホテルに進出する事業者がなく、キーテナントとして出店するダイエーには「400台の駐車場の建設」を条件とされた。そのなかで市も大株主として出資する「新会社」としてアルザ(株)が設立された経緯がある。

当時、「新会社」への参画について特別委員会、議員総会が開かれ、議論を重ねた。

「新会社への出資」の反対したのは日本共産党だけではなく、他の会派からも「反対」、また「態度保留」の表明もあった。「採算の見通しのないホテル経営に乗り出すより、もっと公共性の高い施設に用途変更しては?」という意見もあった。

しかし、結果として議会の多数で新会社への出資が予算計上された。

昨日の報告では、ダイエーから「建築協協力融資金の返還請求」でアルザ(株)が提訴され、去る10月和解が成立したこと、それにより今後アルザ(株)からダイエーに駐車場保証金、解決金を支払い来年中にアルザ(株)が事業廃止の計画などが説明され、この20年間、市がすすめてきた事業についての評価、総括は全く語られなかった。

その点について質問したところ「泉大津の中心核としての駅前整備等の事業の推進に一定の役割を果たした」等の答弁があった。

しかし元々採算性も公共性も乏しいホテル事業、過大な集客の見込みに基づく立体駐車場建設。それらを担う「新会社」に貴重な市民の財産である公金、2億円を出資したことが、何を生み出したのか?それはもっと厳しく総括されなければならないのではないか?

当時、その議論に参加した他の議員から昨日は一言の発言もなかった。

泉大津には2008年に策定した「都市計画マスタープラン」がある。



多くの市民がワークショップに参加し、数年かけた議論で「将来、こんな町にしたい」という思いを語りあい、まとめあげられたものだ。「安心して歩ける歩行者優先の道」を町の顔として整備することが盛り込まれている。

市の積立金を取り崩し泉大津駅東の再開発につきすすんだときに、住民から疑問の声があがった。
赤字財政に陥りながら借金を膨らませ、松ノ浜再開発に着手したときも、周辺自治会からの計画見直しを求める声があがった。

これらの大規模プロジェクトを推進しているときに、都市計画マスタープランを作りあげたような市民参加の議論がされていたら、今とは違う形になっていたのではないかと思う。


やっぱりまちづくりのキーワードは「市民参加」だとあらためて思う。

1993年11月臨時議会で当時、議員一期目であったが日本共産党4人の議員団を代表して「新会社への出資に反対」の意見表明をした。以下は会議録から引用。

「・・・当初の市の基本構想は、14階建てのビルに児童館、保育所、公共住宅などが配置されていたのに対し、現在進められている事業が、公共施設を一切排除したなかで、36階の超高層ビルに事業を拡大したのは、決して7万市民の要求によるものではなく、バブルの波に乗って、大きければ大きいほどもうかるともくろんだ企業の論理によるものであることは否定できません。今、ここから深い教訓を引き出さなければならないときではないでしょうか。」

「・・・特別委員会の論議の中で、保留床の処分についてはデベロッパーが最終責任をとるという覚書が交わされているという答弁がされました。・・・この約束どおりにデベロッパーである企業が責任を果たすなら、そもそも今回提起されている新会社の設立の論拠自体が崩れます。
 市の果たすべき責任は、新たな市の財政負担につながる新会社設立にいち早くはせ参じることではなく、事業を推進してきた大企業、デベロッパーの責任を明確にして、保留床処分についての覚書の遵守を強く求めることであります。
あわせて、新会社の事業内容、とりわけホテルの経営は泉大津7万市民の普遍的で切実な要求に基づく公益性のある事業とは言いがたく、ここに至るまで経営の担い手があらわれないことにも明らかなように、採算性の面からも極めて疑問であります。
以上の理由から、大企業の責任をあいまいにしたまま、新たな市の財政負担、市民へのしわ寄せにつながる新会社への出資を、市民の声に十分耳を傾けることなく強行することには反対いたします。」


長くなりました。もう1件の「南海本線連続立体交差事業の今後のスケジュール」は後日に。
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