無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

小松左京氏逝く

2011-07-31 09:52:10 | 音楽・芸術・文学
日々の雑多に追われて、こんな大事なニュースを聞き逃していた。SF小説の大家、小松左京氏が26日肺炎の為、亡くなられていた。1931年生まれの80歳だった。代表作である「日本沈没」は、現在の日本に相通ずるものがあり、何故小松氏のコメントが貰えないのかと思ったが、まずはそういうことなのだろう。小松氏のいる所には、モウモウと煙草の煙が絶えなかったことも、近年随分と痩せられていたことも、事情はあるのだろう。

私は、一時寝ても覚めてもSFに浸っていた時期があった。海外物も日本の作家の作品も、漁るように読んでいた。星新一がショートの天才で、発想がずば抜けていたのは言うまでもない。筒井康隆は七瀬三部作を除いては、まったく汚かったし、平井和正、豊田有恒、半村良、田中光二などなど、ぐるっと読みまくっては、小松左京に戻っていた。「給水塔の幽霊」では、オチにぶったまげ、「時の顔」では、天才さを再認識した。どの作品に触れても、後味の悪い物には出会わなかったし、底辺には人間への愛があった。

小松左京様、ありがとうございました。貴方のファンで、幸せでした。


コメントはないのではと思っていたが、残されていたようだ。以下時事通信より

今月8日に体調を崩して入院していた。事務所によると、亡くなる直前、東日本大震災に関連して「今は大変な時期かもしれないけれど、この危機は必ず乗り越えられる。この先、日本は必ずユートピアを実現できると思う。日本と日本人を信じている」とのメッセージを残したという。
コメント (8)
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