無題・休題-ハバネロ風味-

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

写真展(場所は山形県内)

2006-02-13 13:26:58 | 建築・都市・港
日本ベルックスから、「Light,Lifestyle and Family」と題した写真展の案内が届いた。
ベルックスとは天窓メーカーで、安心して使える為、時々設計に折り込んでいる。私の作品も、ほんのちょっとだけど、このメーカーのカタログに載せて貰った。撮影の時、カメラマンと一緒に要らした山岡さんも、写真展と併せて催される講演会に出られるようだ。

実は、このメーカーの本社は、北欧のデンマークなのだ。そう、いま話題になっている漫画の発信地である。幾ら、世情的に込み入っていても、山形県で行われる写真展に妨害は入らないだろう。それで、すぐに返事を出して、参加することにした。多分、製品を使った建築物の写真が大部分だと思うが、建築の写し方等、勉強になるのではないだろうか。

時間や場所など、公表してもいいのだけど、申し込みの期日が過ぎてしまったので、興味のある方は、直接仙台営業所へ連絡して貰いたい。
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写真家の土門さん

2006-02-13 09:33:31 | 音楽・芸術・文学
酒田市飯盛山(戊辰戦争とゆかりのある場所)にある、土門拳写真記念館は、日本で始めて出来た、写真だけの美術館だ。設計は建築家の谷口吉男氏で、彼のミュージアムの魁となった作品でもある。竣工してから随分と年月が経っているのに、その風合いは衰えず、良い建築物とは、時間と共に味わいが出てくる物だ、と言う証拠にもなっている。

展示されている物は、土門拳の作品が中心で、古寺巡礼は年間を通して、その他の作品は季節毎に取り替えられている。私は彼の「筑豊の子供達」が好きだ。作品の中から、今にも子供達の声が、聞こえてきそうなのだ。路地で繰り広げられるチャンバラ、笑い声、鼻水をすする音、リアリティを追求した土門拳ならではの作品だと思う。特に気になるのは、2人の姉妹だ。写真に写っていた時でさえ、貧しい暮らしぶりだったのに、不幸が重なったような記述が載っていた。今でも元気にしているだろうか。
あの頃の日本は、どこも貧しかった。私は両親のお陰で、ひもじい思いはしないで生きてきたが、丁度時代背景も、そんなに大差はないだろうと思う。給食の風景がないところから、少し前になるのかな。ただ、その頃の筑豊では、炭坑の閉鎖で沢山の人が苦労したようだ。その切なさが、子供達の背後にいる大人に感じられる。

土門拳は酒田市生まれだ。幼い頃、同じ町内にいたらしい。私の祖父が覚えていて、大変な悪ガキだったと話していた。酒田には祭りなどを撮りに、ちょくちょく帰ってきていた。ある日、今野屋靴店の店先で、今野屋の爺さんと一緒の祖父を、シャッターに収めていた。「土門拳、きったけぞ(来ていたぞ)」と言う祖父の声に、別段気も止めず「へぇ~」と返事だけはしたのだが、後日、作品集の中にそれを見ることになる。「手・僕と酒田」と言う写真集だ。今では、写真に写った二人も、撮った土門拳も、とうに不惑の人になってしまった。

土門拳は、報道写真の鬼と呼ばれているそうだ。人物は時間をかけて、じらしてじらして撮る。仏像も、光が気にいならければ、何日も通う。彼の作品を見た後に、比較される写真家達も気の毒だが、迫力の差と言うか、伝わってくるものに大きな違いを感じる。圧倒されそうな作品を、一度じっくりと味わって頂きたい。そして土門拳の写真の迫力に、勝るとも劣らない、土門拳写真記念館の建物を見て頂きたい。
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