ゆうゆうの教会便り

私の教会のこと、教会生活をボチボチと・・・・

「わたしはここに立てり」

2013-03-18 10:07:37 | 説教
昨日(3月17日)の説教 テキストは「マタイによる福音書」26章69節~75節 タイトルは「わたしはここに立てり」でした。

物語は・・・・・・・・・・・・・・・・
イエスが裁判にかけられている裁判所の中庭で、ペトロは「あなたもガリラヤのイエスと一緒にいた」と
三度指摘されますが、「そんな人は知らない」と拒否します。
三度目には「自分の言葉が嘘なら私に呪いをかけてもよい」と呪いを賭けてまで誓いましたが、その直後、鶏が鳴きました。
ペトロは「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われた主の言葉を思い出し、激しく泣きました。
・・・・・・・・・・・というものです。



ペトロにとって生涯、決して忘れられない出来事だったでしょう。
ここの主題はペトロに裏切りではなく、主イエスがそれを予告したことです。それををご一緒に学びましょう。

ペトロの弱さゆえの罪はさりげない日常の中で犯されました。
ごく日常的な場で、それもごくさりげなく指摘されてペトロは“自分を贖った人(イエス)を拒否した”のでした。(ペトロの手紙 二 2:1)
もし、裁判官や兵士など、権力に責められたのだったらペトロはここで持ちこたえたかもしれません。

ペトロの犯した罪(失敗、過ち)は金貨三十枚でイエスを売り渡したイスカリオテのユダの罪に比べれば、小さく思えますが、
どちらの罪も許されないはずです。
しかし、ペトロの失敗は弱さゆえの罪であり結果は重大でも罪の意識は少ないでしょう。
日常的な中での弱さゆえの罪はうやむやになりがちで、ペトロはここで、自分を正当化してそのまま信仰を捨ててしまったかもしれません。

ペトロの罪がうやむやにならなかったのはイエスの予告があったからです。
イエスの予告は、罪を犯したペトロに立ち直りのきっかけを与えるためだったのです。

三度目には呪いを賭けてまで「私は知らない」と誓ったペトロ、その直後、鶏が鳴き、その声はペトロの胸に突き刺さりました。
それは主イエスの御言葉を思い出したからでした。

ペトロは主の予告がなければ、そのままイエスを棄て、信仰をすて、苦い後悔は残ったかもしれないが、弟子たちの中からも姿を消したかもしれません。
日常的な中での罪ゆえに、忘却の彼方に消えてしまったかも知れません。

「ルカによる福音書」21:60~62には 
まだこう言い終わらないうちに、突然鶏が鳴いた。主は振り向いてペトロを見つめられた。ペトロは、「今日、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを
知らないと言うだろう」と言われた主の言葉を思い出した。そして外に出て、激しく泣いた。
 とあります。

怒りでもなく、蔑みでもないイエスの眼差しに静かな眼差しにペトロは「主は自分の深奥をご存じだった」と知り、号泣したのです。
この時のペトロの気持ちは辛かったり、恥ずかしかったのではなく、主への感謝の気持ちで一杯だったのではないでしょうか。
ペトロはこの時はっきりと「自分はここになら立つことができる」と覚ったのです。

「ルカによる福音書」22:31~32には
「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。しかし、わたしはあなたのために、
信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」 
とあります。

これはペトロの裏切りを予告した主が、ペトロに言われた言葉です。
主は御自分の厳しい状況の中でもペトロのために祈られました。
そして、この弱い自分も「ここになら立てる」とペトロに思わしめました。
ペトロはこの後、立派な伝道者となり兄弟姉妹を助け、最後はローマで殉教しました。

このことは私たちにとっても同じことが言えます
私たちは日常的な中での自分の裏切りを忘れているかもしれません。
私たちは自分のように敵を愛したり、兄弟姉妹を愛することができません。
しかし、大切なのはそういう自分の弱さを知ることではなく、主が私たちを愛して召していることを知ること、その救いを感謝し受け入れることです。

主イエスの赦しによってここに立つ、その思いで教会にあって兄弟姉妹を力づける者になりたいものです。

                                   (以上、文責はゆうゆうにあります。)




<マヒワ(♀)>
冬鳥として、山から都市の公園に来ていました。
そろそろ山に帰ります



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