■2011/12/30(金)
1日と数時間を残すだけとなってしまった今年2011年・・・
振り返ってみると 色々あったが盃の底に僅かに残った
お酒の滓(おり)のようにも思えてくる。
三月の東北大震災から九か月が過ぎた。
その傷跡は、年が改まるからといって
何もなかったように消えるものでなく
みちのくは、寒くなる季節を迎える
「日本人、みんな元気を出さないといけないんだ。」と思う。
毎月末に発表している
「私の酒 五傑」
12月だけは一日早いが、今月も発表したいと思う。
それにしても今月も、良く飲んだものだ。 10月・11月同様に、お酒を良く飲んだ月となった。
▼今年十二回目・最後の酒五傑(2011年12月度)の発表である。
※ 前にも書いたが、大吟醸・純米大吟醸 又小盃1杯程度はここには入れない。
だから 今月も、美味しいきき酒をする機会に恵まれたが、対象外
そして一蔵一銘柄としている。
日頃常飲する酒として長く付き合えるもの
春夏秋冬 日本の食事と共に楽しめる日本酒の良さを一人でも多くの人にわかって欲しいと思っている。
評価の基準は、印象度。 ( いかにまた次に飲みたいと思ったかの思いが強い順。)
言葉を変えてみれば、「別れてもまた会いたくなる人の順」 みたいなものだろうか
自分としては、いたってシンプルな尺度だと思っている。
※ ちなみに 先月(11月)は、 http://blog.goo.ne.jp/yumeichimonji/e/16fb03cb47e4ee5248ce6c68c15e9765
▼ 『2011-12月度』 酒五傑
◎(三重) 「酒屋八兵衛」伊勢錦 ◎(山形) 米鶴「かっぱ」純米生酒
◎(山口)「貴」長州産山田錦 ◎(宮城)「伯楽星」特別純米
〇(奈良)「篠峯」山田錦・超辛 竹山ラベル
(書評)
◎(三重)「酒屋八兵衛」伊勢錦 今年一番の収穫は、この酒と出会い、飲めたことだ。 思い出の多気の地で、幻の酒米「伊勢錦」を復活させ酒を醸す。 この酒を口にする時、ロマンを感じずにはいられない。燗ばかりか冷やしても頂いたがとても美味しかった。 私にとってブレイクして欲しくない銘柄でもある。(ますます入手が困難になると嫌だな)
◎(山形)「かっぱ」生酒 パフォーマンスがとても高い生酒うすにごり。 決してお高い酒ではないが、限定だけに次に飲めるのは、1年後かもしれない。 かっぱは、レアな生き物なのだ。
◎(山口)「貴」長州産山田錦 先輩に追加で頂いた四合瓶。やわらかい旨味ののった味わいは、いろんな食べ物と合う。 料理を邪魔しない、典型的な食中酒といえるだろう。
◎(宮城)「伯楽星」特別純米 言わずと知れた「伯楽星」 今年被災してしまい、山手の方の新しい蔵に移って新鋭の酒造りを始めたと聞いた。 頑張って欲しい。
〇(奈良)「篠峯」山田錦・超辛(竹山ラベル) 単なる辛口にあらず、今年一年の外呑みでの〆をこの酒にして正解だった。 クリアな中に感じる旨味は、すっきりとしたものだ。人生もこうありたい。
今月も、いろんな処でいろんな銘柄を沢山飲んだ月となったが、どれもレベルが高く十傑にしないと書けないくらいだ。あくまで、自分にとって印象深い酒というところを判断の基軸にしている点をご理解いただければと思っている。
(寅)