( 宮城・新澤酒造 あたごのまつ「ひと夏の恋」 )
■2011/7/31(日) ひぐらし鳴く夜明け前
早いもので、今年も1年の12分の7が終わりに近づいた。
残り半分からひと月が過ぎ、欠けゆく月のようでもあり
盃に注がれたお酒のようにも感じる。
三月の大惨事から間もない中、つい先日も再び福島を襲った大水害
併せて米どころ新潟も飲みこんだ今回の水害に心痛めてしまう
私にとって再びショッキングな月となってしまった。
毎月末に発表している「私の酒 五傑」
一日も早い復興を願いながら、今月も敢えて続けたいと思う。
▼今年七回目の酒五傑(2011年7月度)の発表である。
前にも書いたが、大吟醸・純米大吟醸 又小盃1杯程度はここには入れない。
値段が高けりゃ それなりに美味しいお酒に仕上げてくれないと困るわけで
私が背伸びして贈答品のような日本酒を評価するなんておこがましい。
私の基準は、価格でいえば四合瓶で1500円程度を上限とした酒
決して高くなく 日頃常飲する酒として長く付き合えるもの
私は、夕食事時にたとえ少量でも日本酒を欠かしたことがないが、
「ビールはあっても・・・日本酒はね~」というそんな周りの人たちにも
春夏秋冬 日本の食事と共に楽しめる日本酒の良さをわかって欲しいと思っている。
評価の基準は、印象度。(いかにまた飲みたいと思ったかの思いが強い順。)
言葉を変えてみれば、また会いたい人の順 のようなもの
自分としては、いたってシンプルな尺度だと思っている。
※ちなみに先月6月度は
http://blog.goo.ne.jp/yumeichimonji/m/201106
▼ 『2011-7月度』
◎ - ◎ -
〇(奈良)「篠峯」夏純 〇(奈良)「萬穣」吟醸 〇(奈良)「百楽門」爽夏純吟
(書評) 他にも飲んだのだが、結局奈良県の酒だけになってしまった。 もちろん奈良県の酒贔屓(さけびいき)もあるが、単純にまた飲みたいと思った順がこうなったということだ。
〇「篠峯・夏純」、 ひと夏過ぎて秋風を感じる頃の「ひやおろし」の季節が今から楽しみな酒だ。「夏凜」よりこっちのほうが私好みだった。 雄山錦という酒米も八反と並んで好感度高し。 わがままな希望を言わせてもらえば「ひやおろし」で出荷の際には、ラベルの色を黒から「ひやおろし」らしい色に変えて欲しいな。
〇「萬穣」吟醸は、とても飲みやすい酒だった。 それまでこの銘柄の存在を知らなかっただけに意外といえば意外なほど これほど飲みいい酒があるのかと思った。 でもこの蔵も今回の全国鑑評会では前述の千代酒造と並んで(奈良県から二蔵)しっかり金賞受賞していたのだから納得。
〇「百楽門」を手にすると水越トンネル近く、一言主神社から蔵のある長柄あたりの葛城古道沿いの景色が、思い浮かび暑い夏も心に爽やかな風が吹き抜ける。
※ 写真の酒は、結局入手できなかった「ひと夏の恋」 大震災で被災した宮城の蔵「新澤酒造」(あたごのまつ・伯楽星で有名) 宮城県のひとめぼれで作った夏酒。
(寅)