貴船は京都の奥座敷、そこから約30分、峠をいくつも越えて、桂川の上流域の旧京北町上黒田へ出る。
R477号を右折、すぐに枝道を左折、途中京北片波町の民家が三軒ほどあるが、それから林道をどんどん進み桂川の支流、片波川源流域に達する。
途中ダートもあるが完全舗装も有りと山道を走りなれているものにとっては比較的走りやすい道でした。
この森への入り口は比較的見付易く、林道脇に片波川源流域京都府自然環境保全地域の大きな看板があって、山手斜面に小さな観察路入り口の表示板がある。
途中の谷川にはクリンソウが濃いピンクの花を競うように咲き乱れ、山には若い緑が萌え出しています。
観察路の入り口からゆるいのぼりを5分も歩くと一の峰(海抜678m)、観察路案内板のある出会い広場に?着く。
ここはもうすでに異次元の森に突入したような、うねり、喘ぐように奇怪な形相の巨杉が周りに点在している。
杉という名前の語源は「直ぐ木」からきていて、まっすぐ天に向かって伸びているものだという意識が強いが、これはいわゆる「表杉」太平洋側の雪の少ない地方の姿であり、、豪雪地帯に多い「裏杉(芦生杉)」は雪の重みで樹はたわみ、低い枝は大地を這い、地を這う枝から新たな根が生え、横に広がった樹形になっていくようです。
これが伏条台杉と呼ばれるもので、このような裏杉は用材調達に適なっており、鎌倉期頃、人工的に伏条台杉が仕立てられ、京都の建築に利用されたと言う。
しかし植林技術が発達するにつれ、伏条台杉は利用されなくなり、永らく放置されたものが、現在に残ったこの森の伏条台杉群のようです。
案内板横の宿り杉ーこれは杉というより雑木の集合体といった方が適切かも??。
目の前には大やぐら杉、10.6mというけど、根元よりは枝分かれする部分はもっともっと巨大で、これはまるで逆さ杉です。
言葉よりも画像の方がその状況を雄弁に語ってくれると思います。
巨杉の森はしばらく登った後、谷へ向かっての下りとなるが次から次へと現れる奇怪な容姿の杉にただただ呆然と立ち尽くすのみです。
多分大主杉かな??
この森は ツキノワグマ居住区域(生息地)で、クマ避けにと腰に下げたにぎやかな鈴が、聞いたことのないような鳥の声と競い合うように異形の森にカラコロ響いてた。
平安杉と呼ばれるこの森きっての巨人は尾根別れと称する出会いから東尾根をどんどん下がった広場になったところに息を潜めるように立ち尽くしている。
それぞれの杉にはまったく何の表示板もないのはつらいが、ここはガイドツアーが推奨されてるからなのかも???
写真をいっぱい貼り詰めすぎた気もしますが、これでもまったく足りない気もします。
山は手付かずの自然のままの姿で残されていると言うものの、若木には無粋なビニールが被せてあるのは、鳥獣の食害防止のためだとは思うがちょっと興醒めしてしまいます。
約1時間クマさんにも、ましてや人の子一人遭うこともなく異形の森を十二分に堪能できました。
撮影2009.5.9
これはできれば自分の目で
見てみたいと思わされるような
異形の命たち
その異形さゆえの
真摯な生き方に思わず知らず
畏敬の念が湧きおこってきます
一日見ていても飽きないでしょうね。
今にも動き出しそうです。
ここは以前からどうしても行って見たかった所です。
ガイドツアーがお勧めということで踏み出せなかったのですが、詳しい資料を手に入れ、個人でのアタックも可と言うことで出かけて来ました。
現地までのアタックは意外と簡単でした。
ほぼ近くまで車が行きます。
ぜひともその目で見てきてください。
しかしクマ避けの音を出すものはお忘れなく。
それに必ず1人では行かないでください。
携帯はただの箱に早代わり、近場の集落は車で10分以上下界です。
詳しい地図にポイント打てます。
ガイドツアーは安心だけどお金も時間も、手間もかかります。
これは…だいぶすんごいですね。
感動が伝わります。
ここは凄いですよ。
近場でもあるので行って見てください。
もちろん一人はだめ、熊よけも忘れないように・・・・。