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使用済み燃料プール

2011-04-14 03:48:04 | ブログ探索
中空にある使用済み燃料プールについては、私も早い時期から心配をしていた。(『セシウム検出』)原子炉が停止状態の4号機が水素爆発を起こした時点で、1、3号機(2号機も小規模に爆発を起こしている)も同じ原因での爆発の可能性を考えるのは、当然であろう。

昨日、4号機の使用済み燃料プールの水温が上がった事で、基本的にプールの水しか核燃料を覆うものがない使用済み燃料プールに、改めて注目が集まっている。

以前にも紹介した事がある極東ブログの、ニューヨークタイムズ "Japan’s Reactors Still‘Not Stable,’ U.S. Regulator Says" の記事を参照にしたエントリー『NRCは水素爆発の原因を炉ではなく使用済み燃料プールと見ている』で、正にその事に触れていた。

全容が公表されてからでないと結論は出せないが、今回の事故は、原子炉ではなく、使用済み燃料プールに問題があったと考える事も出来る。何せ、建物の上部(つまり中空)に設置してあるのである。(東電のイラスト

最近は、建物の上部に使用済み燃料プールを設置する構造はなくなってきているらしいので、もし、何らかのリスク回避の為の対策という事であれば、改善をするチャンスはあったのではないかと思われる。

福島第一原発には、それぞれの原子炉の使用済み燃料プールとは別に、共用プール(貯蔵容量6840体)もある。(崩壊熱の関係で直ぐには移せないのかも?)このプールは別の建物にある。但し、どのような構造になっているかは、調べても不明。(多分、地上に設置か、地下を掘ったものだと思うのだが、東電のサイトで共用プールの状況を説明しているはずの『使用済みの原子燃料の貯蔵状況は?』は、アクセス出来ないようになっている。何だか、嫌な感じがする)

何らかの理由で、より安全な使用済み燃料の貯蔵方法への改善がされず、露出した使用済み燃料が現在進行中の放射線の根源であるならば、非常にお粗末で、残念な事故という事になるだろう。

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8 コメント

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神の手は、いつか破たんする (Drなかがわ)
2011-04-14 21:21:21
「絶対安全」というメッセージは怖い。
中川先生の手術は出血しない。そういってある後輩が輸血準備をしなかったときに出血が起こる。
安全神話ほど愚かなものはない。
安全神話ゆえに、安全な場所に貯蔵プールを設計し設置するのだ。
そういう意味で、貯蔵プールの設計者は、すでにリスクを考えた設計をしていなかったのだろう。

想定外の術後出血は、予定された術者とは違う想定外のDrが執刀したときに引き起こされる。その時の術者はこういう「過去にこの手術では出血はありませんでした。」その真相は、私は一度もそういった手術を見たことがありませんですから私はそういった事実に対応する術を学んでいませんと・・
いつも何も問題なく手際よく短時間で手術していると、他施設の平均的な時間の半分で終わっていても、外野はもっと早くしてくれ、うしろがつかえていると言い始める。
事故がないことが事故を生み出す。
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経験値、集合知、科学 (Drなかがわ)
2011-04-14 21:25:52
人は、自分の経験値からしか意見を言わない。
三人寄れば文殊のこともあれば船頭多くしてとなることもある。

未知なるものへ対峙したときの思考法は、博士号取得のための訓練(研究、大学院)で得られるものであったはずであるが、これとても方法論的になりすぎて、博士号があっても経験値以上で判断できない人が多い。特にこれは日本で顕著であり、日本の博士がこの有事に機能しないことからも証明されている。
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水蒸気爆発だけはしないでくれ (hide)
2011-04-14 21:40:28
水素の発生は原子炉、使用済み核燃料プールの両方からですね。
この動画がわかりやすいです。
電源喪失だけでなく冷却剤喪失事故でもあります。
http://www.ustream.tv/recorded/13572861
http://www.ustream.tv/recorded/13573218
2号炉3号炉ですが圧力容器格納容器ともに壊れ冷却のために注入した水がじゃじゃ漏れです。
つまり損傷溶融した核燃料を洗い流しています。
超高濃度放射能汚染水が地下そして海へと流れています。
あーー魚も食えない。
このプラント関連パラメータの原子炉圧力、D/W(格納容器)圧力が2号炉3号炉でゲージ圧がほとんどゼロなのでバレバレなのです。
D/W(格納容器)圧力は絶対圧力になっているので0.1013を引いてください。
http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110408004/20110408004-3.pdf
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宗教論 (ysJournal)
2011-04-15 11:42:15
Drなかがわ様
日本人は、才のある人を大事にしすぎる気がします。出来れば許してしまう。

ここはやっぱり、神の概念が必要で、どこまで言っても尊大にならないという事が大事だと思います。

良くても悪くても、日本人は神懸かり的(逆説的ですが)になる傾向が強い様な気がします。
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Unknown (ysJournal)
2011-04-15 12:01:36
hide様
データありがとうございました。(動画の方は、以前から少しづつ観てますが、なかなか一気に見れてません)

2号炉3号炉は原子炉圧力容器の気密がないので、壊れてますね。

一方で、2号炉3号炉の格納容器の圧が上がらないのは、上部が飛んでいる事が要因で、じゃじゃ漏れではないのではないかとも言えるのではないでしょか。

但し、上部が爆発で傷んでいるとすると、近くに有る使用済み燃料プールの破損も考えら得るので、結局は、格納容器の外に出てますので、結果としては同じ事になります。

1号機の早い段階での爆発は、原子炉圧力容器からの水素が原因で、2-4号機については、時間がかかっているので、使用済み燃料が原因という気がします。

もし、格納容器からの漏れていないと仮定すると、本当に使用済み燃料プールの設置場所が、設計上、もしくは改善しなかった事が、悔やまれます。

どちらにしろ、1-3号機で原子炉圧力容器内で燃料棒が剥き出しになっているのが気がかりです。一ヶ月も経っているのに、打つ手が無いのかもしれないと言う不安がつのります。

共用プールは取り敢えず、安定しているようで安心しました。
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神の手訴えられる。 (Drなかがわ)
2011-04-15 21:13:47
脳外科の名医 福島孝徳先生が医療ミスをした。患側ではない方から健常組織を取ったということで。カギ穴式の術式は術前評価がすべてを決める。狭い視野で行う手術は術前データを専用のナビゲーション装置に読み込んで行う。データがすべてだ。患側を間違えたことを彼は素直に認めている。CTやMRIデータの左右はおよそ同じであるはずだが、一部の流派(大学)は左右が逆転したイメージを使うことがある。おそらくはそういった画像データの初歩的な読み込み間違いが手術の患側ミスであったように思う。彼は死因は手術でないとして争うらしい。
ミスをしないはずの神の手がミスをしたからと家族は訴えた。手術は正確に行われた。ただし異なる側で。画像データの読み込みエラーで左右を間違えたと言うことだろう。そしてなによりほとんど彼しか行わないカギ穴手術の見学者と鳴るであろう現場のDrは神の手ゆえ対側から腫瘍を取るのだと思い込み、執刀の最初の皮切のときにさえ疑念を挟まなかったのだろう。恐るべきは神の手=安全神話である。
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Unknown (ysJournal)
2011-04-16 09:47:30
Drなかがわ様
日本人の器用さが個人(若しくは特定の組織)の独特のやり方を確立して、奥義になる傾向が、あだになった様な例ですね。

標準化するという事が苦手な民族かも。

大震災後の自動車部品の供給混乱にも、その傾向が見られます。
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備忘録 (ysJournal)
2011-04-20 02:46:58
これいつの書かれたのだろう

http://www.stop-hamaoka.com/kaisetu/pool.html

内容的に怪しい(臨界のところ)はあるが、心配は鋭い。
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