YS Journal アメリカからの雑感

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雲行きの怪しいアメリカ経済ともっと怪しい金相場の行方

2011-06-05 12:03:39 | 金(GOLD)の話題
5月の失業率が再上昇し、9.1% となり、雇用関係の指標が軒並み悪化した事で、俄に Double-Dip Recession の話題が再登場してきている。

一方、今年4月に 1 troy once $1,550 の高値を記録した後、$1,500 を跨いでグダグダしていた金相場が、ここに来て高値に迫ってきている。理由が振るっていて、景気悪化を心配して金の購買意欲が高まっているからだそうだ。

ここ一年半、自分としては珍しく几帳面に金相場を観察してきたが、結論としては、金相場の動き(と、その後講釈)には、全く根拠がないという事である。但し、金には怪しい魅力があるらしく、一旦火がつけば、行く所まで行くし、暴落(未だ観察していないが)する時はする、という事の様だ。

2009年12月に、$1,220/Troy Once がピークだとした私の予想は大外れだし、春山昇華「おかねのこねた」の2010年5月のチャート予想も $1,300/Troy Once だった。

John Paulson の 2013年に $4,000 は、比較的現実的に見えるが、Shayne McGuire の $10,000 に至っては、世界経済の壊滅(全通貨が無価値)にでもならない限り無理そうだ。

注目し始めた1年半前で既にバブル状態という認識だったので、値下がりを待っていたのだが、現在の所、その兆しはない。自分としてはアメリカのスタグクレーションの読みがあるので、値上がり要因。(1年半前は、インフレ懸念は余りしていなかった)ドルの下落も値上がり要因であるが、今後更なるドルの下落は疑問視。スタフグレーション(もしくはインフレ)については、生活実感としてジワジワ迫っている感じはあるが、長期金利が上げていないので、現時点では、指標上は物価安定としか言えない。

FRB の総資産と比例関係については、QEII の終了で、早ければ夏明けにマネーサプライを絞るはずの予定だったが、景気が怪しいので、そのまま放置の可能性が高くなって来ているので、高値安定になりそう。

という訳で、どうなるかさっぱり分からない。但し、長期的なボックス圏での動きと考えれば、納得出来る。ここは1つ、1グラムも所有していないので、$500 への暴落期待。もし、そのレベルになったら、全財産注ぎ込みつもり。死ぬまでに、今回の高値 $1,500 を拝めたら、安気にやっていけそうだ。

金相場を追い掛けながら、感覚的に理解出来た事が一つある。金本位制の復活が全くナンセンスという事である。"END THE FED: Ron Paul" を読んで、金本位制による財政規律について、良いアイデアではないかと思ったりもしたが、そもそも財政規律と金本位制の間には何の関係もない事に気が付いた。(上手に説明するには、私のマクロ経済学の知識が乏しく過ぎる。勉強せねば)又、リバタリアンと金本位制も同様に全く関係がない事にも気が付いた。

そんな事より、アメリカ経済の行方が心配な今日この頃だ。