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YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

アメリカ経済の2番底 再考

2010-08-13 10:58:18 | アメリカ経済
「再考」といっても考え直す訳では無く、文字通り、再び考えるという意味だ。

一週間程前にこのブログのブックマークから Murray Hill Journal だけを外した。大きな理由は、最近更新頻度が落ちている事とブログ主の関心がツイッターへ移ってしまった事であった。内容的にもちょっと自分の守備範囲外(ついていけない)という事もある。

しかし、8月8日のエントリーは、鋭い上に不気味(最後の段落)なので紹介しておく。自分自身も2番底については、一年前に全く的外れな予想をしておりますが、今後益々高止まり状態が続く失業率が効いてくると思う。個人消費が伸びなければ、住宅ローンも商業不動産ローンもジワジワ悪くなる事は間違い無い。

2008年の年初との類似状況が同じ展開をもたらすとは限らないのだが、個人的な体験(401Kの選択肢で一番安全と思われていていて所有していた不動産担保ファンドがいきなり10%下落した。総務に文句を言ったらその後マネーマーケットファンドの選択肢を追加してくれた。)としても2007年には住宅バブル崩壊の予兆が感じられたので、もし、近々に何かあるとすれば、何らかの指標はシグナルを出しているのは間違いない。(過去と同じでは無いにしても)

見近かな所では、今年の車の販売数が1200万台到達が怪しくなってきている。

アメリカ7月失業率 9.5%

2010-08-10 00:15:18 | アメリカ経済
余り話題になっていない様だが、アメリカ7月失業率9.5%は非常に厳しい数字だ。もう一年以上も9%台が続いており、昨年の第4四半期は、10%を超えていた。失業率は遅行指標と言われているが、振り返っても振り返っても恐慌というお化けの影がある様な状況だろうか?

ホワイトハウスは A Summer of Recovery と銘打って、オバマ大統領就任直後の景気刺激策(780B(約70兆円))が成功したと宣伝しているが、共和党ばかりか民主党内からも失業率の改善が無いので批判の声が上がり始めている。ホワイトハウス内でも、景気状況の分析、回復手法で意見が分かれているようで、大統領の経済アドバイザー委員会の議長であったChristina Romerが、大学教授への転出という理由でこの9月に辞任する。Larry Summers と揉めていたらしい。まあ、彼女はケインズ派であり、景気刺激策(780B(約70兆円))を実施しなければ失業率が8%を超えると、間抜けなアドバイスをしていたので大勢に影響はない。一方、Larry Summers は、減税の効果や失業保険削減の有効性の論文があるので、ひょっとするとオバマ政権の景気対策に大きな変換がある可能性がある。

それでも民主党は、更なる景気刺激策を模索していたりするのだが、財政赤字の増大もある。景気刺激策と言っても、失業保険の延長であったり、地方自治体(教員や職員)の援助であったりするので、景気刺激ではなく福祉政策的な色合いが濃い。

GDPの個人消費の割合が大きいアメリカで、失業率が長引く事は今後の経済状況に暗い影を落す事になる。失業しても生きていかなければならないので、急に個人消費が無くなるわけではないが、高い失業率が続くと景気にボディブローの様に効いてくるだろう。現時点の見通しでは、来年一杯、つまり後一年半は8%を切る事が無いと予想されている。

その上、現在の大不況はアメリカでも雇用のミスマッチを浮き彫りにしている。

今年に入っての景気回復局面で、製造業の熟練工等需要は旺盛なのだが、好景気時に比べても応募状況は悪いらしい。一方で、そこそこの一般事務職では、もの凄い倍率になったりしている。長期に渡り製造業が衰退する中で、熟練工等を要請するシステムが、学校教育、企業(社内育成)でも少なくなっている事を示唆のではなかろうか。製造業の賃金は、世界的に同じレベルに収束されると考えられているが、発展途上国の賃金上昇が先進国に追いつくまでの間、アメリカは熟練度の高い製造業をどのように残していくかという問題が深刻化しそうである。(日本も基本的に同じ問題を抱えているが、ズルズル後退している様に見える)

また、それなりの給料をもらっていた人は、失業保険より安い給料では再就職をしない事もあるらしい。(アメリカの失業保険支給は26週までであったが、延長法案が次々と施行され、現在99週になっている)こちらは、行き過ぎた福祉政策の悪い副作用という事が出来るが、国が袖を振れなくなったらと考えると、スケールバックを考える時期にきていると思われる。

これまでも Jobless Recovery と言われる失業率が下がらないまま景気回復という局面が会ったが、失業率は6%前半がピークだったので、10%近い状態が続く今回は、ファンダメンタルが大きく変わっている様な気がする。又,住宅バブル崩壊の影響が強くて、家の資産価値が激しいため家の売却が出来ず、労働力の柔軟性(特に移動)が無くなっているのが大きな要因という説もある。理由はどうであれ、労働環境全体が大きく変わってしまう予感がある。

最低賃金上昇が雇用を妨げる

2010-07-25 11:00:17 | アメリカ経済
アメリカの連邦政府の規定する最低賃金は、一年前に大幅(41%)に上がって、現在時給$7.25だ。

最低賃金を上げることは、一般的に低収入層を助けると考えられるが、雇用を減らす効果の方が大きく、実は弊害がある事が研究で明らかになっている。最低賃金で働く人のうち、これを主収入とする人は6人に1人であり、大多数は、副収入であったりアルバイトであったりする。一番影響が大きいのは、16-19歳の若者である。この時給アップでこれらの若者の失業率が2.5%上昇したと推定されており、人数にして約11万人が仕事にあぶれた事になる。現在、この年齢層の失業率は25.7%である。

アメリカに暮らしていると、高校生がグロセリーなどで働いているのを目にする事が多い。ショッピングカートの整理や、レジ手伝いなど単純な労働なので最低賃金であろう事は容易に想像出来る。稼いだ分が全部自分の手取りになるので、それでも高校生にしてみれば貴重な収入であろう。

アメリカの高校生は日本に比べると結構堅実で、これらの収入は遊ぶためと言うより、大学資金に充てたりしているそうだ。大学も働きながら、そして足りない分は学生ローンで補うのである。

今回の大不況は、彼らの親から資産(家の価値が下落)を奪い、最低賃金を上げると言う誤った政策で働く機会が減り、大学で学ぶ事を難しいものにしている。その上、景気刺激策等で負債激増で将来の負担増大も招いている。

その上、オバマ政権が学生ローンを実質国営化し、卒業後政府で働けば返済義務が軽減されると言う特典があるので、ローンを利用して大学に進んだ場合、政府機関で働くにインセンティブがあり、政府が自己増殖するシステムが出来上がりつつある。

時代の巡り合わせと言う事があるが、今のアメリカの高校生は不運である。

最低賃金の引き上げと言う、直感的に、そして政府が良かれと思ってやる事でも、思い掛けない影響を引き起こす。経済活動に政府が介入するのは間違っている例の一つであろう。

海上石油掘削基地、メキシコ湾からエジプトへ

2010-07-14 10:17:37 | アメリカ経済
原油流出事故に伴い、オマバ政権は、深海油田採掘の6ヵ月の一時停止(モラトリアム)を発表したが、採掘関連会社がこのモラトリアムを違法と訴えた一審の連邦地方裁判で勝利し、更に控訴審も一審判決を支持した。

しかし、懲りないケン・サラザール内務長官は、規制内容を水深 500 Feet 以上から海上石油掘削基地が浮いているかどうかに変更して、新たな採掘停止を発表した。先の負けた裁判の判決内容を検討して、もし訴えられても勝算がある規制内容になっていると考えているようだ。

オバマ政権のママゴトの様な法廷闘争を続けるのに嫌気の差してきている海上石油掘削基地の所有者達は、新たなリース先を探している。そんな中で、最初の海上石油掘削基地(Ocean Endeavor)がメキシコ湾を離れエジプトに行く事になった。

取り敢えずは一年契約らしいのだが、移動ばかりでなく撤収、設置にも時間もそして膨大なコストも掛かるので、5-10年位は戻ってこないというのが大方の予想である。オバマ政権がモラトリアムへの異常な執着を直ぐに止めない限り、次々と海上石油掘削基地がメキシコ湾を離れる気配である。(対象となる海上石油掘削基地は、メキシコ湾で25存在し、メキシコ湾の石油採掘井戸は42,000あるそうだ。)

今回の事故で、想像を絶する被害を被った沿岸州であるが、漁業、観光業に続いて石油産業が大打撃を受ける事になるので、モラトリアムに反対する人達が多い。

昨日のエントリーで、オバマ政権は、議会での立法を諦めて、行政権と法廷闘争で自分たちの政治的理念の現実を押し進める可能性を書いたが、最近の言動をみていると、2期目さえも諦めて、後2年やりたい放題でいこうという感じさえある。(私なりの結論は中間選挙後まで保留)

失業対策、景気回復、そして今回の原油流主事故での対応を含め、オバマ政権は自分たちの決断が、経済にどのような影響を与えるのかが本当に分からない様だ。

二匹目の泥鰌

2010-06-15 21:58:28 | アメリカ経済
以前、ウォールストリート史上、一年で一番稼いだ人物として John Paulson の事を紹介した。その後、彼の興味は金相場に移っているようだが、住宅バブルの崩壊で儲けた構図が、そのまま当ては嵌まる様な状況が、地方債で起きている可能性がある。兆候としては、$1M分の債券の保険額が、4月には $12,000 だったのが、$20,000 に跳ね上がっている。(10年物のイールドは、同じ期間に下がっている。)(貼付けたチャートで、雰囲気が分かると思う)

現在、地方債は約4万種類あり、総額は$2.8T(約250兆円)だ。驚いた事に、昨年223の地方債、金額で$6.4B(約5,760億円)がディフォルトしている。たった0.002%という事で無視されている様だが、地方自治体の債券が既に紙くずになっているのである。

現在の経済状況では、税収は低下する事は確実で、連邦政府が自らの財政赤字の改善の為に増税をすると、地方自治体が更に増税する事は難しいと思われる。

一方で格付けの方は、社債との関連で、引き上げられる方向にあるというヘンテコリンな事になっている。確かに歴史的に地方自治体が破産する事は珍しいので、社債に比べると安全度が高いという理論は分からないでも無いが、ちょっと怪しい。ウォーレン・バフェットも、地方債の行方は連邦政府のやり方次第(つまり、どうなるか分からない)という判断で、ポジションを少なくしている。

地方債の Credit-Default Swaps(デイフォルトの保険)市場は、小さいので、ちょっとしたニュースで上で述べた様な大きな変動が起き易い。先週だけで16%上がっているそうだ。

John Paulson がやった様に、住宅ローンの Credit-Default Swaps 市場を拡大させた上で逆張り(住宅ローン債権の暴落に賭ける)する手法は、もう難しいと思うが、地方債の暴落に賭ければ、二匹目の泥鰌となりそうな気配である。

本当は誰かが一儲けするかどうかより、地方自治体の財政の方を心配しなければならないのだが、地方債の発行高も、既にディフォルトしている金額も途方も無く大きくて、麻雀の北海道の様な楽しみになってきている。(記憶では、『麻雀放浪記』ゲームに参加していない人が誰が、上がるかに賭ける事を北海道と呼んでいたと思う。)

海上石油掘削基地の爆発事故 (衛星写真リンク追加)

2010-04-29 16:07:23 | アメリカ経済
先日の炭坑爆発事故に続き、4月20日にルイジアナ州沖で、海上石油掘削基地(Oil platform)が爆発事故を起こし炎上、沈没、11人が行方不明だが、死亡したと思われている。

現在でも海底の油田から推定で毎日16万リットル以上(新たなリークも発見され80万リットル以上と言う説も有る)の原油が漏れており、ロボット等を使って遮断作業が続いているが、水深1500メートル以上の海底なので難航しており、目処は立っていない。海底のパイプとシャットダウン出来なければ、リークを止める方法としては、別の穴を掘り粘度の高い物質を注入する事で漏れ自体を止めてやる。しかしこの作業には数ヶ月を要する。一番早いのは漏れ上がってくる箇所にドームを被せて、漏れている原油を吸い上げて海に広がるのを防ぐ作業で、これは2週間くらいで準備出来るらしい。

漏れたオイルがルイジアナの海岸線に迫ってきており、Controlled burn、海面で燃やす事も検討されている。ルイジアナ沿岸は、牡蠣の養殖などが盛んで、漁業への影響や環境への問題が心配されている。

基地所有者のBPの発表では、漏れを防ぐ作業に一日当り$6M(約5億5千万)の費用が掛かっており、基地自体の損失は$700M(約650億円)とみられている。(株価も下がっている)

不思議なのは、いつもなら大騒ぎをする環境保護団体や、環境問題に敏感である有るはずのオバマ政権が静観している事である。先日発表したオフショア石油採掘政策の影響があるのかもしれない。オバマ大統領は、炭坑事故で亡くなった人々の葬式に出席したが、今回はどのような対応をするのかも注目される。

石炭や石油と言った可燃物の地下資源採掘は、本当に大変だとつくづく感じる。燃えるものなので爆発は付き物でだ。施設も大型で投資の規模も大きく、採掘が始まったら環境問題やらへの対応も引っ切りなしだ。テレビ番組で海上石油掘削基地の建設(岸に近くて水深が必要なので、北欧のフィヨルドで建設される)や曳航の様子を見たが、巨大さに圧倒される。常時200人くらいが生活する場所でもあるのだ。

又、湾岸戦争の時、イラク軍が退軍のとき、石油施設を破壊して自噴する石油がそのまま燃えるいるのを消火作業するのを、ニュースで観た事があるが、想像を遥かに超える凄まじいものだった。先ず、ダイナマイトを燃え盛る自噴パイプの直ぐその場で、爆発させるのである。爆風で一瞬酸欠状態が発生して火が消えるのである。そして、土砂降りの石油の中でパイプの遮断作業を行うのである。

好き放題、電気、ガソリンを消費する身としては、壮絶な現場に思いを馳せる事くらいしか出来ない。

〈衛星写真リンク〉

West Virginia 州の炭鉱事故とアメリカのエネルギー事情

2010-04-21 05:53:48 | アメリカ経済
4月5日に発生した West Virginia 州の炭鉱事故は、死者29人を出す惨事であった。安全対策に問題のあった炭鉱だったようで、昨年からの採掘量の増加で、監督省庁の安全指導も増えており、関係者の中には起こるべきして起きたと感じる人もいるようだ。

しかし、West Virginia の田舎にでは、炭鉱の長い歴史がある上に、これといった産業が無い事もあり、炭鉱で働く事が、それなりの生活を保障する唯一の職なので、事故も生活の一部として受け入れられている感じがある。

炭鉱の経営者は、叩き上げではないがこの地区の出身で、組合が嫌いで、グリーン政策がアメリカを滅ぼすといって憚らない問題人物でもあるようだが、一方で自然災害の折は、自治体への重機を提供したり、いろんな寄付などを行う人でもあるようだ。

アメリカのエネルギー消費量の25%は、現在石炭で賄われており、石炭産出量の5%は、輸出さえされている。石油が主にガソリンとして消費されている事を考えると、アメリカの電力の7割は石炭がになっているのである。埋蔵量は、豊富で石炭抜きには、アメリカのエネルギー政策は考えられないのである。

しかし、アメリカの人々が石炭、ましてや炭鉱、炭鉱夫に付いて考える事は、皆無であろう。話題になるのは、今回のような炭鉱事故の時だけである。

『遠い空の向うに』(October Sky)という、炭鉱の町出身のNASA技術者の実体験を基にした映画がある。内容的には、炭鉱で働く事よりロケット技術者になる夢を実現させるという青春映画なのだが、高校の時から炭鉱夫になる事を運命付けられるような様子がリアルに出てくる。炭鉱があるからこそ成り立つ町、労働争議や対立、事故、しかし、過酷な条件で働く炭坑夫が気持ちよく描かれている。このようなアメリカ(60年代だが、基本的にはそんなに変わっていないと思う)もあるということを知る上でも見て損の無い映画だ。

この映画の原作『Rocket Boys』の著者は、今回の事故を悼みながらも、アメリカの国力を根底で支える人々への変わらぬ尊敬の念を表わしている。

日本は地下資源を輸入に頼っているので、このような現実が段々無くなってきているのは、危機的である。いくら技術的に進化しようと、自然を相手にする労働者という現実が無くなれば、技術も枯れざるを得ないと思う。いつの間にか、日本の労働は、製造業の現実くらいしか無くなってしまった様な気がするが、これもエネルギーを輸入に頼った上での話である事を、認識して置く必要がある。

アメリカで、コンピュターのスイッチを入れる度に石炭の事を思い、亡くなった炭坑夫の事に思いを馳せるのは悪い事ではないと思う。

12月6日は、1906年にやはり West Virginia 州で起きた大規模の炭鉱事故を忘れない為に、Natonal Miners Day (炭坑夫の日)となっているとの事だ。

Goldman Sachs 詐欺の疑いで提訴

2010-04-20 10:36:59 | アメリカ経済
John Paulson が、Goldman Sacks (Deutsche Bank にも)に働きかけて、Credit-Default Swapsを大量に買う為にCollateralized Debt Obligationsの市場を拡大させ、住宅バブルの崩壊に書けている事を、Collateralized Debt Obligationsを購入する投資家に知らせていなかったというのが、提訴理由である。余りにも無理があるので、Goldman Sacks が徹底抗戦すると言っているのももっともだ。

市場を拡大したい人の意図がどうであれ、市場や取引自体にインチキが無い限り、市場(もしくは市場開設、拡大)に罪は無い。そんな事をすれば、株が暴落する度に株式市場や取引所を訴えなければならない。確かに、特殊な市場だけに気持は分かるが、SEC は、トチ狂っているとしか言いようが無い。

何が飛び出してくるかは、今後の見てのお楽しみだが、私は大したものは出てこないと思う。

ウォールストリートの改革が、オバマ政権の次の標的なので、オバマ政権主導のアメリカ版「米騒動」の様な気がする。権力者が活動家の手法を使う危険性をまざまざと見せつけている。こんな大衆迎合政策ばかりをしている場合ではないはずなのだが。

とりあえず、頑張れ Goldman Sacks と言っておこう。

キューポラの熱い国

2010-03-05 00:19:56 | アメリカ経済
今日のWSJ で、鋳物工場に投資が戻って来ているとの記事があった。倒産等で安くなっている上に、景気の回復を見込んで製造業に投資が戻ってきているそうだ。

数年前に、鋳物工場(鉄、アルミ、ちょっとだけマグネシウム)を見て回った事があり、自動車部品製造関係でアメリカで投資するなら、この分野だろうと思っていた。イメージ的には、アメリカの工場、設備は古いものばかりなのを見て、日本から最新技術を導入すれば、抜群の競争力になるかもという漠然としたものだった。

今回の大不況の前から鋳物業界は、倒産の嵐が吹き捲くり、既に安い投資になっていた。現時点だともっとだと思うので、既存の設備を安く買って、業界の再編と景気回復を待つのは、良い戦略であろう。特に、鋳鉄の方は目新しい技術は無いので、目ざとい投資家である。

鋳物業界は、鉄鋼や自動車部品に比べて規模が小さいので、投資家もユニークである。記事で紹介されている Wayzata Investment Partners LLC は、ミネソタにある投資会社である。ホームページによると、元々は政界最大の穀物商社の投資部門が前身の会社のようである。中西部の本拠地がある所がシブい。土地柄、製造業それも鋳物業界なんて泥臭いものを、を理解する人がいる様な気がする。

鋳物は中西部が盛んである。鉄鉱石が取れるのと、五大湖で海運が発達しているので、鉄鋼や自動車産業とともに発展して来た歴史がある。

もう一つ肝心なのは、良い砂がある事らしい。(特にミシガン湖畔)日本でも、石川県やその周辺に工作機械メーカーが多くあったりするのは、工作機械の土台になる大きな鋳物が入手し易い、つまり、良い砂があって鋳物産業が昔から盛んであったと聞いた事がある。

肝心の日本の最新技術であるが、鋳鉄については、言ってはみたものの自信が無い。ホンダのエンジン工場で、ブレーキディスク用のローターを吹いているのを見た事あるが、アメリカの工場のそれと余り違いが無い様な気がした。日系の鋳鉄部品の加工会社が、アメリカでは素材の鋳鉄をアメリカの鋳物屋から購入している事からも、技術的、コスト的なメリットが無いのかもしれない。

では、アルミはどうかと言うと、これは先ず、日米の好みの違いが明確ににあるので技術導入すると面白いと思う。日本では、アルミは溶かした時の流れが良いので、鋳鉄の様に使い捨ての砂の型に流し込むのではなくダイキャスティングと呼ばれる型に流し込むのが主流になってきている。(簡単に言えばプラスチックの射出成形と同じ)日本は高い圧力でのこのダイキャスティングが好み。一方、アメリカは低圧力が好みで、ダイキャスティングとは違い重力や真空引きを利用した製法が主流である。

よって、日系でもアルミ加工会社は自社のダイキャスティング技術を持ち込んで素材から鋳造している。アメリカでダイキャスティングが一般的ではないという事情もあるが、技術やコストの優位性が高いと思われるので、アルミ鋳造専業でもアメリカ市場に結構食い込めるのではないかと思う。(型ものとなるので加工が少なくてすみ、結局、加工までする事になると思われるが)

アルコアのミシガン西部にあるアルミ鋳造工場を見学した時に、ライト兄弟の初飛行のエンジンを制作したのがアルコアである事を知った。(この工場で製造したかどうかは忘れた)鉄製のエンジンでは重すぎたのだが、新素材として出現したアルミによって、軽量化が出来て動力飛行の道が開けたとの事だ。(アルコアの歴史)ちょうど百周年記念(2003年)の前年だったので、案内してくれた営業の人が、アルコアが積極的に宣伝していないのを悔しがっていた。

但し、初飛行に使われたエンジンは冷却の構造が無く、20分以上運転すると焼き付くものだったそうだ。初飛行日に確か4回飛んでおり、最後は墜落してエンジンも割れてしまったのだが、どちらにしてもそれ以上は無理だったらしい。(今年の夏に、キティーホークでもう一度勉強してきます)

鋳物業界はセクシーではないけど、必ず必要なものだし、アメリカでは、特にアルミで面白いビジネスモデルが出来そうな気がする。鋳鉄も重量物なので輸入にシフトする事は無いと考えていたが、ブラジルや南アメリカで鋳鉄が盛んになってきて輸出も始まっているようだ。鉄鉱石が出たりするから安いのだろうか。(中国の鋳鉄は正体不明の物質が入っていたりしていまいちだった経験がある。)

マグネシウムは、アルミと補完の立場にある微妙な存在であるが、常に粉塵爆発の危険がある。アルミ鋳造工場にマグネシウム鋳造設備という所が多いのだが、いつも隔離されている。

ギリシャの次は日本?

2010-03-02 12:50:38 | アメリカ経済
この記事(WSJ: Japan Scrambles to Avoid Being the Next Greece)を貼付ける為に、サーチしたら他にも一杯似た様な記事があるのでビックリ。

更に Economist 2/2/10 は、ギリシャが大騒ぎになる直前の記事であるが、ギリシャが日本を差し置いて危険度ナンバーワンなのは、GとJのアルファベット順の差だけだと不気味な事が書いてある。そのギリシャがいってしまった以上、次は日本というのは当然の考え方であろう。

WSJの記事では、民主党政府が6月までに財政再建案をまとめると表明しているので、ここ3ヶ月で何らかの結論が出るとしている。

国債格付が下がる事、民主党政権が消費税を2013年まで上げない公約していることを不安材料としてあげている。

又、再建策として、消費税を向こう10年で毎年1%づつ上げる案が紹介されている。これは、ショックをやわらげ、更に購入意欲(上がる前に前倒しで購入)を刺激するという考え方である。

一方で、ディフォトの可能性は、少なくとも数年は低いと考えている専門家も多いようである。どちらにしても、増税、特に消費税のアップは避けられないというのが共通認識のようだ。

日本は過去160年間に、明治維新と戦後2回、国家として財政破綻している。つまりそういう国なのである。一番違うのは、昔は皆がひもじい思いをすれば良かったが、今回は過去2回と社会構造が全然変わっているので、もし起きれば大パニックになるであろう。幸い、日本国債の海外保有率は6.4%程度なので、国際社会にはそれほど迷惑を掛けない。(わけが無いと思うが、比較的低いという意味で)

歴史的にも日本の政府はあっさり万歳した事がある事は肝に銘じておいた方が良いと思う。

材木価格の値上がり記事で思った事

2010-02-18 01:13:51 | アメリカ経済
アメリカの材木の値段が上がっているようだ。それも今年に入って32%の大幅上昇である。

理由は、ズバリ供給不足。住宅事情の冷え込みで、生産が2005年か2009年に掛けて45%も落ち込んでいる。流通中間在庫も絞られておる。しかし、アメリカのも春(文字通りの)がやってくるので、建築業者が春からのシーズンに備えて購入を始めたことで、需給がタイトになり値上がりしている。

昨年11月で終わるはずだった政府の住宅購入補助金が延長された事もあり、新築住宅販売が増えると読んだ建築業者が強気に買い付けているケースもあるらしい。一方、供給側は市場が冷え濃く局面で大赤字を出しており、一度占めた工場を再開したくても運転資金の確保に苦労しており、一朝一夕に増やせない状態である。

今後、住宅市場、特に新築の展開と材木価格に注目のであるが、同じような構図が、いろんな産業で頻発している可能性があると思われる。

プラスチック、ゴムの化成品の業界でも、年明けから供給逼迫の話ばかりである。製品だけでなく、Feedstock と呼ばれる原油を分解した化成品の原材料が逼迫してきている。(直接関係はないが、天然ゴムも逼迫しているものがあり、価格も2年前の最高値に迫る勢いである)

イメージ的には、日本ではリーマンショック後直ぐに在庫圧縮や生産調整をした状況が(日本の落込みが一番早く激しかった)、アメリカでは1年以上掛けて行ってきた感じである。アメリカは今後の状況が厳しくなりそうな悪い予感がしている。既に最初のショックから一年以上も経ってやや景気が上向いたこの時期に供給、流通在庫のボトムがやって来た感じがあるからである。

サプライチェーンには、Bullwhip Effectと呼ばれる現象が、普段でも発現するのに、需要が全く読めなくなった挙句の景気浮揚なので、比較的中間業者が少ない製品でも、あちこちで問題が起きている感じである。My Life at MIT Sloan の関連エントリーWSJ Caterpillar の記事(全部は購読してないと読めないようです)を同じ頃に読んだ事や、クライアント、サプライヤー、自分自身も局地的な嵐に巻き込まれているので、ひしひしと Bullwhip Effect を感じている。

これからの景気の上昇局面で(あくまでも希望観測ですが)、今後、原料から一般消費財の不足が騒がれるのではないかと思う。その事で景気感と一致しないインフレが起こる予感がある。アメリカの景気回復の予想をするとき、この辺の問題も考慮する必要があるだろう。(定量的に検証するスベは思い付かず)

面白いオブザベーションとしては、リーマンショック直後の対応は、数字だけを見ていると、冷徹と思われているアメリカ経営より日本経営の方が対応が早かった事があげられる。Just in Time が浸透しているので中間流通在庫がアメリカに比べて少ないのが最大の要因だと思う。アメリカは、やはり、広大だし、土地が安い(倉庫がある)ので、必要量だけよりトラックロード単位の流通がコストが安いと推測されるので、サプライチェーン全体で中間流通在庫が必要以上にあるのだと思う。(ちょっと大雑把過ぎる気もするが、当たらずとも遠からずの自信有り。)

Here or to go

2010-02-11 11:53:25 | アメリカ経済
"Here or to go" アメリカでファストフードレストランだと注文時に必ず聞かれる質問です。こちらで召し上がりますか?それともお持ち帰りですか?という質問です。

先週、デトロイトよりクリーブランドに車で出張しました。オハイオ州はターンパイクと呼ばれる有料道路を走ります。(OH Turnpike ホームページ)有料という事もあり、燃料補給、食事、トイレ休憩が出来る様に、日本で言うサービスエリアの様なサービスプラザと呼ばれる施設があります。

行きがけに、そのサービスブラザのスターバックスでコーヒー(最近、グリーンティーラテばっかです。得体の知れないネーミングの割に美味しいので、騙されたと思って一度お試しを)を注文したところ、この質問が飛んできました。コーヒー一杯で "Here or to go" は無いだろうと思いましたが、急いでいた事もあり、 "To go" と答えてクリーブランドへ向かいました。

帰りにガソリン補給が必要になったため、再びサービスプラザに寄り、グリーンティーラテを注文した所、やはり "Here or to go" と聞かれたので、 "To go" と答えておいて、ツッコミを入れてみました。

ビックリした事に、この質問にはキチンと理由がありました。"Here" と答えた場合、オハイオ州内で消費されるので、セールスタックスが掛かり、 "To go" の場合は州を超える商行為と見なされて非課税になるとの事でした。で、セールスタックスは何%なのと聞いたのですが、売り子のねーちゃんは知りませんでした。(上記のホームページで真偽の程とセールスタックスの%を問い合わせておりますが、未だ返事無し)行きも帰りもオハイオ州内で飲み干したので、お得な気分になりました。

サービスプラザは州政府の運営なので、妙な所が厳密なのは納得出来るのですが、アメリカに於ける連邦政府と州政府の関係、今後のセールスタックスのあり方等について、グリーンティーラテの刺激を受けてつつ運転しつつ考えながらデトロイトまで帰ってきました。

州政府は、州外に販売するものに課税する権利がありません。良い例は、私が良く利用するアマゾンでの購入は全て非課税です。(ワシントン州の人は課税されていると思います。ついでに、私の場合、アマゾンのクレジットカードを使っているので、$25以上は普通での送料も無料です。)これは、本来どこかの州が得られるセールスタックスがこぼれている事になります。この問題は、議会でも時々話題になり連邦セールスタックスで漏れなく徴収しようとする動きがあります。州、厳密にはセールスタックスは郡(州内にある地方自治体)の税収なので、連邦による一元管理には、州ばかりでなく、ネット販売業界からも根強い反対があります。

商業に於ける州境が急速に意味が無くなってきているのに、州の権限が強すぎて、税法そのものが追いついておりません。実は、この弊害が健康保険改革のネックになっていたりもします。(州毎の規制がバラバラで、州を超えての健康保険の販売、購入が出来ないのが端的な例)

税金については、連邦所得税をやめて、連邦セールスタックスで連邦政府をまかなって、州の運営は所得税でと言う逆転発想の提案が出てきてたりします。

州毎の権限と裁量が大きく、人々が気に入った州に自由に行けるというのがアメリカの活力であったわけですが、税金等がシステム的には完全に時代遅れになっております。今後連邦議会には、財政規律を厳しくする過程で州の独立性を阻害する事無く、連邦内の通商がスムーズになる様な大胆な議論が出てくる事を望むばかりです。

アメリカの原油輸入先

2010-01-06 03:08:42 | アメリカ経済
現在,アメリカは原油の55%を輸入に頼っています。アメリカの原油輸入先を見てみると、中東からの輸入は総量の15%程に減ってきております。(2001年は28%)EUもイギリスは北海油田があるので数%と低く、ドイツは10%、イタリア、フランスで30%前後です。日本は、90%を中東からの輸入に頼っております。そう考えると、中東諸国の最大顧客は日本という事でしょうか。

中東でのアメリカの軍事行動は、石油のためと言われてますが、少し的外れな感じです。中東が持っている石油代金の決済で得られたドルは、アメリカに還流してもらった方が良いのですが、アメリカ国債で言うと中国、日本がトップ2です。

アメリカの軍事行動は、イラクについては大量破壊兵器が根拠だったわけで、中東の平和を意図したものですし、アフガンはアルカイダ、タリバンに対すもので、自国の安全保障が柱です。イラク戦争への"Blood for Oil"の批判は、は明らかに事実誤認です。

そう考えて行くと、もしイラクが一段落しても、イランを放置すると、中東を混乱(戦乱)に陥れる事になると思います。アメリカの軍事プレゼンスが無くなれば、中東に混乱が起こる事をヨーロッパ各国は正しく認識しているけど、国内政治もあり及び腰といった所ではないでしょうか。ユーロードルの為替の問題もありますが、石油決済がユーロになる事は無さそうな気がします。

では,日本はどう考えているのでしょうか?多分何も考えていないでしょう。考えるにも軍事力、というか、自衛隊の展開さえ出来ない以上、アメリカ追従以外の選択肢はありません。アメリカが中東から手を引いて一番困るのは、日本でしょう。中国も困ると思いますが、アフリカ辺りで資源開発に熱心なのは、そのためでしょう。(日本も商社あたりが暗躍してくれていれば、妙に安心するのですが)中国もとアメリカは持ちつ持たれつの関係が、思った以上に深く複雑になっている思いを強くしました。

ソマリ、イエメンの海賊にしても、石油と同じ状況だとおもいます。このシーレーンに依存度が強いのは、日本、中国となります。中東という地理の問題だけではなく、イスラムの問題と考えると、インドネシアもあるので一層、シーレーンの安全保障は重要になります。

日本は、グリーンエネルギーで経済の巻き返しと脱石油を図っておりますが,現実的に20-30年で石油の需要がそんなに減るとはおもいませんので、中東、東アフリカ戦略をキチンとしなければ、政治的にも経済的にも沈没してしまいます。戦略構築のためには、軍事力、つまり憲法改定も必要となり、アメリカとの軍事協力が前提となります。

そう考えると、普天間なんかでアメリカと揉めている場合ではないとおもいます。アメリカは中国への牽制で、沖縄から撤退する事は無いとおもいますし、思いやり予算も、日本にとっては保険の意味合いが強かったのではとおもいます。

日本に直接関係する緊迫した国際状況を考えると、日本を、日本国民の生活を守るために、軍備、海外派兵に関する議論は避けて通れないと思うのは当然だと思います。

大東亜戦争では、アメリカにほとんどの石油も粗鋼に頼っている事を国民に知らせず(その当時のマスコミにも責任あり)、いけいけの国民の高揚との相乗効果で開戦した教訓があるのに、日本の軍事展開が必要な時にこのような世界状況を国民に知らせる事無く(これも分かり切った事をマスコミや政府が言わないか、国民が自分で聞く耳持たずなのか判然としませんが)、国民の厭戦感(平和ボケ、憲法遵守ボケ)におもねって、没落しそうな雲行きです。

大東亜戦争と今日の状況は、軍事展開を”する” ”しない”が、まるっきり逆の結論を必要とするのですが、現実的に世界を見れば、自ずと答えは出てくるとおもいます。

日本の軍事的やる気が、現在の国際バランスを良い方向に変える可能性は高いし(腐っても世界第2位の経済大国、中国に抜かれてないですよね?)、空母でも3、4隻作る事になれば、ケインズ理論の王道として、景気も急速に復活するでしょう。

未だ,石油の世紀、20世紀から逃れられない21世紀です。

中国製鋼管のタンピング認定

2010-01-04 10:50:14 | アメリカ経済
昨年暮れに、米政府(The U.S. International Trade Commission)は、中国製鋼管のダンピング認定をし、追徴課税を決定した。中国製タイヤに続く、認定で、にわかに米中間の貿易摩擦が緊張してきている。中国政府もWTOに提訴するとともに、アメリカ製自動車や鶏肉のダンピングについて調査を始めている。

中国製タイヤ、鋼管とも、アメリカの鉄鋼労働組合が積極的にロビーを行った末の、ダンピング認定であった。

民主党政権の重要な基盤が労働組合という事もあり、民主党政権の時は保護主義的な政策が取られる傾向にある。しかし、一体何のために、中国を刺激する必要があるのであろうか?

タイヤについては、中国製は廉価版という事で、アメリカ国内品とは直接バッティングが無く,南米等からの輸入品が有利になるだけという憶測でした。私も、オバマ政権として労働組合の顔を立てる意味合い位にしか思っておりませんでした。

鋼管は少し事情が違う様な気がしています。労働組合に対する優遇には変わりないんですが,鋼管の買い手,石油、ガス業界にプレッシャーがかかります。年間輸入額$2.7ビリオン(約2千400億円)との事なので、追徴分6%($144ミリオン)が増税、企業に取ってはコスト増となります。

中国との緊張が高まっても、国内の支持母体と敵(環境問題の元凶?)に強いメッセージを出していると考える事も出来ます。

一方では、中国に対して何らかのメッセージを出しているとも考えられます。(でもそう考えると、本丸は何なのでしょう、貿易絡みかそれともその他か?)

どちらにしても、ただの偶然とは考えられません。

私としては、オバマ政権の傾向として国内向けの感じがしますが,現時点では(というか私の私の頭では)、ハッキリしないので、今後も動向を注視して行きます。

私的財産所有権の危機

2009-11-30 07:34:23 | アメリカ経済
先週、ニューヨーク州の控訴審で、ある地域の一部の住民が反対をしていても、、私企業(ディベロッパー)の為に、立ち退きさせられる事が出来るという判決が出た。ある地域とは、NBA (National Basket Association)のチームであるNew Jersey Netsがスタジアムとオフィスビル群を予定している場所である。

数年前に、同じ例で、コネチカット州である地域の開発を進める地方自治体対反対住民の最高裁判決があり、地域振興を掲げる地方自治体が勝訴している。最高裁判決として地域振興の名のもと(被告は地方自治体)で、私的財産の絶対性が侵された衝撃は大きく、その後43州の州司法レベルで私的財産所有権を強化された。

コネチカット州の例は、悲惨な結末となっている。地方自治体が勝利した事でオフィスパークを建設が始まり、反対住民の家が取り壊されたが、メインテナントとして予定していた超大手製薬会社ファイザーが買収や経済環境の変化で、かの地への進出を辞めた事で開発計画自体が頓挫した。

ニューヨーク州で改めて、その地域の反対住民以外にとって利益が大きいと言う事で、私的財産が侵されるのである。これは資本主義の基本中の基本である私的財産の絶対性の否定に他ならない。

アメリカ最高裁判所の判決に対して、私的財産の絶対性を守るように動いた43州は、非常に懸命であった。ニューヨーク州はそれを怠った上に州の司法でも、私的財産を、公的団体ではなく私企業からも守れないと言う愚を置かした事になる。極端なことを言えば、あなたの所有している物は、それ相応の補償があるとしても、いつでも誰でもが取り上げる事が出来るのである。

裁判結果とは全く関係ありませんが、New Jersey Netsは今日の時点で0勝16敗で、つい今朝方、監督がクビになりました。