紫苑（シオン）

　紫苑とセセリ蝶


紫苑（シオン）は中国北部からシベリア原産のキク科の多年草，
その名が美しく，そして秋にはその名のとおりの
薄紫色の一重花を茎頂にたくさん咲かせます。
草丈が180cmにも伸び，大きくなりすぎるのが難でありますが，
平安時代の物語にも登場し，古くから日本に定着している和の植物です。
また，根茎は去痰，利尿に効果があり，漢方薬として使われています。

野によく見る雑草帰化植物，ヒメジオン（姫紫苑），ハルジオン（春紫苑）は
この紫苑から名前をもらい，とてもきれいな素敵な名となっています。
どこにでも生える雑草でありますが，よく知られ，
かわいがられてもいる大きな理由の一つでしょう。

写真は民家横の空地に植えられていた紫苑の花，
おだやかな秋の日に虫たちがたくさん訪れていました。
背丈が高く，コスモスのような柔軟さがないので，
先日のような台風はもちろんのこと，ちょっとした風でも，
まともに受けてたいへんかなと余計な心配をしてみました。

　風吹きておびえわななく紫苑花