イエティくらぶ札幌まるやま校・黒松内校・東川校・いぶり校の子どもたち&スタッフが、一堂に会して実施している『イエティくらぶ合同キャンプ』2日目。
忍者修行のため忍者のいる世界にタイムスリップした一行は、今日も元気に朝ご飯を食べ、修業に励みます。
朝ごはんはサンドイッチとコンソメスープと果物。食卓には目の良い忍者になれるようにブルーベリーのジャムもありました。
朝食を済ませた子ども忍者たちの前に現れたのは、前日にみんなを忍者の世界にご案内したネオスコドモタイムトラベル社の添乗員の方。
なにやらこのキトウシには城があり、そこにはお殿様が住んでいるとのこと。
ということで、みんなでキトウシのお城を見に行くミニツアーを敢行いたしました。
カラクリ馬車(※現代でいう自動車の意味)でとととっと進むこと約5分。たどり着いたのは、岐登牛城展望閣。おぉ!すごい!本当にお城だ!!
そこには岐登牛城当主のお殿様の姿が。城周辺の案内をしてもらいました。
城へのミニツアーから戻り来て、次に待っていたのが忍術手習所師範・けーた丸による忍者修行です。
「忍者たる者、良き眼を持ち、敵がいづこに潜んでいるか見破れなければならぬ!」と用意されていたのは、自然の中に隠された自然の中にないものを見つける忍法・隠れ蓑術破りの修行でありました。
決まった場所に1列に並び、そこからよーく目を凝らして指定された範囲の中に隠れている名札ケース・ペン・竹箸を探し出します。
隠されている場所がわかったら、こっそり師範(スタッフ)のもとへ行き、隠されていた場所を耳打ちします。
さぁ、ちゃんと隠された場所がわかり、その場所を言葉で説明できるでしょうか?
小雨がぽつりぽつりと落ちる中でしたが、子どもたちは雨にも負けず一生懸命修行にはげみました。
隠れ蓑術破りの修行がちょうど終わりを迎えたその時、「号外ー!ごうがーいっっ!!」と大きな声と共に走ってくる者の姿がありました。
忍者に最新の忍術やお得な情報をお届けする忍者情報局の局員が、大きなかわら版を持って走ってきました。
そのかわら版には『求ム!!我が城を守れる優秀な忍者を大募集します。場所:ここ/時刻:今から/定員:先着16名!岐登牛城の殿より』の文面。
すると、森の奥から岐登牛城の殿が現れました。
「今から我が城を守るにふさわしい忍者を選抜する。わしの前にてそれぞれ得意な忍術を披露せよ。その忍術が城を守るにふさわしいと感ずれば合格じゃ。一人で披露するも良し。仲間と披露するも良し。さぁ、ただ今より試験を開始する!」
という殿からのお言葉に子どもたちのテンションも上がります。
忍び足の術、舞踊の術、笑いの術、忍者の風呂敷巻指南、雨降らしの術、剣術、秘儀・千手観音の術などなど子ども忍者たちは自分が得意とする忍術で殿にアピール。
こうして、16人の精鋭が選ばれ、城の忍者として召し抱えられる運びとなりました。
一方、夢破れ、意気消沈の忍者たち…そんな忍者たちの前にひとりの男が現れた。岐登牛の里で薬作りの名人と呼ばれる里長でありました。
「君たちの戦いぶりはよく見ていた。白の殿もバカよのう。こんな優秀な者たちを召し抱えぬとは。どうじゃ、皆の衆。私のところに来ないか?さすれば、城に忍者たちを倒し、城を手に入れられようぞ」
この誘いにのった忍者たちは里に忍者となり、下剋上を狙うことを誓ったのであります。
どこからともなく再び忍者情報局の局員忍者が登場。
「えー、こちらは忍者情報局です。ただいま、城を守る忍者16名を採用された城の殿のところへ来ています。新しい忍者たちを召し抱えられた殿に、今のお気持ちをインタビューしてきたいと思います」
「殿、新しい忍者を採用されたとのことですが、今のお気持ちは?」と情報局員がインタビューを始めたその時だった!!
「…うぅ、苦しい」と城の殿が胸元を抑え、急に倒れこんでしまったのである!!
「殿?!どうされました!!?」
慌てる家臣たち。現場は騒然となった。
「薬を!早く薬を持ってまいれ!!」と家臣が叫ぶが、必要な薬を城の者たちは持っていない…。
そこに響いた里の長の静かな声。
「城の者たち、探している薬というのはこれか?この薬をつくれる者はこの場に私しかいない。薬がほしければ城を明け渡せ!」
「そんなことはできない!よし、こうなれば城と薬をかけて勝負だ!!」
こうして城と薬をかけた城の忍者v.s.里の忍者の勝負が決まったのであります。
決まり事(ルール)、使える武器を確認し、それぞれの陣で作戦会議を開始。
決戦に備え、おにぎり弁当で腹ごしらえ。
腹が減っては戦はできぬ、とみんなモグモグたくさん食べました。
お腹も心も満タンになったところで、決戦の地・岐登牛城下へからくり馬車にて移動。
武器となるマツボックリやドングリ手裏剣を拾い集めるところから、子ども忍者たちの表情は真剣そのものです。
さぁ、いよいよ決戦のとき。
勝って薬を得て、城と殿を守るべく戦う忍者たちと、
勝って、城を奪い里の長を殿とするため下剋上を果たすことを狙う忍者たち。
戦いのルールは、それぞれの陣地にある敵の旗を先に奪った方が勝ちです。
しかし、旗を狙いに行く途中、相手の攻撃を受けると一度、自分の陣地の旗のもとまで戻らなければ復活することができません。
自分たちの旗を守りつつ、相手の旗を狙う。
攻守のバランスも重要です。
さて、どちらが自分たちの想いを遂げることができるのでしょうか。
いざ、岐登牛城の戦い、開始!!
攻めつ、戻りつ、一進一退の攻防が繰り広げられました。
しかし、当たった/当たっていないということでケンカになることもなく、子どもたちはフェアプレーで戦い抜きました。
年長さんから中学生まで、これだけ幅広い年代がいる中で、そのようなフェアな試合ができたことはとてもすごいことだと思います。
「取ったー!!」との勝ちどきの声があがり、勝負が決しました。
旗をとったのは城の忍者たちです。
この勝負、城の忍者の勝ち!
わぁっと歓喜の声があがる中、ふと気が付けば一緒に戦っていたはずの里の長の姿がありません。
え?どこ??勝負は終わったよ???
里の長が守っていた東屋周辺をくまなく探しますが、見当たりません。
これは一大事です。
誰かが「城の方にいるんじゃない?」と言いました。なので、捜索の範囲を広げ、みんなで城の方へ行ってみることにしました。
城の入り口の前には、城の殿につかえていた家臣の姿が。
でも、様子が少しおかしいのです。
「城の殿と里の長、ふたりの命は預かった!そして、城の殿のために作られた薬はこうしてくれる!!」と言うや否や、家臣は小瓶に入った薬を一気に飲み干してしまったのです。
呆然とする子ども忍者たち。中には驚きと悔しさで怒りだす子もおりました。
「二人を返してほしければ、大人忍者たちと勝負だ!指南所の師範たち、忍者情報局の局員も弱みを握って味方につけたからな!準備ができ次第、決戦を開始する!!」
子ども忍者たちは城の忍者も里の忍者も一緒になって団結し、大人忍者との戦いに挑むのでありました。
決まりごとは先ほどの対決と同じ。
我々大人忍者たちに対する『オトナゲナイ!』は最高の褒め言葉です。安全管理ももちろん忘れず、子ども忍者対大人忍者の真剣勝負です。
大人忍者も子どもたちのパワーに負けず応戦。かなり健闘……しましたが、やはり修業を積んだ子ども忍者のパワーは素晴らしく、軍配は子ども忍者にあがりました。
負けた大人忍者から殿と長がいる居場所が書かれた密書を手にした子ども忍者たち。
「殿は城の中にいる!」の言葉に一斉に城の中へ入って行きます。
城の中に入ると、そこには城の殿と里の長が仲睦まじく談笑しているではありませんか。
おや?城の殿と里の長は仲が悪いんじゃありませんでしたっけ??
「何を言っておる。里の長とわしはブラザーじゃぞ」
!!?
そーいえば、殿、お身体の具合はよろしいのですか??
「あんなものなくてもピンピンしておるわ」
「私が作ったという薬は何の効能もないただの砂糖粉じゃ」
!!!??
状況が呑み込めない子ども忍者たちに殿が優しく語りかけます。
「先に城に召し抱える忍者を選ぶ試験を行ったがの、実はその試験はまだ終わっていなかったのだ。里の長をはじめ、指南所の師範たちにも協力を頼み、あえて対立する組織に分け、こうして守るべきもののため、一丸となって戦える者たちであるのかどうかを試しておったのだ。
皆は私たちのためによく戦い、勝利を収めた。よって、全員を城の忍者として召し抱えることとする!」
子ども忍者たちからは歓声が上がり、見事、全員が城の忍者として殿に仕えることができることになりました。
頑張った子ども忍者たちはご褒美に殿の案内で城の天守閣に登り、東川の素晴らしい景色を眺めることができました。
無事、忍者試験に合格した子ども忍者たちはさらなるパワーアップを図るため、自由忍者修行にはげみました。
モモンガの術、鉄棒の術、山登りの術、森歩きの術、歌声の術。
やりたい修行を思う存分楽しみました。
たっぷり忍者修行を楽しみ、お腹もペコペコ。
忍者修行を終え、帰って来てのお楽しみは晩ごはん。
この日のメニューは昨日のニンジャカレーに続き、新たな忍者ごはん・黒子丼が振る舞われました。
忍者は栄養素の高い黒い食材を好んで食べたといわれています。
と、いうことで今回はひじきご飯の上に黒ゴマを入れた親子丼を、隠密=主の黒子として仕える忍者になぞらえて黒子丼と命名したものを作ってみました。
お味はいかがだったでしょうか?
この日は近くの温泉まで行きお風呂につかり、2日間の修行の疲れを癒しました。
1日中外でクタクタになるまで遊んだ子ども忍者たちは、お風呂から帰ると就寝時間の前に夢の中に落ちていきました。
そんな忍者修行キャンプ2日目の様子です。
この続き(3日目の様子)はまたのちほど。
とんからりん。
イエティくらぶいぶり自然学校・上道和恵(うえちゃん)