子ども達のための自然学校・イエティくらぶ

NPO法人ねおすが主催する「子ども達のための自然学校『イエティくらぶ』」の活動報告をアップしています。

イエティトレッキングくらぶ~塩谷丸山~

2013年06月03日 09時13分35秒 | 札幌まるやま校

今年度からはじまった札幌まるやま校の新プログラム!

その名も「イエティトレッキングくらぶ」。

みんなで楽しく安全に歩いて「いい景色と達成感+α」を味わいます。

記念すべき第1回目の目的地は小樽市にある「塩谷丸山」です。

 

まずは札幌駅に集合。

参加者は子ども5名、大人3名、スタッフ3名の11名です。

 

集合したら携帯型座布団と行動食を受け取り自分のリュックに詰め込みます。

水も1L持っているのでリュックは結構な重さです。最後まで歩けるか少し不安。

 

今回の「+α」はプチ旅です。

海に行ったり、JRやバスなどいろいろな交通機関を使います。

切符を買うのはもちろん自分たち、財布を大切に持って料金表をじっくり見ます。

販売機の操作もやってみなくちゃわからない。

出てきた切符もなくさないように自分でしっかり持っていないと。

JRに乗り込み普通列車でガタゴト揺られます。

昨日の運動会や暑さで最初はぐったりしていた子どもたちも車内では元気いっぱい。

クイズを出したり、帽子でふざけたりしているうちに海が見えてきました。

テンションもどんどんあがります。

小樽駅で2両編成のワンマン列車に乗り変えま、約1時間で塩谷駅に到着。

最後のトイレを済ませます。

ぼっとんトイレだけどイエティの子どもたちはそれさえも笑い飛ばしてくれます。頼もしい。

天気は晴れ男晴れ女ぞろいのスタッフ陣のおかげで快晴!少し暑いくらいです。

日陰を探して無人の駅舎で今日の行程をレクチャー、

一体どれだけ歩けばいいのか?どんなところなのか表情は少し不安なのと、

よくわからないけど行ってみよう!な楽観した顔が混ざっていました。

 

登山口までは駅から約20分。

歩きはじめてすぐに「まだつかないの?」「どこに登山口があるの?」「頂上」なんて言う会話をしながら歩きます。

服装や装備を整え、ウルシやハチにあった時の対処法をレクチャーして登山届けを書きました。

10時40分登山開始です。

塩谷丸山の頂

上までは2.8km。最初から中盤までは子どもたちにとっては急な登りが続きます。

登りでテンションが下がりすぎないように、

まずは周りに目を向けてみようという事で「花を10種類探してみよう!」

見つけたのはヤブニンジン、ヒトリシズカ、エンレイソウ、スミレ、タンポポ、オオカメノキなどなど。

花を探していたら生き物もたくさんいました。

バッタ、抜け殻と羽化したてのエゾハルゼミ、カタツムリ、キアゲハetc

子ども達は発見の天才です。

目線が低い事もありますが、どんどんいろんなものを発見してくれます。

歩き慣れていない子どもたちは延々と続く登りにテンションがぐっと下がっていくので、30分ごとに休憩をしました。

子どもたちは水分と行動食を補給するたびに明らかにエネルギーが復活するのはなぜでしょうか?不思議です。

行動食で人気があったのはキャラメルでしたね。

ゼリーは家に持ってかえって凍らせて食べたいという声が多かったです。

(子どもたちには下りの途中にもキャラメルを追加しました。)

 

登る時は子どもたちの体力を見て順番を入れ替えます。

体力の無い子や足が疲れてきた子などを先頭にする事で体力やペースをコントロールするのです。

ボランティアスタッフのきなこさんが子ども全体を見てくれてアドバイスしてくれます。

山岳会に入っていて、クライミングなどもしているスーパーウーマン!

 

きつい登りが終わると大きな木は少なくなり、両側が背の高い笹に覆われた割と平坦な道になります。

頂上も目の前です、いつしか振り返ると海岸線が見渡せるようになってきます。

子どもたちからは「頂上まで景色を見るのをとっておく」なんて声も聞こえていました。

ちょうど顔の位置ぐらいにある笹を器用によけて進んでいくと最後の登りです。

登りの手前には雪でぬかるんだ道と雪渓の上り坂15mがまっていました。

6月でも雪が残っている事に驚きながら、雪をつま先でキックしながらステップを作って登っていきます。

運動靴ではなかなかうまくできないのできなこさんが道を作ってくれました。

頂上直下の最後の登りは岩がゴツゴツしています、

おりてきた人が滑って転んだのを見て子どもたちは無言で足下を確かめながら登っていきます。

気持ちが引き締まった事でしょう。

 

登りはじめて約2時間、12時40分に山頂に到着です。

ものすごくいい景色!小樽の町並みはもちろん余市方面や残雪の残る積丹岳も見えました。

山頂近くの平らな岩場で昼食です。

岩場のすぐ下は崖、眼下には新緑の森、前方に広がる日本海、背後には美しい山並み最高のローケーションです。

リュックに入っていた座布団を出して座ります。

スタッフからはコンソメわかめスープが差し出されます。

暑くても塩分補給は欠かせません。

おやつと大人のコーヒータイムが終わったら写真撮影会、

どんな場所だといい写真が撮れるか何カ所か場所を変えてとりましたが、

どこも人だらけ、日曜日の登山ですから激混みなのでした。

 

そんななか今日はねおすの理事でもある樋口さんも大学の研修の講師で登っておられたのでパシャリ!

子どもたちはどんなすごい人かをあまりわかっていませんでしたが・・・ ラッキー!

 

山頂で休んだ後はみんなにアンケートをとりました。

海岸まで行くかどうか?

答えは「行きたい!」ではさっそく出発しましょう!

でもみんなの歩くペースと時間で行くか行かないかの最終判断を途中でしますと伝えました。

登山は下りに慣れるまでは大変なのです。大人でも下りが苦手な人も多いです。

13時30分下山開始!

下りはじめて20分、最初の休憩です。

ペースがあまり上がりません、やはり山を下った経験が少ないので、

低学年の子どもの足がだんだんと疲れてきていました。

 

海岸には行かず、ゆっくり降りようと決定しゆっくり慎重におりていきます。

「前の人と3歩離れて」「かかとから足を降ろして、しっかり地面につけて」と

子どもたちの間に入って声をかけてくれるのはボランティアスタッフのはたぼうです。

登山経験がプライベートでも豊富な彼女は適切なアドバイスをしてくれます。

 

やっぱり雪渓の下りでは登山靴以外の子はみんな転びました、

雪遊びで遊んでいる感覚とはちょっと違いますね。

それでも一生懸命転ばないように踏ん張る姿は格好よく見えました。

 

途中に足を伸ばしたりエグザイル風な体操をし、休憩を何度かはさんでようやくおりてきました。

気づいたらJRの時間には間に合いそうもありません。

早歩きにしてみたものの、3分ほど間に合わずJRは行ってしまいました・・・15時23分塩谷駅着でした。

それでも滑りやすい下りが終わったせいかみんなの元気は復活!

国道沿いにあるバス停まで一目散にかけていきます。今度はギリギリセーフ!

バスに乗り込んで一路小樽駅へ!

バスが動き出すと心地よい揺れに眠りにつきました。

 

小樽駅に着き列車に乗り込み、オレンジをみんなで切り分けて食べました。

果汁とビタミンが口の中に広がり、気持ちもリフレッシュ!

列車の中は何回も注意されるほど盛り上がりを見せていました。

 

不思議なもので登山中は子ども同士そんなにコミュニケーションをとっていないのですが、

妙に仲良く打ち解けていました。

これもつらい事を一緒に乗り越えて達成感を共有した事が影響しているのでしょう。

 

最後はそれぞれの交通手段でゾロゾロと帰路につきます。

帰りがバタバタでまとめの話ができなかったけど、

それぞれ心の中に1つでも自分の自信につながる事が残ってくれていたら嬉しいです。

 

登山が子どもたちに与えてくれるいい影響はどんなものがあるか?

そんな事を深く考えながら今後も楽しくみんなで歩きたいと思います。

イエティトレッキングくらぶ~塩谷丸山~

 

来月は「八剣山」、登り時間は短めですが、

しっかり自分をコントロールして登らないと崖から落ちてしまう場所もあります。

果たしてどんなトレッキングになるのでしょう?

今から楽しみです。

「+α」も何かおいしいものにしようと考えていますのでぜひご参加ください!

 

それではまた来月!

 「塩谷丸山」

登り:2時間

下り:1時間50分

歩行距離:約10km

 

カツオこと高野克也

コメント
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