4月1日から4日まで春の釜石親子ツアーを3泊4日で実施しました。
発端は、いつも黒松内のキャンプに来てくれている子どもの一言。
柏崎(ジョイ)は2年前までねおすで働いていましたが、実家が岩手県の釜石市にあり、
2年前の震災が起きたと同時に故郷に戻り、支援活動を始めました。
今回のツアーは、その子が
「ジョイに会いたい」
と言ってくれたことから生まれた企画で、
ようやく実現することができました。
ツアーの参加者は子ども6名、大人3名でした。
釜石にいるジョイに会いに行き、
被災地の現状がどうなっているのかを教えてもらったり、
釜石の素敵な場所をみんなで訪ねてきましたので、
その様子をアップします。
≪1日目≫-------------------------
まずは札幌で集合し、フェリー乗り場のある
苫小牧に向かいました。
空き時間には、黒松内の子ども達や春のキャンプに参加してくれた
子ども達と作った寄せ書きにサインを書いていました。
そして、いざ乗船!
フェリー内を探検したり、寝袋をかぶって芋虫ごっこをして
遊び、眠りにつきました。
≪2日目≫-------------------------
6時半に起きたら、見慣れない景色が!
すでに本州の八戸についていました。雪がないことに驚く道産子たち。
八戸駅の朝食バイキングで元気を補給し、
電車を乗り継いで釜石へ向かいます。
途中、八戸駅から盛岡までの3駅のみ新幹線に乗りました。
見慣れない新幹線に子ども達は大興奮!
「はやて」と「やまびこ」 同時に2つの新幹線と記念撮影をして大満足でした。
電車の中ではトランプ大会が開催されたり、
駅弁を食べたりして、旅を満喫♪
八戸から4時間かけて、ようやく目的地の釜石に到着。
ジョイと久しぶりの再会。みんなもジョイもとてもうれしそう。
みんなで自己紹介をしてから、
駅前にある鐘を鳴らして黙とうをし、釜石のバスツアーへ出掛けました。
バスからのぞく景色には、まだまだ津波の傷跡が残っており、
TVでしか津波の様子を見たことのない子ども達も
その威力に驚きを隠せない様子でした。
三陸ひとつなぎ自然学校の伊藤さんが
明治と昭和と今回の津波を忘れないための
石碑に案内してくれました。
自分たちと同じくらいの子どもが書いたメッセージを
真剣に読む子ども達。
その後は、釜石湾を一望できる釜石大観音に登り、
世界でも有数の堤防が破壊された様子を見ました。
そして、本日最後に訪れた場所は
釜石の奇跡と悲劇が起きた場所。
釜石の中でも特に津波による大きな被害を受けた鵜住居地区にある防災センター。
震災が起きる1週間前の避難訓練で使った場所で、
たくさんの方が避難してきたそうですが、津波でほとんどの方が亡くなったそうです。
見るも無残に壊れた建物。
2階にある天井のぎりぎりまで水が入った跡があり、
本当にいたたまれない気持ちになりました。
一方で、防災センターからわずかしか離れていない
場所にあったジョイの母校である「釜石東中学校」の生徒と小学生たちは
ほとんどが生き延びたといいます。
海に近い学校に通う生徒たちは、群馬大学大学院教授・片田敏孝先生の指導のもと
日頃から非難訓練を行い、防災に対する正しい知識を身につけていたおかげで、
皆で力を合わせ、高台に避難し、難を逃れたそうです。
改めて、日頃の防災の大切さと
津波の恐ろしさを実感した1日となりました。
1日目の見学ツアーが終了し、
本日のお宿「宝来館」へ移動。
そこでは、一度津波にのまれたという女将さんから
避難していた時のお話やこれからの夢について話していただきました。
数々の困難に立ち向かっている女将さんの真剣な言葉に
みんなひきこまれ、ただじっと耳を傾けていました。
またこの日は、NHKの取材が来ており、
子ども達はそわそわ緊張した様子でインタビューを受けていました。
このときの様子は、24日の朝8時15分~30分の
NHKのあさイチで放送されます。
ぜひ、ご覧ください!
その後、夕食をいただきました。
今が旬のワカメのしゃぶしゃぶやお刺身、天ぷら、
子ども達には海老フライや唐揚げ付!
美味しいごはんをたっぷり堪能しました!
また、夕食後、ジョイのお父さんとお母さんがみんなにお土産を
持って駆け付けてくださいました。
夜は、釜石でジョイがどんな活動をしていたのか、
どんなことを考えていたのか、写真を交えながら話を聞きました。
ぎゅっと詰まった1日が終わり、
その後は温泉で温まり、ふかふかの布団でぐっすり体を休めました。
≪3日目≫-------------------------
眠たい目をこすりつつ、朝食を食べ、
いざ、みんなが楽しみに待ちわびていた「ワカメの収穫体験」へ!
雨女ジョイの力により、天候はあいにくの雨ですが、みんなパワー全開です!
ジョイの親戚の漁師さんである柏崎さんの
船に乗せてもらい、旬のワカメを収穫します。
今日は、釜石の地元に住む子どもたち2名も
一緒に参加してくれました。
ワカメって海にどんなふうに生えているんだろう?
想像以上のモサモサワカメにびっくりの子ども達。
こんなにたくさん収穫できました!
獲ったワカメは早速しゃぶしゃぶでいただきます♪
(カメラのレンズが曇ってうまく撮れませんでした。ごめんなさい!)
その後、近くの磯で遊んでいると、「カニ」を発見!
そこは、イエティっこ。早速カニ獲りに挑戦し見事大量のカニをGETしましたが、
津波を生き延びたカニを持ちかえるのは忍びないということで
全部海へ返しました。
今日参加してくれた釜石の子どもの1人は、
津波が起きて以降、海で遊んだのが初めてだったそうです。
カニ獲りを通して、釜石の子どもたちと子ども達はすっかり打ち解けていました。
いっぱい作業して遊んだ後は、お昼ごはんを
越田鮮魚店さんでいただきました。
ホタテ、鮭、サンマ、イカ、ワカメなどなど・・・・
新鮮な海の幸が盛りだくさん!!言葉少なで夢中の子ども達。
それも納得の美味しさでした!
宝来館の女将さんもやってきたので、
今回のツアーメンバー全員で記念撮影!
旅の最後は、三陸ひとつなぎ自然学校が拠点にしている
ボランティアセンター&橋野にある地域の産直「どんぐり広場」に向かいました。
伊藤さんから、釜石は鉄の町でもあることを
鉄鉱石に磁石をくっつける体験を通して教えてもらいました。
まだまだ行きたいところ、見たいところはありますが
残念ながら、ここで時間切れとなってしまいました。
釜石での1泊2日はあっという間に終わり、
別れを惜しみつつ、JRで帰途につきます。
さすがに帰りの電車の中では爆睡・・・
かと思いきや、電車に夢中の男子チーム。さすがです。
帰りのフェリーに乗ってもまだ遊んでいるとは・・・
疲れ知らずのみんなには驚くばかり。
こうして、色んな体験と出会いがぎっしり詰まった
4日間のツアーは無事終了しました。
子ども達には、とにかく一度でもいいから、
東北を見てほしい、そんな気持ちをずっと抱いていました。
普段TVでしか見ることのない被災地との距離が少しでも近付いてほしかったからです。
みんな、今回のツアーを通じて感じたことがたくさんあったと思います。
それがすべて言葉になって出てこなくても
「釜石にまた来たい」それだけで今は十分だと思っています。
今回、たくさんの協力をいただいて実現させることができました。
ご協力いただいた皆さま、参加者の皆さま、本当にありがとうございました!
また、釜石に遊びに行きましょう!
春の釜石親子ツアー2013
黒松内ぶなの森自然学校 佐藤ふたみ(ふった)