大迫勇也、ケルンでの現状を語る。
「自分の形が出しづらい……」
text by
ミムラユウスケ
Yusuke Mimura
2月23日の火曜日、ケルンは10時から練習を行なった。試合日までは少し時間があったため、身体に負荷をかけるような筋力トレーニングや走り込みのメニューも組まれていた。最後は、10分間ごとに区切る10対10のミニゲームを3本行ない、この日の練習は終わった。大迫勇也は練習で使ったボールの入った袋をかかえながら、取材エリアにやってきた。
「なかなか、自分の形というのが出しづらい」
――最近の苦しい状況については、どうとらえている?
「チームが最近は5バックになっていて、なかなか……。(自分が)出られたとしても、サイド(のポジション)という感じだから。真ん中にボランチをたくさん置いて、センターバックの数も増やして、それで1トップにトニ(モデスト)がいて、両サイドにスピードのある選手を置くという感じのサッカーをしている。なかなか、自分の形というのが出しづらいという感じはあります」
――先週のボルシアMG戦では、4バックで臨み、ムラデノビッチが左サイドバックを務めました。ただシュテーガー監督は“彼は5バックのサイドバックというかウイングバックでは良い働きをするものの、4バックのサイドバックを任せるのは心もとない”というような話をしていたけど……。
「そうですね……4バックのときにはなかなか苦労しました。(ムラデノビッチが)前に行き過ぎてしまう癖があったから。(ボルシアMG戦で4-3-3の左FWで前半途中から30分以上プレーした)僕が下がらないといけないので、大変でしたね」
――大迫くんが自陣のペナルティエリアにまで戻り、逆サイドからのクロスに対応するような場面さえあったわけで……。
「あそこでは(マークをする選手を)受け渡すのが普通なんですけど、受け渡さずに(4バックだったにもかかわらず)3バックのときのような守備をしてたところはあったので、ちょっと難しかったですね」
「サイドのプレーを評価されたところで……」
――ただ、監督の話を聞いていると、しばらくは3バックで戦いそうな気配はあるわけで……。
「それはチームの結果次第です。ただ、今は真ん中のポジションでやることにこだわっているので。前目のポジションの、真ん中でやることをね。サイドのプレーを評価されたところで……という感じですけどね」
――ということは、ボルシアMG戦のような戦いをするのであれば、サイドのFWで先発するも、途中出場であっても真ん中のポジションでプレーしたいと?
「自分としては、その方がやりがいはありますけどね」
――そういう話を監督としたりは?
「話は少しずつ、していますよ」
監督からポジティブな言葉をかけてもらえたが……。
――やはり、後半戦最初のシュツットガルト戦。試合内容も悪くなかったし、大迫くんも2トップのうちの下がり目のポジションで良いプレーを見せていたけど、あそこで勝っていたら……(試合は1-3で敗戦)。
「たぶん、あそこですよね。そうっすね」
――あの試合の大迫くんのスタッツは、シュート数が4本(チーム2位)、ボールタッチは70回(チーム4位)、一対一で勝った回数も15回(チームトップ)と、良いパフォーマンスを出せていたわけで……。
「あのときは、自分自身の手ごたえとしてはすごくあったし、試合が終わってからも監督から、すごくポジティブな言葉もかけてもらえたんですけど……。ただ、そこから5バックになったから“あれ”という感じではありましたけど」
――次は金曜日にヘルタとのホームゲームですが。
「そのあとも(翌週の火曜日にリーグ戦があるため)連戦で、チャンスは来ると思うから。頑張りますよ」
チンチロリン
取材に応じたケルンの大迫である。
起用法、戦術に対して少々思いがある様子。
ここは耐えてチャンスを待つと語ったが、この週末の連戦では出場機会が与えられなんだ。
かなり苦境と感じる。
とはいえ、ここは練習にて実力をアピールし、センターFWとしての才覚を評価されるのだ。
大迫の躍動を心待ちにしておる。
チンチロリン
「自分の形が出しづらい……」
text by
ミムラユウスケ
Yusuke Mimura
2月23日の火曜日、ケルンは10時から練習を行なった。試合日までは少し時間があったため、身体に負荷をかけるような筋力トレーニングや走り込みのメニューも組まれていた。最後は、10分間ごとに区切る10対10のミニゲームを3本行ない、この日の練習は終わった。大迫勇也は練習で使ったボールの入った袋をかかえながら、取材エリアにやってきた。
「なかなか、自分の形というのが出しづらい」
――最近の苦しい状況については、どうとらえている?
「チームが最近は5バックになっていて、なかなか……。(自分が)出られたとしても、サイド(のポジション)という感じだから。真ん中にボランチをたくさん置いて、センターバックの数も増やして、それで1トップにトニ(モデスト)がいて、両サイドにスピードのある選手を置くという感じのサッカーをしている。なかなか、自分の形というのが出しづらいという感じはあります」
――先週のボルシアMG戦では、4バックで臨み、ムラデノビッチが左サイドバックを務めました。ただシュテーガー監督は“彼は5バックのサイドバックというかウイングバックでは良い働きをするものの、4バックのサイドバックを任せるのは心もとない”というような話をしていたけど……。
「そうですね……4バックのときにはなかなか苦労しました。(ムラデノビッチが)前に行き過ぎてしまう癖があったから。(ボルシアMG戦で4-3-3の左FWで前半途中から30分以上プレーした)僕が下がらないといけないので、大変でしたね」
――大迫くんが自陣のペナルティエリアにまで戻り、逆サイドからのクロスに対応するような場面さえあったわけで……。
「あそこでは(マークをする選手を)受け渡すのが普通なんですけど、受け渡さずに(4バックだったにもかかわらず)3バックのときのような守備をしてたところはあったので、ちょっと難しかったですね」
「サイドのプレーを評価されたところで……」
――ただ、監督の話を聞いていると、しばらくは3バックで戦いそうな気配はあるわけで……。
「それはチームの結果次第です。ただ、今は真ん中のポジションでやることにこだわっているので。前目のポジションの、真ん中でやることをね。サイドのプレーを評価されたところで……という感じですけどね」
――ということは、ボルシアMG戦のような戦いをするのであれば、サイドのFWで先発するも、途中出場であっても真ん中のポジションでプレーしたいと?
「自分としては、その方がやりがいはありますけどね」
――そういう話を監督としたりは?
「話は少しずつ、していますよ」
監督からポジティブな言葉をかけてもらえたが……。
――やはり、後半戦最初のシュツットガルト戦。試合内容も悪くなかったし、大迫くんも2トップのうちの下がり目のポジションで良いプレーを見せていたけど、あそこで勝っていたら……(試合は1-3で敗戦)。
「たぶん、あそこですよね。そうっすね」
――あの試合の大迫くんのスタッツは、シュート数が4本(チーム2位)、ボールタッチは70回(チーム4位)、一対一で勝った回数も15回(チームトップ)と、良いパフォーマンスを出せていたわけで……。
「あのときは、自分自身の手ごたえとしてはすごくあったし、試合が終わってからも監督から、すごくポジティブな言葉もかけてもらえたんですけど……。ただ、そこから5バックになったから“あれ”という感じではありましたけど」
――次は金曜日にヘルタとのホームゲームですが。
「そのあとも(翌週の火曜日にリーグ戦があるため)連戦で、チャンスは来ると思うから。頑張りますよ」
チンチロリン
取材に応じたケルンの大迫である。
起用法、戦術に対して少々思いがある様子。
ここは耐えてチャンスを待つと語ったが、この週末の連戦では出場機会が与えられなんだ。
かなり苦境と感じる。
とはいえ、ここは練習にて実力をアピールし、センターFWとしての才覚を評価されるのだ。
大迫の躍動を心待ちにしておる。
チンチロリン
ガンバ下す一撃。19歳・鈴木優磨の誰よりも強い鹿島愛
J1開幕戦、鹿島アントラーズの若手が輝きを放った。後半投入され、決勝点をあげた鈴木優磨だ。ジュニアから鹿島でプレーする鈴木にはクラブの魂が染み付いている。
2016年03月02日(Wed)14時08分配信
text by ジュニサカ編集部 photo Getty Images
後半投入で価千金の一発
小学生から鹿島アントラーズのジュニアでプレーしている鈴木優磨(右)【写真:ジュニアサッカーを応援しよう!編集部】
明治安田生命J1リーグが27日に開幕。翌日には昨季の天皇杯王者のガンバ大阪が登場した。相手は2015年ナビスコ杯決勝との同カード対決となった鹿島アントラーズ。前回負けを喫した相手だけに、ガンバ大阪にとっては、絶対に勝ちたい相手であった。
さらには、ホームとして使用する市立吹田サッカースタジアムの開幕戦ということもあり、多くのサポーターのためにも、リベンジするには格好のいい対戦となった。しかし、そのガンバの思いを打ち砕いたのが、鹿島2年目の新鋭19歳・鈴木優磨。
後半14分から投入された鈴木は、後半27分にカイオからのクロスにヘティングで合わせて貴重な決勝点をあげた。
試合後、「(自分の)得点よりも勝ち点3をとれたことが大きい」とあくまでもチームの勝利を優先して話した鈴木であったが、その理由はクラブ愛からくるものが大きい。
千葉県銚子出身の鈴木は、小学生から鹿島アントラーズのジュニアでプレー。以来、ジュニアユース、ユースへと進み、2015年のユース時にトップチームに昇格した。
ジュニアユース時代は、1人、2人がマークについてきても動じないドリブルが得意で、そこからゴールまで一直線で結びつける突破力が持ち味だった。
小学6年生時には、エースでキャプテンとして、第32回全日本少年サッカー大会(2008年開催)に出場。この大会で特に圧巻だったのが、決勝トーナメントベスト16のバディサッカークラブ(東京都代表)戦だった。
人一倍強い鹿島への愛
まずは見事な直接フリーキックを決めると、後半終了間際には相手DFを2人、3人と交わしてドリブルで抜け出し、さらにはGKも落ちついて交わし、ゴールをあげた。得意のドリブルを生かした見事なゴールだった。
しかし、ベスト8では柏レイソルU-12に0-1で敗戦。試合終了後にはエースとして、キャプテンとして、優勝という目標に届くことができず、人一倍悔し涙を流す鈴木の姿があった。
あれからプロサッカー選手へと成長を遂げた鈴木。ガンバ大阪戦では、得点を決めたあと、すぐさまにゲームウェアの左胸にあるクラブのエンブレムをサポーターに向けて握りかざした。ジュニアから一筋。人一倍クラブ愛の強い、鈴木の活躍に今後も目が離せない。
【了】
チンチロリン
育成年代時代の優磨を記すサッカーチャンネルの記事である。
「1人、2人がマークについてきても動じないドリブルが得意」とフィジカルとテクニックを有した少年期であることがよく伝わる。
ただ、キャプテンとして率いたチームはベスト8にて敗退、悔し涙を流したとのこと。
その経験を糧に成長を遂げ、トップ昇格となる。
そこから更に、人間的にも大きく成長し、今に至る。
身体の奥底まで鹿島の血が流れる熱き優磨の活躍を楽しみにしておる。
チンチロリン
J1開幕戦、鹿島アントラーズの若手が輝きを放った。後半投入され、決勝点をあげた鈴木優磨だ。ジュニアから鹿島でプレーする鈴木にはクラブの魂が染み付いている。
2016年03月02日(Wed)14時08分配信
text by ジュニサカ編集部 photo Getty Images
後半投入で価千金の一発
小学生から鹿島アントラーズのジュニアでプレーしている鈴木優磨(右)【写真:ジュニアサッカーを応援しよう!編集部】
明治安田生命J1リーグが27日に開幕。翌日には昨季の天皇杯王者のガンバ大阪が登場した。相手は2015年ナビスコ杯決勝との同カード対決となった鹿島アントラーズ。前回負けを喫した相手だけに、ガンバ大阪にとっては、絶対に勝ちたい相手であった。
さらには、ホームとして使用する市立吹田サッカースタジアムの開幕戦ということもあり、多くのサポーターのためにも、リベンジするには格好のいい対戦となった。しかし、そのガンバの思いを打ち砕いたのが、鹿島2年目の新鋭19歳・鈴木優磨。
後半14分から投入された鈴木は、後半27分にカイオからのクロスにヘティングで合わせて貴重な決勝点をあげた。
試合後、「(自分の)得点よりも勝ち点3をとれたことが大きい」とあくまでもチームの勝利を優先して話した鈴木であったが、その理由はクラブ愛からくるものが大きい。
千葉県銚子出身の鈴木は、小学生から鹿島アントラーズのジュニアでプレー。以来、ジュニアユース、ユースへと進み、2015年のユース時にトップチームに昇格した。
ジュニアユース時代は、1人、2人がマークについてきても動じないドリブルが得意で、そこからゴールまで一直線で結びつける突破力が持ち味だった。
小学6年生時には、エースでキャプテンとして、第32回全日本少年サッカー大会(2008年開催)に出場。この大会で特に圧巻だったのが、決勝トーナメントベスト16のバディサッカークラブ(東京都代表)戦だった。
人一倍強い鹿島への愛
まずは見事な直接フリーキックを決めると、後半終了間際には相手DFを2人、3人と交わしてドリブルで抜け出し、さらにはGKも落ちついて交わし、ゴールをあげた。得意のドリブルを生かした見事なゴールだった。
しかし、ベスト8では柏レイソルU-12に0-1で敗戦。試合終了後にはエースとして、キャプテンとして、優勝という目標に届くことができず、人一倍悔し涙を流す鈴木の姿があった。
あれからプロサッカー選手へと成長を遂げた鈴木。ガンバ大阪戦では、得点を決めたあと、すぐさまにゲームウェアの左胸にあるクラブのエンブレムをサポーターに向けて握りかざした。ジュニアから一筋。人一倍クラブ愛の強い、鈴木の活躍に今後も目が離せない。
【了】
チンチロリン
育成年代時代の優磨を記すサッカーチャンネルの記事である。
「1人、2人がマークについてきても動じないドリブルが得意」とフィジカルとテクニックを有した少年期であることがよく伝わる。
ただ、キャプテンとして率いたチームはベスト8にて敗退、悔し涙を流したとのこと。
その経験を糧に成長を遂げ、トップ昇格となる。
そこから更に、人間的にも大きく成長し、今に至る。
身体の奥底まで鹿島の血が流れる熱き優磨の活躍を楽しみにしておる。
チンチロリン
DFジウトン退団 VF甲府
甲府がDFジウトンとの契約を解除していたことが明らかになった。関係者によると、契約解除は2月29日付で、1日の全体練習には参加しなかった。クラブは空いた外国籍枠を利用して、新たなストライカーの補強を進めているという。
ジウトンは今オフ、ブラジルのCAメトロポリターノから加入。千葉に移籍した阿部翔平の穴を埋める働きが期待されたが、宮崎キャンプ途中から主力組で起用されず、神戸とのJ1開幕戦でもメンバー入りしていなかった。
チンチロリン
契約解除された甲府のジウトンである。
これは無念。
開幕前には「優勝。今までの経験を生かした最高のパフォーマンスを約束します」と述べており、高いモチベーションを持っておったが、キャンプでは満足のいくパフォーマンスを見せられなかった様子。
ジウトンの甲府でのキャリアは終わりを告げた。
しかしながら、まだ若いジウトンは次なるクラブを探すであろう。
活躍の報を待っておる。
チンチロリン
甲府がDFジウトンとの契約を解除していたことが明らかになった。関係者によると、契約解除は2月29日付で、1日の全体練習には参加しなかった。クラブは空いた外国籍枠を利用して、新たなストライカーの補強を進めているという。
ジウトンは今オフ、ブラジルのCAメトロポリターノから加入。千葉に移籍した阿部翔平の穴を埋める働きが期待されたが、宮崎キャンプ途中から主力組で起用されず、神戸とのJ1開幕戦でもメンバー入りしていなかった。
チンチロリン
契約解除された甲府のジウトンである。
これは無念。
開幕前には「優勝。今までの経験を生かした最高のパフォーマンスを約束します」と述べており、高いモチベーションを持っておったが、キャンプでは満足のいくパフォーマンスを見せられなかった様子。
ジウトンの甲府でのキャリアは終わりを告げた。
しかしながら、まだ若いジウトンは次なるクラブを探すであろう。
活躍の報を待っておる。
チンチロリン
内田、右膝リハビリ中も今季復帰絶望的…シャルケ監督が明言
【ケルン(ドイツ)1日】ブンデスリーガ、シャルケのアンドレ・ブライテンライター監督(42)は、右膝手術からの回復を目指している日本代表DF内田篤人(27)が、今季は復帰できない見通しであることを明らかにした。内田は昨年夏に右の膝蓋腱(しつがいけん)を手術し、今年1月に練習に復帰していた。現在はリハビリの一環で日本へ戻っているという。同監督は「来季は完治し、チームの戦力となってくれることを祈る」と話した。
チンチロリン
今季の復帰は難しいと報じられるシャルケの篤人である。
監督が今季は復帰できない見通しと語ったとのこと。
これは残念。
そして、我ら以上に篤人自身が無念であろう。
ここは耐えるところ。
指揮官が申すように「来季は完治し、チームの戦力となってくれることを祈る」。
待っておる。
チンチロリン
【ケルン(ドイツ)1日】ブンデスリーガ、シャルケのアンドレ・ブライテンライター監督(42)は、右膝手術からの回復を目指している日本代表DF内田篤人(27)が、今季は復帰できない見通しであることを明らかにした。内田は昨年夏に右の膝蓋腱(しつがいけん)を手術し、今年1月に練習に復帰していた。現在はリハビリの一環で日本へ戻っているという。同監督は「来季は完治し、チームの戦力となってくれることを祈る」と話した。
チンチロリン
今季の復帰は難しいと報じられるシャルケの篤人である。
監督が今季は復帰できない見通しと語ったとのこと。
これは残念。
そして、我ら以上に篤人自身が無念であろう。
ここは耐えるところ。
指揮官が申すように「来季は完治し、チームの戦力となってくれることを祈る」。
待っておる。
チンチロリン