鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

川崎戦レビュー

2010年07月18日 | Weblog
【J1:第13節 鹿島 vs 川崎F】レポート:またも名勝負を繰り広げた両チーム。鹿島が激闘を制し首位に立つ。(10.07.18)
7月17日(土) 2010 J1リーグ戦 第13節
鹿島 2 - 1 川崎F (19:04/カシマ/26,607人)
得点者:21' フェリペガブリエル(鹿島)、39' 黒津勝(川崎F)、78' イジョンス(鹿島)
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試合終了のホイッスルが鳴ると、出色のパフォーマンスを見せながら、最後のところで勝ち越し弾を許してしまった田坂祐介は両手を腰に置き、空を見上げた。ミックスゾーンでは中村憲剛が唇を噛みしめ、稲本潤一が「すいません…」と一言だけ告げて通り過ぎていく。高畠勉監督はいつもどおり淡々と記者会見の質問に答えていたが、それがかえって悔しさを滲ませていた。
それとは対照的に鹿島の面々は充実感を漂わせる。小笠原満男と大迫勇也は不満顔だったが、オリヴェイラ監督は余裕のジョークから記者会見を始め、会心の勝利に中田浩二や岩政大樹は胸を張った。どちらが勝ってもおかしくなかった試合を制したのは、30歳前後の選手が8人揃う鹿島の経験値だった。
 
試合は一進一退の攻防で幕を開ける。序盤から野沢拓也と小宮山尊信が競り合いのなかで激突するなど、どちらのチームも互いに譲らない姿勢は明白だった。
そんな中、鹿島が先制点を奪う。21分、李正秀のミスからレナチーニョに独走を許しそうになるも、これを中田浩二がうまくカバー。そこからボールをつなぎ、前線のマルキーニョスへ。左サイドでボールをキープするマルキーニョスの脇を外から大迫勇也が駆け抜け、うまくボールを受け取りシュートを放つ。これはブロックされてしまったものの、ゴール前にふわりと上がったボールにフェリペガブリエルが飛び込む。小宮山と競り合ったボールはフェリペの勢いが勝ち、嬉しい初ゴールを記録した。
しかし、川崎Fも黙っていない。39分、田坂が苦しい体勢にもかかわらずDFラインの裏へ見事なパスを通すと黒津勝が反応。追いすがる李正秀をドリブルでかわすとゴールキーパーの頭上をぶち抜く強烈なシュートを見舞い、同点に追いついて見せた。
だが、42分、試合に大きく影響を与えるプレーが出る。速攻に転じたマルキーニョスを稲本潤一がスライディングで阻止。この日、2枚目の警告を受け、退場となってしまったのである。均衡がとれているなかで一進一退の攻防を繰り広げていただけに、この退場は趨勢を大きく左右すると思われた。しかし、後半に入り、ゲームを支配したのは川崎Fの方だったのである。

「ディフェンスの時は4バックと中盤の3枚をトリプルの形でブロックをつくって、前線は2トップをそのまま残して、ボールを取ったときの起点になってもらうということでした」
10人になったあとのゲームプランを問われ、高畠監督は以上のような説明をした。しかし、それ以外にも策を授けていたのは明確だ。それはジウトンを狙うことである。
守備時にはジウトンにボールを持たせたところからプレッシャーをかけ、ミスを誘発させる。そして、攻撃時にも田坂を中心にジウトンがいる鹿島の左サイドから圧力を加えていった。鹿島は、川崎Fの最終ライン4人+中盤3人で形成された守備網を崩すことができず、安易な形でボールを奪われてしまうのでなかなか攻めのスイッチが入らない。前半から飛ばしてきたこともあり、運動量でも上回ることができずにいた。この負のスパイラルをどうやって挽回するのか、オリヴェイラ監督の采配に注目が集まっていた。
そこでまず、監督は63分にフェリペから遠藤に代えて中盤の支配力を高める。次いで72分、ジウトンを下げてFWの佐々木を投入。前線を3トップに変えて相手のDFに圧力を加えた。このとき、遠藤は左SBの位置に入る。この位置から攻められていたわけだが、守備を固めるのではなく、逆に攻撃の突破口にしたのは名采配と言えるだろう。
実際に、この二つの交代から形勢は一気に逆転。中央から攻めればサイドが空き、サイドに展開すればゴール前を固めなければならず、川崎Fの中盤は最終ラインに吸収され、ミドルレンジにポッカリとスペースができた。
「出した指示は"揺さぶる"」と監督。
「相手がピッチの幅で揺さぶられたら、徐々に運動量が落ち、集中力も落ちてチャンスをつくれます」
その成果が結実したのが78分。右CKから野沢拓也の蹴ったボールが李正秀の頭にピタリと合い勝ち越し。李正秀は自らのミスを帳消しにするゴールを決めたのである。
勝ち越しに成功したあとは守備の整備。鹿島の選手たちは自らの判断でポジションを変更し、左SBには中田が入り、3トップの一角に入っていた佐々木竜太がポジションを一列下げ、中田の前のスペースである左SHを埋めた。前に出る相手からボールを奪い、カウンターのチャンスが何度もあったにもかかわらずゴールに向かわずキープに努めたのは不満が残るが、それも川崎Fに勝つ難しさを身にしみて感じているからだろう。

この勝利により鹿島は首位となった。まだまだリーグ戦は長いが、「首位に立ったことを喜ばない選手はいないでしょう」という岩政の言葉が、選手たちの気持ちを代弁していた。


以上
2010.07.18 Reported by 田中滋


オリベイラ監督、魔法の采配 鹿島が奪首
2010年7月18日11時42分

(17日、鹿島2―1川崎)

 退場者を出した川崎に対し、鹿島は数的優位を生かせずにいた。オリベイラ監督は後半18分にMF遠藤、27分にFW佐々木を投入。3トップを敷いて攻めに出た。すると試合は動いた。

 遠藤がドリブルで起点になり、相次いでGKを襲うシュート。流れを引き寄せて李正秀が勝ち越し点を挙げた。すかさず監督は次の手を打つ。形勢を変えた遠藤を19分間で青木と交代。しかも青木は本来のボランチではなく、持ち味の運動量を生かして2列目で球を追い回した。守備を引き締めて盤石の逃げきりだ。

 この時、佐々木はFWからMFに下がって中盤を厚くしていた。主将の小笠原によると「守りきるため選手同士で話し合って決めた」。オリベイラ体制4季目。監督が交代カードに込めるメッセージを、選手は言葉なしで理解し、さらに臨機応変に色づけして試合を運ぶ。宿敵・川崎からリーグ戦で3年ぶりの勝利。成熟の鹿島が、気がつけば首位に舞い戻っている。(中川文如)


川崎視点のJs'GOALとオリヴェイラ監督の采配を讃える朝日新聞である。
素人視点で見れば、あまりにも早い時間から守りきる采配を振るったオリヴェイラ監督に不満を募らせるのも頷けなくはない。
しかしながら、ここ数年に渡る川崎との相性を考慮すれば、こういうやり方もありである。
と、考えておったが、監督コメントによると、早い時間の守りきりは選手の考えであった様子。
単に中村堅剛に青木のマンマークを付けただけであり、青木自身も攻撃時には攻め上がっておる。
監督のメッセージが常にピッチ上の選手に行き渡っており、鹿島の強さばかりが浮き彫りとなった。
最高の戦術と采配で、首位をキープし、最後まで笑ってリーグ戦を締めたいものである。

山形・田代、躍動

2010年07月18日 | Weblog
田代「男前コール」に笑顔/J1

山形対仙台 後半23分、ゴールを決め喜ぶ山形田代(撮影・宮川勝也)

<J1:山形3-1仙台>◇第13節◇17日◇NDスタ

 山形がリーグ再開初戦に勝利した。FW田代有三(27)が1-1の後半、2ゴールを決めた。「2列目にいるMF秋葉とMF増田が運動量があるんで、ぼくが動きやすい。(アシストした)宮さん(MF宮沢)も、柔らかいボールをくれた」。今季6ゴールで、得点ランク7位浮上。チームも暫定9位に浮上し、スタンドからの「男前コール」に笑顔を振りまいた。

 [2010年7月17日23時1分]

山形・田代、貪欲にゴール狙い2得点
2010.7.18 01:34

 J1第13節第1日(17日、山形3-1仙台、NDスタ)田代が優れた得点感覚を見せつけて2得点。ダメ押しとなったチームの3点目は、貪欲(どんよく)にゴールへ向かう姿勢から生まれた。

 後半23分、左から増田が放ったシュートに合わせてゴール前に突進。試合前からの雨でピッチがぬれていたため「何が起こるか分からない」と感じていた。狙い通りにGKが弾いたところを楽々とけり込んだ。小林監督は「3点目は突っ立って待つか、においを感じて動くかで違った。(田代は)動けていたね」とエースの働きをたたえた。
(NDスタ)

におい感じた!田代 優れた得点感覚で2得点!

<山形・仙台>後半、ダメ押しとなる自身2点目を決める山形・田代
Photo By スポニチ


 【山形3―1仙台】山形FW田代が優れた得点感覚を見せつけて2得点。ダメ押しとなったチームの3点目は、どん欲にゴールへ向かう姿勢から生まれた。

 後半23分、MF増田が放ったシュートに合わせてゴール前に突進。試合前からの雨でピッチが濡れていたため「何が起こるか分からない」と感じ、狙い通りにGKがはじいたところを楽々と蹴り込んだ。小林監督は「3点目は突っ立って待つか、においを感じて動くかで違った。(田代は)動けていたね」とエースの働きを称えた。

[ 2010年07月18日 ]

田代“弾”“弾”! 指揮官ズバズバ!!…山形

山形・田代(左)がこの日2点目を挙げる

 ◆J1第13節 山形3─1仙台(17日・NDソフトスタジアム) ベガルタ仙台がJ1初の「みちのくダービー」で、モンテディオ山形に完敗した。0―1の前半13分に、南アフリカW杯帰りのMF梁勇基(28)が直接FKを決めて同点に追いついたが、後半に守備が崩壊して2失点。ダービーでは初の3連敗を喫した。山形はFW田代有三(27)が2ゴールの大活躍。NDソフトスタジアムには史上最多の2万231人の観衆が集まり、ライバル対決を盛り上げた。

 エース田代の2発で対仙台戦3連勝。山形がリーグ再開後の初戦を快勝で飾った。「試合前に雨が降って(客入りが)どうなるか不安だったけど、多くの人が入って力になった」。小林監督も「J2時代に比べてスタジアムを埋める山形サポーターが増えている」とホーム史上最多観客数を更新した後押しに感謝した。

 「僕の1点目は相手DFにズレがあった。それは動き続けた結果」と田代。中断期間中に酒田市で行ったキャンプで培った走力が、大一番で威力を発揮した。後手に回ったベガルタの手倉森監督は終盤、長身FWを並べて神頼みの一発にすがったが、策士にとっては織り込み済み。「サブにFWが3枚。サイド攻撃から点を狙うのは予想できた」と、戦術家としては小林監督に一日の長があった。名将とともにモンテが再開したJ1を突っ走る。

(2010年7月18日11時49分 スポーツ報知)

【J1:第13節 山形 vs 仙台】試合終了後の山形選手コメント(10.07.17)
●増田誓志選手(山形):
Q:3点目に絡んだプレーは、どんなイメージでボールを蹴ったのですか?
「ああ、へなちょこシュートですか? タッチする前に、右に置いてシュートというイメージをもって走ってましたけど、まさかあんなにシュートが弱いとは思わなかったです(苦笑)。もう少し速いボールかなと思ってたんてずけど、キーパーがちょっと弾いてもらったので、ラッキーでした。自分が思っているシュートではなかったので、満足はしていないですね。もうちょっとしっかり強いボールを蹴れたらいいなと思います」

Q:今日はかなり、田代選手の奥にこぼれるボールを狙って前に走っていましたが?
「前回のジュビロ戦(ヤマザキナビスコカップ、予選リーグ最終戦) の時、自分が裏に走るのを怠ってそれを拾えなかったという思いがずっとありました。有三さん(田代)は絶対競り勝つことができるので、そこはもったいないなという思いがあって、ちょっと今日は自分が無理して裏に抜けようかなと考えていました」

Q:前半は田代選手がなかなか起点に慣れずにそのまま戻るようなシーンも多かったですが、我慢できましたか?
「それは周りの僕らのもらい方にも問題があって、1人だけ残してみんな戻っちゃうので、クリアしたときに周りに誰もいないという状況が今日は結構あったので、それは申し訳ないなという思いで。それはもちろん、自分らのミスでもあると考えて戻るしかないなと思っていました」

Q:新しいシステムで、リーグ戦再開最初の試合で勝てたことについては?
「結果に関してはたまたまかなという思いもあります。もう少しゴール前で、自分が思い描くプレーでアシストだったり得点だったりができたら満足できますけど、まだなんか感覚的なものというか、惰性というものでプレーしているなかで結果が出ちゃってるものもあったので、100パーセント満足はできないです」

Q:今日の2点目のスルーパスはきれいに通った感じですが?
「あれはミヤさん(宮沢)の足が速かったので (笑)。ミヤさんの素晴らしいアシストも決まったので。完璧でしたけどね」

Q:3点とも増田選手と宮沢選手の絡みがあったのは、いい距離感でできているとかそういうことですか?
「まだ距離感は完璧ではないんですよね、やっぱり。バラバラな時のほうが多いというか。ただ、みんながハードワークして戻る、前に行くということがやれてる結果、そういうふうに近くなっているということがあるので、そこは続けないとモンテディオは勝てないかなと思います。まだまだ改善することはいっぱいありますし、もうちょっとポゼッションを増やしたいという思いもあります」

Q:改めて、初ダービーの感想は?
「やっぱり、人が多いというのはうれしいと思いましたね。やり甲斐があるというか。正直、ダービーと言われてもピンと来なかったですけど、これだけ人が来て盛り上がってくれるというのは、とてもありがたいことだなと思いました」


[ J1:第13節 山形 vs 仙台 ]

1-1の同点で迎えた59分、宮沢克行のクロスを田代有三(写真)が右足で決めてゴール!山形が勝越しに成功する。田代の勝越しゴールに、この日、詰めかけたNDソフトスタジアム山形過去最高となる20231人の観客も大いに沸いた。

[ J1:第13節 山形 vs 仙台 ]

勝越しに成功した山形は更に68分、またしても田代有三(写真)が決めてリードを2点に広げる。試合はそのまま3-1で山形が勝利し、J1初のみちのくダービーに勝利を収めた。
試合後には雨の中、スタジアムに駆けつけたサポーターたちの「スポーツ県民歌」が夜空にこだました。


山形で田代が躍動しておる。
昨日は二得点と爆発し、山形の勝利に貢献しておった。
綺麗に崩した勝ち越し点は田代のストライカーの本質が見て取れる。
この活躍の陰に誓志の存在がある。
田代の1点目は誓志のスルーパスからのクロス、2点目は誓志のシュートのこぼれ球に反応した得点であった。
まさにコンビネーションが熟成された結果と言えよう。
これからも二人で活躍し、山形のJ1残留に貢献して欲しい。

川崎戦報道

2010年07月18日 | Weblog
鹿島2発首位!韓国代表李が決勝弾/J1
<J1:鹿島2-1川崎F>◇第13節◇17日◇カシマ

 清水が磐田と0-0で引き分けたため、川崎Fを下した鹿島は首位に立った。

 W杯で世界を驚かせた破壊力が鹿島を救った。後半33分だ。韓国代表DF李正秀(30)が試合を決めた。MF野沢の右CKを頭で合わせ、値千金の決勝弾。「前半の失点の際にミスを犯したから、取り返せてよかった。挽回(ばんかい)しようという気持ちになっていた」と笑った。

 W杯での手応えが自信になった。1次リーグでアルゼンチンに完敗したが「メッシは別格だったが、テベスなら何とかできると感じた」。この日は失点のシーン以外は高さ、強さ、カバリングと安定感は抜群。鹿島を第4節以来、約4カ月ぶりの首位に導いた。

 韓国代表の決勝トーナメント進出に貢献し、一躍スターの座に躍り出た。W杯後、韓国に戻った際はバンクーバー五輪ショートトラック金メダリスト、コメディアン、そして自分の3人の「イ・ジョンス」で対談が行われ、新聞の1面を飾った。だが、注目度が上がっても、W杯期間中に通訳を介して「決勝トーナメント進出おめでとう」などのメールを届けてくれた鹿島の仲間のために、「次は鹿島の連覇に貢献する」と気持ちを切り替えてみせた。

 数的有利に立ち、FWを3人投入した末に韓国代表センターバックの活躍で「定位置」の首位に立ったが、慢心のかけらもない。主将のMF小笠原は「勝つことより、勝ち続けることの方が大変なので、しっかり勝ち続けて最後まで勝てればいい。時間稼ぎをするより、点を取って勝ちたい」とあえて気を引き締めた。

 リーグ初得点となる先制点を奪ったMFフェリペガブリエルも「僕の得点は大事だけど、一番大事なのはチームが勝ち、4連覇を成し遂げること」。内田が移籍し、FW興梠は結膜炎、MF本山もふくらはぎの故障で欠場の中、フォア・ザ・チームを地でいく王者が4連覇へと着実な歩みを進める。
【菅家大輔】
 [2010年7月18日8時58分 紙面から]



鹿島対川崎F 勝ち越しゴールを決め、喜ぶ鹿島李(撮影・栗山尚久)

鹿島・李V弾!川崎倒し3月以来の首位浮上
2010.7.18 05:01

 J1第13節第1日(17日、鹿島2-1川崎、カシマ)鹿島が3連勝で、3月28日の第4節以来となる首位に浮上した。連休初日のファン待望のカードに、ホームには2万6607人が詰めかけた。

 昨年9月、このカードのホーム戦では大雨による異例の中断、途中再開のドラマを生んだ。因縁の対決にけりをつけたのは、南アでも活躍した韓国代表DF李正秀。「W杯で2点決めたので、Jで失望されないようにプレーしたかった」。1-1の後半33分、MF野沢の右CKに飛び込み得意のヘッドで決勝弾。前半39分には自陣で相手FW黒津にかわされ、味方の先制をふいにする同点ゴールを許しただけに、ほっとした表情を見せた。

 W杯日本代表DF岩政も「今までは川崎に圧力を感じることが多かったが、きょうは圧力をかけられた」。07年9月以来未勝利だった宿敵を破り“指定席”を奪回した。
(丸山汎)

鹿島、的確な采配と決定力生かす
2010.7.18 01:37

 J1第13節第1日(17日、鹿島2-1川崎、カシマ)的確なベンチワークと、セットプレーでの韓国代表DF李正秀の抜群の決定力。鹿島が第4節以来、「定位置」の首位に返り咲いた。

 1-1の前半42分に川崎の稲本が2度目の警告を受けて退場。数的優位な状況で後半を迎えながら、鹿島は好機を生かし切れないもどかしい時間が続いた。

 オリベイラ監督がまず動いたのは後半18分。運動量の落ちたフェリペガブリエルに代えて遠藤を投入したことで、攻撃に推進力が生まれる。さらに同27分、ミスが目立ったジウトンを下げた。ジウトンからボールを奪い、カウンターを狙った川崎の攻め手を封じた。

 そして決勝点は後半33分。ワールドカップ(W杯)でもセットプレーから2得点した李正秀が右CKを頭で仕留めた。前半、黒津にかわされ失点のきっかけをつくったDFは「ミスを挽回(ばんかい)したかった」と胸を張った。

 昨季まで2シーズン、リーグ戦で白星のなかった川崎から勝利。W杯中断明けの大事な時期を2連勝で再スタートした。「上に立つことより居続けることが大変。最後まで1位でいたい」。前人未到のリーグ4連覇へ、小笠原は言葉に力を込めた。

鹿島・オリベイラ監督

一度、首位になったからといって独走できるとは思っていない。一つ一つ、こつこつとやることが大事。

李正秀 彼女観戦で発奮!9節ぶり奪首弾

<鹿島・川崎F>後半33分 決勝ゴールを決めイレブンから祝福を受ける鹿島のイ・ジョンス(右端)
Photo By スポニチ


 【鹿島2―1川崎F】鹿島が韓国代表DF李正秀(30)の決勝弾で川崎Fを2―1で下し、9節ぶりの首位に浮上した。1―1の後半33分に李正秀が右CKから頭でゴール。W杯で2得点した得点能力の高さを見せつけ「きょうは彼女が来てたのでいいところを見せようと思った」と笑顔で話した。

 W杯の活躍で韓国国内での知名度が急上昇。バンクーバー五輪のスピードスケート・ショートトラック2冠の李政洙と人気コメディアンの李鐘洙との同じ“イ・ジョンス”3人で対談が行われるなど「街でも声をかけられるようになった」という。チームも07年以来、リーグ戦では2分け2敗だった川崎Fから約3年ぶりの勝利。ライバルからの勝利をきっかけに首位街道を突っ走る。

[ 2010年07月18日 ]

本格再開で大暴れ、イ・ジョンス弾で首位浮上…鹿島

前半31分、ヘディングシュートを放つ鹿島・岩政

 ◆J1第13節 鹿島2─1川崎(17日・カシマ) 鹿島は、W杯韓国代表DFイ・ジョンス(30)の決勝点で川崎に競り勝ち、勝ち点27で第4節以来の首位に立った。

 W杯戦士が決勝点をたたき出した。1―1で迎えた後半33分、右CK。MF野沢からのカーブボールに、ファーサイドで待つDFイ・ジョンスが頭で合わせた。「Jリーグが再開して、W杯で活躍した姿を見たくて、みなさんスタジアムに来ている。その姿を見せられたんじゃないか」。チームを第4節以来の首位浮上に導く決勝弾。にじむような笑顔が浮かんだ。

 南アW杯では韓国代表の主力として4試合に出場。センターバックながら、セットプレーから2得点を挙げた。もともとFW出身で、DF岩政も「得点感覚がある」と語るように、Jリーグでも今季10試合3得点と量産中だ。だが、アシストしたMF野沢は要因について「(岩政)大樹が引きつけているからだと思う。大樹のおかげもある」と言い切る。


サポーターに手を振る鹿島のイ・ジョンス

 決勝点は岩政がニアに走り込み、DFを引き連れた。そこをボールが越えた先にジョンスがいた。日本代表に選出されながら、W杯で出場機会がなかったDF岩政は「僕も点は取りたいですよ。結果が欲しいですからね」と言うものの「でも、取らせたといううれしさもある。今日はまさにその形ができた」と素直に喜んだ。日韓の大砲が決勝点に絡んだ。

 FW興梠、MF本山が負傷欠場する中、代役のMFフェリペ・ガブリエルも来日初得点を決め、FW大迫も先制点の足がかりを作るなど、リーグ3連覇王者の力は随所に見せた。ジョンスは「このチャンピオンチームでずっと1位にいたい」と言えば、岩政も「毎年、首位に立ってからバタバタするので、今年はこのまま突っ走れればいい」。史上初の4連覇が視界に入ってきた。

(2010年7月18日06時03分 スポーツ報知)

鹿島首位 川崎に2-1
2010/07/18(日) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁

 J1鹿島は17日、カシマスタジアムで川崎と対戦し、2-1(前半1-1)で勝利を収め、首位に浮上した。今季通算成績は8勝3分け2敗、勝ち点27。
 鹿島は前半21分、フェリペガブリエルの来日初ゴールで先制。その後同点を許し、退場者を出した相手を崩し切れない展開が続いたが、後半33分にCKから李正秀が頭で合わせ勝ち越しに成功。ライバル川崎からリーグ戦3シーズンぶりの勝利を飾った。



【写真説明】
鹿島-川崎 前半21分、先制ゴールを決め喜ぶ鹿島・フェリペガブリエル=カシマスタジアム


イ・ジョンス一色の各紙である。
確かに、勝利を呼び込んだヘディングはワールドクラスであり、当然であろう。
そのなかで、報知は相棒となる岩政と絡めた記事を載せており好感が持てる。
鹿島が誇るアジアの壁で首位を守り続けたい。

川崎戦コメント

2010年07月18日 | Weblog
J1リーグ 第13節 vs川崎フロンターレ
鹿島アントラーズ:オズワルド オリヴェイラ 監督
フロンターレのトップにはスピードのあるドリブラーも多く、彼らを自由にさせてはいけない。その彼らの起点が中村憲剛であって、彼を自由にさせれば素晴らしいボールを供給されてしまうので(彼を)徹底的に抑えるように指示をした。(相手が1人少ないにも関わらず互角の展開だったと言われるが)確かに互角だったかもしれない。ただ、1人少なくなって相手も点を取りたいという気持ちが先走るはずであり、そのスペースの空きを突き、相手をゆさぶることを考えていた。我々もゴール前のチャンスが何もあったが、相手の圧力を耐えられたなかで全員で追い込む作業がしっかりとできたと思う。フロンターレ戦は今日で10回目の試合になるが、毎回厳しい戦いになる。そう簡単に勝てる相手ではないので、今日はいい勝利だったと思う。(フロンターレは2人海外移籍して戦力ダウンになったように思われているが)確かに今までとは違うかもしれない。ただフロンターレにはアグレッシブさや攻撃の怖さはある。(2人が抜けた後でも)選手層や質も高く、今日の試合でもそれは証明されたと思う。

(Q:久しぶりにトップに返り咲き、このままの勢いで優勝に突っ走るのでは?)
まだ22試合あるし、長丁場の戦いはつづく。1位になったからといってリードできる試合はない。あくまでもJリーグが再開し、ウォーミングアップをやりはじめたばかり。まだまだ先の話であり、今は1つ1つの試合をコツコツとやること。(リーグ最後に)1位になることを目指して努力することは断言したい。

2010年07月17日(土)

本日行われたJ1第13節川崎F戦はフェリペ選手とジョンス選手のゴールが決まり、2-1で勝利しました。

【J1:第13節 鹿島 vs 川崎F】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(10.07.17)
7月17日(土) 2010 J1リーグ戦 第13節
鹿島 2 - 1 川崎F (19:04/カシマ/26,607人)
得点者:21' フェリペガブリエル(鹿島)、39' 黒津勝(川崎F)、78' イジョンス(鹿島)
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●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):

「今日はエアコンの効きが良いので非常に快適です。長時間の話ができる環境が整っています。皆さんと会見をしているとき、たまにこのライトが熱くて早く帰りたいと思う時があります。1回、試合後に日焼け止めを塗ってきたこともありました」

Q:李正秀選手の得点の後、すぐに青木選手を投入しましたが、彼が本来のポジションのボランチよりも前目に入って、それですごく攻守に渡って機能したように思ったのですが、あの辺は監督の指示だったのでしょうか?
「当然ながら自分の指示がありました。勝ち越したところで相手の状況も見極めなくてはいけませんでした。相手はトップにスピードのある選手、ドリブルを特徴とする選手がいるわけで、彼らを自由にさせてはいけないということで後ろの選手への注意を託しました。当然ながら、そこに供給されるボールがあって、それがどこからでるかと言えばみなさんご存じのとおり中村選手です。そこを徹底的に抑えなければならないということで、供給するところを遮断するということを青木選手に求めました。自由にさせれば皆さんがよく見ているスルーパス、あるいはFWへすばらしいボールが供給されます。それを防ぐ役割を今回は与えました」

Q:相手は一人少ない。勝ち越しゴールも決めた。後半のイメージなんですけど、相手は一人少ないにもかかわらず、意外と互角の展開になったような。チャンスの数もヴィトール・ジュニオールがフリーでシュートを打ったり、内容的にも互角だったと思うんですね。もちろんアントラーズもチャンスをつくったけど、決められないと。流れとしてはどちらかというと引き分けちゃうんじゃないかという雰囲気が流れていたのですが、その辺を解説していただけませんか
「互角というか、そういった状況になってしまいました。まずフロンターレさんの前にいる選手の特徴を考えれば、取るべき戦法はカウンターではないかと思います。自分たちの持っている選手の武器を引き出すということを考えればカウンターです。逆に10人になったことで、もっと彼らに理想的な状況になったのではないかと思います。それは何故かというと、一人相手が少なくなったところで、どうしても点を取りたいと先走ってしまう気持ちを抑えきれずにうちの選手が出始めたところで、逆にスペースが多くできるようになりました。スペースができればスピードやドリブルを持ってる選手の方が活きるわけです。そういった状況になってしまいました。そこで、出した指示というのが揺さぶるということです。一人多いというアドバンテージをどうやって使うのか。やはり相手がピッチの幅で揺さぶられたら、徐々に運動量が落ち、集中力も落ちてチャンスをつくれます。チャンスをつくればクロスボールが多くなり、ディフェンスの選手にも負担がかかって疲労が溜まったところから注意力、集中力が欠けていく。それは流れの中でもそうですし、セットプレーでもそうです。得点の場面の前にもいくつかチャンスはありました。確か岩政選手のヘディングシュートもありました。その前にも李正秀選手のヘディングシュートもありました。そこで決まるだろうという状況になっていたので、圧力をどれくらいかけられて、相手はそれに耐えられるかという我慢比べに追い込む作業を全員でやった成果ではないかと考えています」

Q:フロンターレに勝ったことは大きいと思いますが、その意味をお聞かせ下さい。
「まずフロンターレ戦というのは厳しい戦いなわけであって、今日でちょうど10回目の対戦ではないかと思います。リーグ戦で7回やって、ナビスコ杯で2回やって、天皇杯で1回やって、今日で10回目ではないかと思います。毎回、厳しい戦いを強いられて、そう簡単に勝てる相手ではない。そういう意味では、いい勝利だったのではないかと思います。理論上、彼らが海外移籍した選手がいたりして戦力ダウンと思われるかも知れませんが、そういったことはフロンターレさんに関しては無いのではないかと思います。それが今日の試合で証明されたわけであって、本当に選手が替わったのかな、と思うほどの選手層の厚さがありました。多少、選手個人の特徴が違うのでいままでやってきたサッカーとちょっと変わったところがありましたけど、アグレッシブさや攻撃の怖さというものは持っているのではないかと思います。競争意識という部分でも、以前よりあるのではないかと思います」

Q:2点目を取って最後の終わりの時間ではありましたが割と早めに選手たちが守ろうという姿勢に入っていました。途中、マルキーニョス選手に指示をしているように見えたんですけど、その辺は監督が守ろうという指示をしたのでしょうか?最後5分くらいならわかるのですが、割と早かったので。
「サッカー界ではごく当たり前のことであって、勝ち越していれば残り時間をいかにして有効活用するのか、あるいは相手が勢いを増しているときにゲームを冷めさせるという駆け引きだったり、心理戦を仕掛けるのは当たり前のことです。ただし、今日に関してはあまりにも早い時間にやりだしたので、逆に注意をしにいきました。そうではなくて、やるべき時間帯というのはサッカーのテクニカルな部分としてあるわけです。ただ、今日はちょっと早すぎたかなという注意を選手にしました」

Q:久しぶりにトップに返り咲いたと。先ほどの質問につながるのですが、ああいう状況で李正秀が点が取れるという勝負強さ。勝負強いアントラーズのことを考えると、トップに立ったアントラーズと。このまま走られてしまうのではないかなとみんな考えていると思うんですけど、それについてはどう思われますか?
「僕自身はそう簡単には考えていません。なぜかというと、まだ22試合残っているわけです。長丁場なのであって、1回首位になったからといってそのままいられるかといえば、Jリーグはそんなに簡単なリーグではありません。競争意識の高いリーグです。対戦相手もレベルの高いチームが揃っているわけで、まだなにも決まってないのではないかと思います。あくまでもJリーグが再開した中で、代表に行っていた選手たちが徐々に復帰し始めて、ウォーミングアップを始めたところではないかと考えています。まだ先の遠い話であって、ひとつひとつコツコツとやり続けることが、我々のやるべきことではないかと思います。ただ、また最後の1位を目指して努力し続けることは断言します」


以上

【J1:第13節 鹿島 vs 川崎F】試合終了後の各選手コメント(10.07.17)
●小笠原満男選手(鹿島)
(ファウルで倒れた時は?)頭が取れるかと思った(笑)。試合の入りはよかったと思う。そんなに暑くないでしょ?
(これで首位に立ちましたが?)上位がこけただけのこと。勝つことより、首位に居続けることが大事。最後まで居続けたい。
(10人なってから攻められたが?)あれが向こうの狙い。ジウトンがあれだけミスが多いと。あそこで取られてた。ヤス(遠藤)が入ると顔を上げてなかを見てくれるし。相手はジウトンに入れさせて、プレスをかけていた。
(逃げ切りが早かった?)あそこから点を取りに行きたかった。最後のワンプレーならわかるけど…。マルキがキープし始めたので。もう1点、取ってもよかったかと思う」

●大迫勇也選手(鹿島):
「練習量がずっと多かったので動けていた。あの1本が入ってたらよ良かった。
(状態は良さそうだったけど?)あんだけ練習すれば悪くはないですね。このまま続けたいです。
(今日はチャンスだと思ってた?)慎三さんがああなって(左目の結膜炎で欠場)、ここで俺が頑張ればと思っていた。でもチームが勝つことが大事です」

●新井場徹選手(鹿島):
「ひとり退場してもあれだけの試合になった。厳しい試合をやって最後に勝ててよかったけど、もっと良い試合をしたかった。その辺が課題だと思う。勝点3は取れたけれど課題は残った。
(これで首位ですが?)今の順位は関係ない。1stステージならいいんやけど」

●李正秀選手(鹿島):
「数的有利になってDFラインは安全にゲームを進めていこうと思いました。
(追加点を取ってからのイメージは?)合わせたことが無い遠藤選手が左に入ってきて驚いたけど、攻められる時間はなかったので落ち着いてできたと思います。
(失点の時は?)うまく切り替えされてしまった。左利きの得意な選手なのに順義ができていなかった。次はしっかり準備できるようにしたい」


●中田浩二選手(鹿島):
「勝ててよかった。
(左SBに入りましたが?)ジウトンもいなかったしね。試合を通じて狙われていたし、もう誰もいなかったから。ヤスじゃまだ難しいでしょ。まあ、しょうがないよね。
(最初は遠藤選手が左?)ヤスが入ったけど、ヤスは高い位置にあげて、3バック気味にして俺がCBとの間に入っていた。
(左SBに入ったのは監督の指示だったのですか?)満男としゃべって『俺の方がいいんじゃない』ということで。青木は(中村)憲剛にマンツーマンで付いて高い位置にいた。その辺は竜太が戻ってサイドをケアしてくれたと思う。
このチームは首位にいることは大事。これから居続けられるようにしたい。疲れてはいたけれど、(相手が)フロンターレだから嫌でも気持ちが入る。勝ててよかったと思う」

●フェリペガブリエル選手(鹿島):
「今日のJリーグ初ゴールを嬉しく思います。これを皮切りにゴールが生まれれば良いと思います。何よりチームが勝利したことが嬉しいです。

(今の状態は?)100%の状態ではないです。足の怪我をしていたので、そこからコンディションを取り戻す努力を指定増しtあ。まだ調整段階なのかと思います。ただ、水曜の湘南戦でプレーすることができました。あとはゲーム感を取り戻して、もっとコミュニケーションをあげていきたいです

(早くゴールをあげたい気持ちがあったのでは?)早く決めたかったです。この間のベルマーレ戦では家族が見に来ていました。試合後には息子に『お父さん、今日はゴールを決めたの?』と聞かれていたので、次の試合では必ず決めると約束していたので決められてよかったです。
(今日も来ているのですか?)ただ、天候が暑かったことと、子供が走り回ったりしていたので今日は家でTV観戦しています」


[ J1:第13節 鹿島 vs 川崎F ]

注目の上位対決に先制したのは鹿島。21分、相手ゴール前のルーズボールをフェリペ ガブリエル(右から二人目)が頭で押し込んでゴール!フェリペ ガブリエルはこれが嬉しいJ初ゴール。

[ J1:第13節 鹿島 vs 川崎F ]

1-1の同点で迎えた78分、野沢の右CKからイ ジョンスが頭で押し込みゴール!これが決勝点となり、鹿島が2-1で川崎Fに勝利。第4節以来となる首位に返り咲いている。


首位に立ったが、気を緩めることなく、逆に気を引き締めておる。
一つ一つ勝利を積み重ね、最後に笑いたい。