鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

西部氏絶賛

2008年03月09日 | Weblog
J1王者の貫録
J1第1節 鹿島 4-0 札幌
2008年03月09日

西部謙司

鹿島―札幌 後半5分、先制点を決めた鹿島・新井場(左端)に駆け寄る本山(10)と小笠原(40)=カシマ【共同 】
 昨季2冠の鹿島アントラーズと対するのは、J2の覇者・札幌。1部と2部のチャンピオンが激突した開幕戦は、4-0で鹿島が貫録を示した。鹿島は後半に2つのPKを外しているから、これが決まっていれば6-0という大差がついたゲームである。

 しかし、前半の45分間は0-0だった。45分で0-0なのに、90分だと4-0になる。この差はいったい何なのか?

■前半は札幌の思惑どおり
 鹿島のスタメンはGK曽ヶ端準、DF内田篤人、中後雅喜、伊野波雅彦、新井場徹、MF野沢拓也、小笠原満男、青木剛、本山雅志、FWマルキーニョス、田代有三。おなじみの4-4-2だ。
 札幌はGK佐藤優也、DF鄭容臺、平岡康裕、坪内秀介、西嶋弘之、MF西大伍、ディビッドソン純マーカス、芳賀博信、砂川誠、FWダヴィ、中山元気。こちらも中盤フラット型の4-4-2と、全く同じフォーメーション。
 札幌の三浦監督は試合後に、「(前半は)こういうゲームの流れにしたいと考えていたように出来た」と語っている。0-0の前半は、札幌としてはプランどおりといっていい。一方、鹿島のオリヴェイラ監督は、「簡単な話で、初めて対戦する相手なので選手に戸惑いがあった。自分たちが、どうやってこの相手を崩していくか。その点に戸惑いがあった」と述べた。どちらの監督のコメントも、そのとおりであろう。
 前半、鹿島はボールをキープしながら攻めあぐねている状態だった。札幌は守備組織が整っていた。ゾーンで守る4バックのラインコントロール、その前でスクリーンを張るMFのポジショニングにも穴はない。
 5分、正面右のFKを小笠原がペナルティースポットへロブ、マルキーニョスがヘディングで決めたがオフサイド。その後も小笠原からマルキーニョスへ浮き球のパスが出るが、シュートには至らない。25分にも小笠原のFKをマルキーニョスが頭で合わせるが、今度は枠へ飛ばなかった。
 20分を過ぎると、鹿島のパスワークが乱れ始める。ボールは回っているのだが、距離感が悪い。トライアングルを作るのが遅かったり、作れなかったりで、後方からFWへ20~30メートルのパスを出すが、札幌のDFが待ち構えているところへ蹴るからカットされてしまう。このあたり、攻めているのは鹿島だが、流れは札幌の思惑どおりだろう。
 40分、新井場が左サイドからドリブルで中へ入って本山へ。本山が外へ持ち出すドリブルからクロスを入れ、田代がヘディングで狙ったが枠を外す。42分、後方からのロングボールを田代がディフェンスの裏へ競り落とし、ペナルティーエリアへ走り込んだマルキーニョスがシュートしたがGK佐藤がセーブした。これが、前半最大のチャンスだった。
 42分、札幌のエース、ダヴィが左寄りで本山と小笠原を抜いてシュート、一瞬決まったかと思ったがバーを越えた。

■新井場2ゴールの大活躍
 後半1分、鹿島にPKが与えられた。野沢、本山とつないで右サイドの内田へ。内田はボックス内へ走り込んだ野沢の足元へクロスを入れる。野沢がコントロールして抜け出た瞬間、坪内が手をかけて倒していた。スタジアムの外に銅像が立っているジーコは、「クロスはパスだ」と、よく言っていたが、内田のクロスは確かにピンポイントのパスだった。
 PKキッカーはキャプテン・小笠原。左へ蹴ったが、佐藤の読みが当たってストップ。コースは甘かったが、球速はそれなりに速かったからGKのファインプレーである。
 しかし、鹿島は攻撃の手を緩めない。まず、左サイドで本山が30メートル走ってボールホルダーにプレッシャーをかける。相手に自由にさせない、このチームはそうした意識が高い。ボールを取り返すと、左サイドの新井場が立ち足の後ろでボールを動かす巧みなキープ。サポートに寄った本山が新井場から奪い取るようにボールを得る。すると、新井場はディフェンスラインの裏へダッシュ、そこへ本山からきれいにチップされたボールが届く。ゴールライン際で新井場が折り返し、札幌が何とかCKへ逃げた。その左CKを小笠原が蹴り、ゴール正面で新井場がヘディングシュート、1-0。
 鹿島の攻撃は、前半と違ってサイドを使うようになった。しかも、ディフェンスラインの裏を狙っている。
 札幌は、失点の4分後には選手交代。2トップの一角だった中山に代えて、クライトンを投入した。すでに後半開始時に西を藤田征也に交代しているから、早くも2枚目のカードである。クライトンのキープからダヴィがミドルシュートを放ち、交代は奏功するかに見えたが、すぐに鹿島の攻勢へ戻る。小笠原のミドルシュートがポストをかすめ、15分にはマルキーニョスが倒されてPK。ところが、マルキーニョスはPKをバーのはるか上へ打ち上げてしまう。17分、札幌は最後のカードを切る。砂川→岡本賢明。

鹿島の伊野波(左)と競り合う札幌の中山。個人能力の差が出た後半、札幌は4失点を喫した【写真は共同 】
■“半分”だけの札幌

 試合を決める2点目は後半19分、右からダイアゴナル(斜め)なパスが飛び、マルキーニョスが受けるとみせてスペースを空ける。そこへフリーで走り込んだ新井場が、そのままペナルティーエリアへ入って豪快にゴールへたたき込んだ
 実は、PKにつながった2分前の展開とよく似ている。右から斜めの長いパスが飛び、マルキーニョスが受けてペナルティーエリアへ入り込んでいるのだ。いずれもDFの前面を横切る軌道で、そのゾーンを担当するDFがいなかったわけでもない。つまり、札幌は組織的に崩れてはいないのだが、DF個人の対応が遅れているのだ。組織は整っているが、強固かといえばそうではなかった。
 だが、それよりも問題なのは、全くといっていいほどボールをつなげられないことだ。3本とパスが続かない。1対1でも簡単に取られてしまう。個人能力の差だ。
 守備の個人能力にも差があるが、そこは組織である程度は補える。前半がそうだった。ボールを持っていないときの札幌はいいサッカーができる。事実、45分間は0-0だった。もし、そのままの流れなら、カウンターから1点を奪って鹿島に勝つというシナリオもあり得たかもしれない。しかし先行され、2点目を入れられては、もうどうにもならなかった。ボールを持ったときの力に歴然とした差があり、札幌はボールを持ったときによいプレーができない。攻めようとしてもうまくいかず、今度は守備に穴が空いてしまう。
 後半25分、スローインから田代が右サイド深く食い込み、折り返しを受けたマルキーニョスがヒールキックでゴール、3-0。田代はマルキーニョスのパスからGKと1対1になるチャンスもあったが、前進してきたGK佐藤にシュートをぶつけてしまう。こぼれ球を野沢がループで狙うも、こちらも左ポスト。
 鹿島ベンチは1人ずつ、時間を使いながら3選手を交代。終了1分前、新井場のドリブルのこぼれ球を本山がワンタッチでディフェンスの裏へ転がし、交代出場の佐々木竜太が軽々と決めて4-0。ディフェンスの動きの逆を突いた、本山のキラーパスが見事だった。
「痛かったのは2点目。前半に出来ていたものが、後半に崩れたのが反省点です」
 三浦監督の弁だが、札幌が鹿島と互角の試合ができるのは“ボールを持っていないときだけ”なのだから、自分たちが点を取らなければならない状況になってから、差が開いたのは当然である。これは監督や戦術のせいではない。実力の差だ。攻撃と守備、半分だけなら戦える。45分間が0-0、90分間で4-0という結果は、両チームの力関係を正しく表していたと思う。
<了>


細かな戦評である。
実力と結果が伴うのは天下の御正道である。
我等は正義を貫き、更にアジアも征圧するのだ。

札幌戦報道

2008年03月09日 | Weblog

DF伊野波の守りから鹿島4発/J1

前半、札幌FWダビからボールを奪うDF伊野波。右はMF小笠原
<J1:鹿島4-0札幌>◇第1節◇8日◇カシマ
 鹿島DF伊野波雅彦(22)が王者の新しい力となった。開幕戦の札幌戦で先発出場。岩政、大岩の両センターバック(CB)を出場停止で欠く中、中後とのコンビで最終ラインを統率し、相手の攻撃を封じた。積極的なオーバーラップでリズムを生み、大量4得点の呼び水となり、完封勝利に貢献した。オフに少年時代からあこがれていた鹿島に移籍。「鹿島デビュー戦」を飾り、チームは昨年の劇的優勝から続く連勝を10に伸ばした。

 伊野波は少年時代からの夢を最高の形でかなえた。鹿島の一員としてプレーする―。22歳の若者に成長した男は真っ赤のユニホームに身をつつみ、ピッチに立った。前半こそ動きが硬かったが、後半は見違えた。同18分にはハーフウエーラインより前で構えて、札幌MF芳賀にタックルを仕掛けて奪い取る。攻撃的な姿勢が勢いを呼び、後半だけで4得点が生まれた。

 オフに東京から完全移籍し臨んだ初戦。「(鹿島に)受け入れられた感じ。すんなり入れた」。子供のころから鹿島が大好きだった。地元宮崎に春季キャンプで鹿島が訪れると、練習を見学し、柳沢、小笠原らと一緒に写真を撮った。中学時代には貯金を切り崩し、約40万円を払って鹿島OBのジーコが主宰するブラジルのサッカー教室に参加した。鹿児島実時代も地元に帰省すると鹿島のユニホームを着てトレーニングすることもあった。プロ入り後も東京の寮には小笠原のユニホームを飾っていた。

 試合2日前には本田チームアドバイザーに「もっと満男を使ってやれ。遠慮するな」と声をかけられた。この日はあこがれだった小笠原に指示を飛ばす姿があった。U―23代表の米国遠征に帯同し、チームと連係を深める時間は少なかった。1日のゼロックス杯で岩政、大岩が退場となり、出場停止が決まってから「この1週間で頭に詰め込まないと」と焦りもあった。だが昔から持っている鹿島の試合のビデオは100本以上。伝統のスタイルは心身にすり込まれていた。

 オリベイラ監督からは「まだ君のプレーをあまり見てない」と言われていたが、この日のプレーで存在感を示した。「鹿島の一員になれた? まだ半分くらい。これから一員になれれば」。鹿島とともに歩む王道は始まったばかりだ。 【広重竜太郎】
 [2008年3月9日8時57分 紙面から]

王者・鹿島が最高のスタート!昇格の札幌相手に4発圧勝

先制ゴールを決めた新井場(中央)はチームメートから祝福される(撮影・江角和宏)
 J1第1節第1日(8日・カシマスタジアム)連覇を目指す鹿島はDF新井場徹(28)の2得点などで昇格組の札幌に4-0圧勝した。

 夕日に染まったスタジアムが、お祭りムードに包まれた。DF岩政、大岩の両センターバックを出場停止で欠く王者が、ハンディを感じさせずに、本領発揮。J1昇格の札幌に貫禄を見せつけた。殊勲のヒーローは2得点のDF新井場だ。
 「(先制点は)たまたま。ボクが決めたか、一瞬わからなかったくらい。実感ないです」
 前半から攻めあぐねていた鹿島に先制点をもたらしたのは、そこにいるはずのない男だった。後半5分の左CKに、新井場が頭であわせた。普段ならセットプレーでペナルティーエリア内にいることはないが、この日は岩政、大岩が欠場。代役が大仕事だ。

 この日は父・清弘さんの誕生日。「(試合前に)おかんからバースデープレゼントを頼むと連絡があった。無理やで!!と思った」と、興奮を隠せない新井場だが、しっかり親孝行を果たした。

 PKの呪い!?も振り払った。1週間前のゼロックス・スーパー杯、広島戦で微妙な判定により敗戦。PKは、その象徴的なシーンだった。この日は後半2分にMF小笠原、同15分にはFWマルキーニョスが失敗。「そんなこともありましたね。忘れるくらい、みんなが点を取ってくれた」と小笠原は苦笑い。ただ、追加点を重ねた意味は大きい。マルキーニョスのヒールでの技あり弾、途中出場の20歳のFW佐々木のダメ押し弾。「3点、4点と取れてよかった」と、小笠原は短期間でのチームの“成長”を口にした。
 「昨年と同じ喜びを味わいたい」と新井場。昨季は開幕から5戦勝ちなしと苦しんだが、今季は白星発進だ。リーグ連覇へ、鹿島が最高のスタートを切った。

(峯岸弘行)
★伊野波と中後の“急造”CBが完封勝利に貢献
 “急造”センターバックが、完封勝利に貢献した。ゼロックス・スーパー杯の警告などで出場停止となったDF岩政、大岩の代役を務めた伊野波と中後。特に新加入の伊野波は、U-23日本代表の米国遠征などもあり、連係に不安を抱えていたが、無難にこなした。「前半は苦労したけど、だんだんなじめるようになった」と伊野波。期待の新戦力が、きっちり仕事をした。

◆鹿島・オリベイラ監督
 「あまり対戦経験のない相手だったので、前半は選手が戸惑いを感じていた。後半は敵のプレーに慣れることができた」

■鹿島の昨季VTR
 開幕戦で川崎に、第2節G大阪にいずれも0-1で連敗発進。第5節終了時で3分け2敗と勝ち星がなくサポーターが選手バスの進路を妨げる騒動も。その後、横浜FC、清水に連勝して勢いを取り戻すと、後半戦にはメッシーナからMF小笠原が復帰。第26節から9連勝をマーク、最終節で奇跡の逆転優勝を飾った。

新井場口火!鹿島 連覇へ4発発進

<鹿島・札幌>後半5分、先制点を決めた新井場(下)を中心に喜ぶ鹿島イレブン
Photo By スポニチ

 【鹿島4―0札幌】鹿島が王者の強さを見せつけた。大きな原動力となったのがDF新井場だ。まずは後半5分。MF小笠原の左CKに頭で合わせた。通常、CKでは自陣に残って相手の速攻に備えるところだが、この日は1日のゼロックススーパー杯でレッドカードを受けた大岩、岩政のセンターバックコンビがともに出場停止。「背の順で僕が入ることになった」とCKに“特別参加”。後半2分にMF小笠原がPKを外していただけに、8月15日の千葉戦以来となるゴールはチームに勢いを与える貴重な先制弾となった。

 後半19分には、中後のロングパスから左足の強烈なシュートで追加点も決めた。この日は父・清弘さんの誕生日で、試合前に「ゴール頼むで」と電話でハッパをかけられていた。「無理やで」と半ばあきらめていたが、G大阪時代の00年11月8日の川崎F戦以来、2度目の1試合2得点は最高のプレゼントとなった。「僕が決めると当分、ネタにされるんで」と照れ隠しで冗談を交えつつも「いい時間帯に決められた」と満面の笑みを浮かべた。

 愛する家族へのゴールでもあった。昨季まで生活を共にしていた富子夫人と子供2人が、子供の教育問題の関係で、故郷の大阪に戻った。今年から選手寮に入り、単身赴任の身に。家族を安心させるためにも、開幕戦で元気な姿を見せたかった。

 チームは新井場の活躍で完全にゲームを支配。触発されたFW陣も続いた。後半25分にマルキーニョスが田代のアシストから技ありのヒールキックで3点目。ロスタイムには、U―23日本代表スタッフが見守る中、期待の若手FW佐々木がMF本山のパスからダメ押し。昨季からのリーグ戦での連勝を10に伸ばした。

 昨季リーグの上位4チームのうち、2位浦和、4位清水が敗戦、3位G大阪は引き分け。他チームがもたつく中、昨季J1王者の鹿島が連覇に向け好発進した。不可解な判定で敗れたゼロックス杯のもやもやも払しょく。12日のACL初戦、アウェーのクルンタイ銀行(タイ)戦に弾みをつけた。
[ 2008年03月09日付 紙面記事 ]

新井場弾!弾!!鹿島、昇格札幌一蹴…J1第1節

後半5分、先制ゴールを決め喜ぶ新井場(左端)。王者・鹿島は4発で快勝
 ◆J1第1節 鹿島4―0札幌(8日・カシマ) 鹿島は昇格組の札幌から後半4得点を奪い、4―0と圧勝、2連覇に向け好発進した。

 11冠王者健在を知らしめた。ライバルの苦戦を尻目に、鹿島は4発の大勝発進。真っ赤に揺れるスタンドを背に、主将のMF小笠原は「いいスタートが切れたと思う。昨年の経験が生きている。みんなに、スタートダッシュしたいという気持ちがあった」昨季から続くリーグ戦連勝を10に伸ばしたイレブンには風格さえ漂っていた。

 鹿島の「左」が火を噴いた。後半5分、左CKからDF新井場がヘディングで、ゴール右隅に先制点を叩き込んだ。普段のセットプレーでは後方で待機しているが、ゴール前に入るDF岩政、大岩がゼロックススーパー杯の広島戦(1日)で退場処分となり、この日は出場停止。「背の順で回ってきた」という182センチの背番号7が慣れない頭で勢いづけた。同19分には左足で豪快に追加点。ともに味方がPKを外した直後、流れを取り戻す効果的な得点だった。

 離れ離れの家族にささげた。今季から夫人と2人の子供を地元・大阪に戻し、寮で一人暮らしを始めた。引退後を考え「子どもには大阪で育ってほしい」と単身赴任を決意。リーグ初戦で「パパ」の奮闘をテレビ画面越しに伝えた。また、父・清弘さんの誕生日に「無理やと思っていた」というゴールで親孝行も果たした。

 浦和のように大型補強はなかったが、変幻自在の得点パターンで勝負できることを証明。MF中後、伊野波の急造センターバックも完封に貢献。「去年のような喜びを味わいたい」と新井場。荒れた試合の末敗れた“ゼロックスショック”から立ち直り、チーム力をみせつけた王者。連覇に向け、上々のスタートを切った。

 ◆札幌最下位発進 ○…6年ぶりのJ1での戦いは暫定ながら最下位スタートとなった。開幕戦では02年の広島戦(1―5)に並ぶクラブワーストタイの4点差負け。J1での開幕戦で不敗を誇っていた三浦俊也監督(44)だが「1点先に取られて相手の力が出やすい状況になってしまった」と完敗を認めた。98、02年と開幕戦に敗れた年はいずれもJ2に降格。データ通りとならないためにもホーム開幕戦(15日・対横浜M)で巻き返しを狙う。
(2008年3月9日06時02分  スポーツ報知)


新井場一色かと思いきや、ニッカンはイノパンに注目である。
さすがに良い選手ということで注目点は同じなのであろう。
器械体操仕込みの走り方も格好が良い。
とはいえ勝利の立役者は2得点の新井場であることは言うまでもない。
ゼロックス杯でも攻撃に絡んでおり、この活躍の伏線は張られておった。
この試合でも決めるだけであったのである。
右サイドの内田篤人ばかりにスポットが当たっておるが、両翼がそろってこそ鹿は高く舞い上がるのである。


札幌戦コメント・レビュー

2008年03月09日 | Weblog

鹿島アントラーズ   :監督   <試合終了>
前半は対戦したことのないチームで戸惑いがあり、適応するのに時間が必要だったが、徐々に気持ちの整理、情報の整理ができたこともあり、後半は我々の形で試合を進めることができた。来週からACLが始まるが、フタをあけてみないとわからない。気温・湿度・レフェリング、国の環境などの違いにどう適応するかなど選手たちが適応しやすい環境を与えてあげることが大事。臨機応変に対応したい。J(リーグ)をやりながら上手く並行してみんなで戦って、いい結果を掴んでいきたい。

【J1:第1節 鹿島 vs 札幌】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント [ J's GOAL ]
3月8日(土) 2008 J1リーグ戦 第1節
鹿島 4 - 0 札幌 (16:03/カシマ/28,152人)
得点者:50' 新井場徹(鹿島)、64' 新井場徹(鹿島)、70' マルキーニョス(鹿島)、89' 佐々木竜太(鹿島)

●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
Q:J1王者の底力を見せたという印象だが、監督の評価は? 特に前後半で大きく変わったが、どこがよくなったと思うか?
「それは簡単なことで、対戦したことのないチームだったので、前半は戸惑いを感じていた部分がある。それは個としてもチームとしてもそうで、敵を知る時間必要だったのではないか。鹿島のセンターバックが2人欠けているところを、札幌は長身FWを活かして突いてきた。うちはもともとボランチの選手がセンターバックをやっているために、競り合いの間合いや飛ぶタイミングなどが普段と違って、戸惑いがあったのではないか。徐々に慣れて後半になった時にはみんなが気持ちと情報の整理ができていた。それで後半は我々の形で試合を進めることができた。まあ、前半もそれほど危険なシーンはなかったと思うが…。
自分たちがどう崩していくのかという部分で戸惑いがあったと思うのでハーフタイムでちょっと修正はした」

Q:今日はセンターバックで代わりに出た2選手も頑張り、途中出場の佐々木選手も得点した。水曜日にはACLが始まるが、そういう選手の頑張りから監督はどのような手応えを感じているか?
「私自身も、どうなるかというのはフタを開けてみないとわからないというのが正直な気持ち。それは選手も同じだと思う。ただし準備をするというのが大事。それは私だけでなく、スタッフやクラブ全体から色々なバックアップをしてもらっている。違う国で試合をするということには、気温・湿度・ピッチコンディション・レフェリング・相手のサッカースタイルなど、いろいろな部分がいつもと違うという意味が含まれている。それに対してどう対応し、あるいは適応していくか。あるいは選手が適応しやすい状況・環境を作っていくことが必要だと思う。計算通りに物事が進むことはないと思うし、臨機応変に選手を導いていくことが大事になってくる。また選手が我々を信頼して取り組んでくれれば、よい結果に繋がると思う。
当然ながらJリーグをあきらめるつもりはないし、Jリーグを戦いながらACLを平行して戦っていく。そのためにはみんなでうまく戦っていくと、選手には伝えてある。全員でいい結果をつかみ取ることができれば…と思っている」

以上

【J1:第1節 鹿島 vs 札幌】試合終了後の各選手コメント [ J's GOAL ]
●本山雅志選手(鹿島)
Q:前半は苦戦したが?
「相手がものすごく運動量を増やしてプレスに来たんでボールを回せなかった。ドリブルをしたり緩急をつけたりワンツーをしたりすれば崩せると思っていたけど。前半やって形は見えてきていた。後半になって、監督の指示で(内田)篤人へのサポートをプラスすることとサイドを使うことを意識したら、真ん中が空いて突破できた。サイドも使えた。後ろがしっかりハイボールに競り勝ってくれたし、うまく処理できたと思う。
1点取れてやりやすくなった。1点目を取るまではどういう形でも早く取りたかったけど、監督に焦るなと言われた。焦りが見えているぞ、と。少し緩急をつけながら早く行くところは行くようにしたらうまくいった。
開幕戦は勝つことが大事。ゼロックススーパーカップでの悪い流れを断ち切る意味でも勝つことが大事だと監督も言っていた。個人的には前半は運動量が多くなかった。あとダヴィに抜かれたところはしっかり行ったつもりなのにやられた。反省したい。次はACL。今は疲れていないけど、明日になれば疲れが出るかもしれない。しっかり休養して回復させたい。まだリーグ戦1試合が終わったところ。34分の1だと思う。1試合1試合危機感を持って戦わないといけない。気を抜くといつの間にか脱落しているということはよくあるから」

●小笠原満男選手(鹿島)
「こっちが落ち着いてボールを回してタテに入れてというのを続けていたら、後半になって相手が落ちてきた。うまくできたと思う。去年はスタートが悪かったから今年はいい入りをしようという気持ちはみんなあったんじゃないか。前半は札幌がかなりプレスに来たけど、こぼれたボールを拾ってその中でチャンスを作っていけばいいと思っていたら、実際に利いてきた。試合運びがうまく行ったと思う」
Q:PKを外したが?
「そんなのありましたね(苦笑)。忘れるくらい点を取ってくれたから。マルキーニョスも外した? あれは蹴りたそうだったから。ボールを持ってたから無理やり取り上げるのもね。信頼して任せたけど外しちゃったね(笑)。
2点目を取った後も攻め続けたが、そういうことが大事。3点目を取りに行って、さらに4点目も行くことで相手にダメージを与えた。ゼロックススーパーカップでは2点目を取った後、それができずに2点を返された。同じことをしてはだめだと思っていたし、3点4点と行けてよかった。
今日は相手がロングボールを蹴ってきて、競ったボールを拾わないといけなかった。自分はDFの前にいてあげて、前のMFの2人(野沢と本山)には攻めに力を注いでほしかった。ボールを失った後すぐにボールを奪うのは今の自分のテーマでもあるし、チームのテーマでもある。自分は攻めたいのを我慢してチャンスを見ながら出て行くようにしている」

●青木剛選手(鹿島)
「PKを取った時もサイドからいいボールが入ったし、サイドを多く使えば中も開いてくる。最初から中・中を意識しすぎると外がうまく使えない。そうやって臨機応変にやることが大事だと思った」
●中後雅喜選手(鹿島)
「今は(試合中にボールが当たったので)左目があんまり見えない状態。これから病院へ行きます」
Q:徐々にセンターバックの役割がスムーズになってきたが?
「慣れてきた部分もあるし、それなりにできたとは思う」
●田代有三選手(鹿島)
「今日は点を決めなきゃいけなかったですね~。(試合中にボールが当たったが)目は大丈夫でした。前半は相手がすごい頑張っていたけど、後半はスキが空いてきた。DFとDFの間が後半は空いていた。どんどんラインも下がってスペースも広がった。向こうの守備陣もどうしようという感じだった。チャンスがあったからこそ決めたかった。マルキーニョスのアシストは、ああいうプレーはあれでいい。続けていきたいと思う。先週のゼロックススーパーカップでの結果がよくなかったし、前半は先制点が欲しかった。なかなかそれが入らなくて攻めにくかった。後半セットプレーで点が入ってラクになった。思い切ったプレーもできたし。新井場さんは普通はセットプレーの時にはいない。そういう選手が入って点を取れたことで攻撃の幅が広がればいい。サイドバックが得点できることは強味だと思う。新井場さんの2点目にも絡んだのは、中後にもボールが行ったけどセンターバックとサイドバックの間が前半からすごく空いていた。そこを狙って蹴ってくれと言った。狙い通りだった。マルキー(ニョス)もそのことを分かってポジションを取った。新井場さんも上がってきてくれたし、狙い通りにやれたプレーだった。中後も何回もこっちも見てくれていいボールを上げてくれた」

●新井場徹選手(鹿島)

「前半はチームとしてうまくいかなかったけど、後半はしっかり修正できた。いいスタートが切れたが、先週は後味の悪いゲームをしたんで、よく切り替えて戦えたと思う。前半はやりながら不安もあったけど、終わってみると最終的には守備もよかった。ゴールシーンは2人が抜けたんで、たまたまセットプレーに入った。ゴールが入ると思わなかった。自分が決めたとも思わなかったし。あんまり実感がないですね。相手もかなり僕らをケアしてスペースを埋めていたんで、前半は入っていくスペースがなかった。ハーフタイムにどう崩すか話したけど、前半にスペースがなかったことが誤算だった。正直、前半はもうちょっと簡単に裏をつけるかなと思った。相手も僕らのことをかなり研究していたし、もう少しタイミングとかを考えないといけないと思った。今日は引き分けちゃいけないゲームだったし、点を取りに行こうと思った。前半は正直、うまくいかなかった。自分の2点目はセンターバックとサイドバックの間をつねに狙っていた。後半になってうまくチャンスになって抜けてきてゴールにつながった。次はACLだけど、まだリーグ戦1試合が終わったばかり。明日移動するけど、アジアでの試合は未経験の選手も多い。気持ちを切り替えてやりたい」
●マルキーニョス選手(鹿島)
「今日の勝利でいいスタートが切れた。この調子でこれからもやっていければいい。
とてもいいゴールを決められた。この調子で決め続けて勝利に貢献したい。PKはどの選手も緊張するもの。外したからといって調子を崩すのはよくない。切り替えて次のチャンスを決めてやると強い気持ちでやったことが点につながった。今年の目標はアジアを優勝し、クラブワールドカップに出ること。Jリーグも優勝し、得点を狙いたい」

【J1:第1節 鹿島 vs 札幌】レポート:前半は札幌の堅守に苦しめられながらも、新井場の2発で勝利を引き寄せた鹿島。J1連覇・ACLへ好スタート! [ J's GOAL ]
3月8日(土) 2008 J1リーグ戦 第1節
鹿島 4 - 0 札幌 (16:03/カシマ/28,152人)
得点者:50' 新井場徹(鹿島)、64' 新井場徹(鹿島)、70' マルキーニョス(鹿島)、89' 佐々木竜太(鹿島)

「正直、もうちょっと簡単に裏を突けるのかなと思ったけど、相手もウチをかなり研究してきたし、前半はうまくいかなかった」と2008年J1開幕戦勝利の立役者である新井場徹が話した通り、前半の鹿島アントラーズはコンサドーレ札幌の堅守にかなり苦しんだ。昨季J2を制した彼らの鍛え上げられた4-4-2のゾーンディフェンスはやはり完成度が高かった。が、それを確実にこじあけられるのが、J1王者の底力でもある。主将・小笠原満男がPKを外しても動じることなく新井場がヘッドで先制。これで相手の戦意を削ぐと、新井場、マルキーニョス、途中出場の佐々木竜太が追加点をゲット。終わってみれば、鹿島が4-0で圧勝していた。
 3月1日のゼロックススーパーカップでの退場処分で出場停止となった大岩剛、岩政大樹の代役として出場した中後雅喜、伊野波雅彦の両センターバックも、序盤こそ堅かったものの、持ち味の正確なフィードを見せるなど勝利に貢献。チームの総合力の高さを改めて示すことになった。この開幕戦からJ1・アジアチャンピオンズリーグ(ACL)18連戦が始まるが、彼らは非常に幸先のいいスタートを切ったといえる。

 優勝候補のガンバ大阪がジェフユナイテッド千葉に引き分け、浦和レッズが横浜F・マリノスに敗れる波乱が起きる中、16時にキックオフされた鹿島対札幌戦。昨季2冠の常勝軍団としても少なからずプレッシャーを感じたことだろう。しかも相手とは6年ぶりの顔合わせ。「未知なる敵」と言ってもいい状況だけに、選手たちにもやりにくさはあったはずだ。
 案の定、前半の鹿島はアグレッシブさを欠いた。立ち上がりからボールは支配するものの、本山雅志と野沢拓也の両攻撃的MFの運動量が少なく、田代有三もタメが作れない。マルキーニョスは何度かビッグチャンスを迎えたが、どうも決め手を欠いた。初めてコンビを組んだ中後と伊野波の両センターバックもやや落ち着きがなく、不安定さが垣間見えた。そんな鹿島とは対照的に、札幌は狙い通りのサッカーをしていた。前線と最終ラインをコンパクトにし、ボールを奪ってカウンターを狙ってきたのだ。縦パスを受けたエース・ダヴィが強引にシュートまで持ち込んだ前半42分のビッグチャンスには鹿島守備陣もヒヤリとさせられただろう。「対戦したことのないチームだったので、前半は戸惑いを感じていた部分がある。それは個としてもチームとしてもそう。敵を知る時間必要だった」オズワルド オリヴェイラ監督は選手たちをかばったが、最初の45分間は間違いなく札幌ペースで進んでいた。

 三浦俊也監督としてはこのまま粘って、鹿島の運動量が落ちる終盤に1点を奪う展開に持ち込みたかったに違いない。だが、彼らが思うほどJ1王者は甘くなかった。鹿島は後半に入るや否や、より積極的にゴールに向かうようになる。「もっと外を使うようにと監督から指示があった」本山も言う通り、選手たちは大きな展開から中央を狙う作戦に切り替えた。その意図がすぐさま結実し、開始1分には野沢がPKをゲット。これを名手・小笠原が蹴るが、信じられないことに相手の守護神・佐藤優也に止められてしまう。「まだ先週のゼロックススーパーカップの悪いムードが残っているのか?」と不安を感じた選手もいただろう。
 そんな不穏な空気を断ち切ったのが新井場。後半5分、小笠原の左CKをドンピシャリのタイミングで押し込んだのだ。普段のセットプレーの際、彼はペナルティエリア内には入らない。今回は大岩と岩政が抜けたことでたまたま入ることになったという。そんな偶然もあったが、新井場の強気の姿勢が値千金のゴールを呼び込んだともいえる。
「1点を取られたのが大きかった。前半は思い通りの展開だったんですけど…」と札幌のボランチ・ディビッドソン純マーカスもコメントしたが、彼らにとってこの1点は痛すぎた。三浦監督は先週契約したばかりのクライトンをセカンドストライカーの位置で起用するなど、巻き返しを図ったが、どうしても修正しきれない。16分にマルキーニョスが再びPKを失敗したところまではまだ何とか持ちこたえていたが、19分に中後のロングフィードから田代、マルキーニョスが絡んでマークがガラ空きになった新井場に2点目を奪われたところで、チーム全体が完全に切れてしまう。ここまで積み上げてきた堅守も崩壊し、札幌の選手たちは自信を喪失。マルキーニョスと佐々木の追加点を止める術も見つからなかった。

 4-0という結果は両者それぞれに大きなインパクトを残した。鹿島の方はゼロックススーパーカップで喫した黒星のダメージを完全に払拭し、チームとしての自信を取り戻す大きな1勝だった。ここから5月にかけてJ1・ACLの18連戦が始まるが、それに向けても力強い一歩を踏み出したといえる。中後と伊野波のコンビも時間の経過とともに安定感を増し、正確なフィードで攻撃の起点となった。大岩・岩政のハードマーカータイプとは一味違うセンターバックの出現で、オズワルド オリヴェイラ監督の選択肢も増えたようだ。これも確かな収穫といえる。
 対する札幌の方はJ1のレベルの高さを再認識させられる形となった。「力の差があった」と三浦監督も認めざるを得なかった。が、前半の組織的守備はJ1王者にも十分通じていたし、ダヴィやクライトンの個人能力は鹿島DF陣を怖がらせた。今は負傷者続出だが、これから主要選手たちも徐々に戻ってくる。こうした前向きな要素を戦う力に変えていくしかない。この大敗をいい教訓にすることが肝要なのだ。

以上
2008.03.09 Reported by 元川悦子

前半終了時に0-0であった為、前半は苦戦との印象を与えておる模様。
実際はそんなことは全くなく、単に90分を使ってサッカーを行っていただけである。
ルール上、試合時間は決まっておる、その中で多くの得点を取った方が勝者となりうるのだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
結果的に完封し大量得点で勝利し、若手にチャンスと結果を与えることさえ出来た。
試合だけではなく、本当の勝者への階段を一つ登ったと言えるのでは無かろうか。