昨夜入った店は、料理も酒も美味しかった。
しかし、ひとつ残念なことがあった。
なんというか、やけに落ち着かなかったのだ。
接客の店員が、注文を取り、料理を運び、お会計をし、
常に忙しく動き回っている。
追加の注文をしようと思ったが、今は忙しそうだからと、
待ったことが何度もあった。
こうなると、ずっと意識の片隅に、店員の存在がある。
これが落ち着かなかった原因だ。
だが、その店員に非があるとは思っていない。
問題があるとすれば、店の構造だ。
客席と厨房のあいだに中途半端な高さの壁がある。
この手の飲み屋では、客が料理人に直接注文をする、
もしくは、客が注文したがっているのを料理人が気づいて、
接客係に知らせるという状況がよくあるが、
あの店の造りでは難しい。
洋食屋のように最初に注文を済ませたら、
追加は少ない店ならば、それでも構わないが、
何度も注文を重ねる飲み屋にはむいていない。
規模的には、現状の厨房2人、ホール1人で充分回せると思うのだが。
どうしてあんな造りにしたのだろうか。