ロスト・テープ

2009年02月24日 11時17分29秒 | 業界のかけら
「シナリオ」のインタビューで、
小山薫堂さんが語っていたが、
『おくりびと』のシナハンをした際、
映画完成時にラジオ番組にしようと、
取材の様子を録音したそうだ。

しかし、現在、そのテープは行方不明。

というのも、
それを録音したディレクターが、
映画の完成を待たずして、
亡くなってしまったからだ。

そのディレクターというのは、
このブログにも何度か登場している、
1年ほど前に亡くなった友人である。

とても優秀なディレクターだったが、
いい意味で人間味に溢れている人で、
一緒に仕事をしていた頃も、
“紛失事故”はしばしばあった。

だから「シナリオ」のインタビューを読んだ時は、
「らしい話だ」と思って笑った。

しかし、そのの映画がアカデミー賞を受賞し、
日本映画史に残る作品となったとなると話は別だ。

友人も天国で、
ものすごく「しまった!」と思っているに違いない。
その焦っている様子が目に浮かぶ。

それにしても、
問題のテープはどこに眠っているのだろうか。

扉の開閉

2009年02月24日 02時08分07秒 | 業界のかけら

太秦で、
時代物の再現VTRを撮影した時の話だ。

主人公が出てくる扉を、
外に向かって開くべきか、
中に向かって開くべきかで、
美術と助監督が大喧嘩になった。

そして、

「監督に決めてもらいましょう」

しかし、監督というのは、
これがデビューの若手ディレクター。

悩んだ末、彼はこう答えた。

「扉を開けたところから始めましょう」

ナイス大岡裁き。