会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

オリンパス騒動

2011-10-18 00:09:22 | 銘柄研究
金曜日にオリンパスの外人社長突然の解任が報道されているのをネットで読んでいて、どうもしっくりこなかったんですな。

外人なんで日本の企業風土になじまず独断専横云々、適切な経営判断ができなくなるので解任したって、

んなアホな。

51歳の若手外人を海外の子会社から大抜擢した段階で、かなり異例なことをやってて、軋轢が生じることは百も承知、でなければできない判断だったはずで。大体、外人じゃなくてもごぼう抜きで社長に据えたら摩擦がおきるじゃあないですか。

変だな、変だな、と思っていたら、その日の内に、yahooにこの記事の添付があって、

オリンパス 「無謀M&A」巨額損失の怪

まさか、解任と関係無いよね、と思っていたら、


関係大ありだったみたいで。

【インタビュー】オリンパス社長解任劇の背景=ウッドフォード前社長

同氏によると、菊川氏との決裂につながった疑念が生じたのは7月、月刊誌「FACTA」がオリンパスによる日本の小企業3社の買収について疑問を呈したときだった。この3社は2006年から08年にかけて約700億円で買収された。1社は「ヒューマラボ」というフェースクリームやサプリメントなどのメーカーで、それ以外の2社は、医療廃棄物のリサイクルを行う「アルティス」と、電子レンジ用容器のメーカー「NEWS CHEF」だ。同誌は、売り上げも少なく、特に際立って価値のある資産があるわけでもない非上場企業に対して、オリンパスがなぜ大金を支払うのか不可解だとしていた。

 また、この記事は、08年の英医療機器会社ジャイラス・グループの買収についても疑問を表明していた。買収価格は2117億円で、買収発表直前の株価と比較して、58%も高い価格がつけられていた。

 ウッドフォード氏は8月初旬に菊川会長と森副社長に会い、記事について尋ねた。ウッドフォード氏によると、菊川会長は心配する必要はないと言ったという。


まあ、告発内容の真偽はよくわかりませんが、そもそも、ウッドフォード氏はこの10月にCOOからCEOに昇格したばかりだったんですな。

Tale of Olympus's CEO, fired after just two weeks


Oct 14 (Reuters) - Promoted to CEO just two weeks ago, Michael Woodford was a star at Japanese camera and endoscope maker Olympus Corp , where he joined as a salesman in a British subsidiary more than three decades ago.

His bosses were so impressed by the Briton's cost-cutting efforts and deep understanding of the local culture that they made him CEO, adding to the role he took in April of President -- the first non-Japanese to run Olympus.

In a glowing tribute on his appointment, the Board's Chairman said Woodford's change initiatives had an "extremely positive effect" and Olympus praised him for showing "great sensitivity and understanding of the different cultures."

ほんの2週間前にCEOに昇格したばかりのウッドフォース氏、とありますね。彼のボス達はウッドフォース氏の努力と、地場の文化を深く理解していることに強い感銘を受けてCEOにした、


ってことなんで、大体、2週間で評価が大幅に変わるというのもおかしなハナシでして。しかも文化の違いを良く理解している、とほめあげてCEOにしたようで、解任理由と、全く矛盾してますな。


前社長の告発内容の真偽はわからないわけですが、
一方で、この事件、権力闘争という面もありますね。

CEOになるのを待って、じいさん達を撃退しようとしたら、返り討ちにあってしまった。
外部に調査を出して、動かぬ証拠を固めておいて、エイやっとぶつけたにもかかわらず、それが通らずに追い出された。

という見方ができるかも。前社長のハナシが正しかったとしてですがね。

フツーに考えたら、不正を見つけて証拠をぶつけられたら、ぶつけられた方が負けるはずで、そう思って勝負に出たら、負けてしまった。そんなバカな。ってとこでしょうか。

その辺が、閉鎖的な日本の企業文化を良くわかっていなかったトコで、まだまだ甘い、

なんてことだとしたら、解任された理由が、間接的に正しかったことになってしまいますが、

悪い冗談のようで悲しいですな。



それにしても、この前社長の告発は、英ファイナンシャルタイムズが最初に報じたようなんですが、

More than a clash of the cultures at Olympus

後追い記事はウォールストリートジャーナルや、ロイターなんかの、海外メディアばかりで、日本のメディアはさっぱり。FTがこんなことを報じただの、会社発表と矛盾があって株価が急落しているだの、程度で終わってます。上で引用したWSJが今のところ一番詳しい感じですが、日本のメディアだけ読んでたら、全く状況がわからないところでした。

あのー、これ日本のニュースなんですけど・・・。


なんで直接、前社長にハナシを聞きいて書かないんですかね。

海外メディアが無かったら、前社長は負け犬として完全黙殺されてしまってた、ってことなんでしょうか。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿