会計スキル・USCPA

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マースクライン 世界コンテナー状況

2008-03-23 13:00:39 | 英語情報
海運関係の株価は一時ブームになっていましたが、今は一服って感じでしょうか。

商船三井 2y

それにしてもスゴイ上げに続いて,これまたスゴイ下げですな。チャート上はダブルボトム形成中,ってとこですか。まあ、ウォール街のランダムウォークによればチャーチストは勝てないんだそうですが。

『コンテナ物語』 マルクレビンソン 日経BP

コンテナーがいかに世界の物流を変えたか,という本です。
一個一個運ぶのではなく,箱に詰めてまとめて送れば効率的だというのは当たり前だし、アイディアは随分昔からあったわけですが、実現したのは50年代に入ってからです。スタートしてからも苦労が絶えず・・・。

本書の主張のひとつは、技術が世界を変えるのではなく,それを支えるシステムであり組織であるということですね。政策についても当然含まれているんでしょう、コンテナ輸送を始めるあたって、補助金、規制の果たした役割,プラスにせよマイナスにせよですが,についてもみっちり描写しています。人夫仕事だったものが機械化するわけで、組合の抵抗もものすごくて荷揚げがストップ,スト頻発で、普通の人はあきらめる。それをやり遂げる物語でもあります。

鉄道業界との争い、トラック業界との協働。判断の違いが両者の興亡を分けます。

ニューヨーク港の西側の興隆と東岸の没落についてもコンテナとのかかわりで描かれていて、面白い。ついこないだまで、といっても今世紀という意味ですがニューヨークは工業地域だったということもおどろきです。物流の効率化が工場立地を海岸線から内陸に移動させたんですね。

マルコムマクリーンの物語です。陸送をやっていたのを、コンテナーなら行けると直感して商売変え。後のシーランドを創業します。

いやまあスゴイお話でございます。

それに当時のノリもわかるんですね。世界のモノ生産が急拡大している様と同時進行しています。経営もいかに資金を確保するか、リスクが取れるとわかればみんな一斉にドンとやる。政府と一体。当局は保守的で既存業界秩序が最優先事項で・・・。

アメリカも50年代や60年代は規制が厳しくて、基本的に既得権よりです。そういうやり方を半世紀前まではやっていたわけですな。

日本が方向転換できていない、というのがウォルフレンをはじめとする、往年のジャパンバッシャーの主張だったわけで,そして今もその主張は変わっていないわけですが、どういう意味か本書を読むとわかるんですね。当時のアメリカの状況と今の日本がダブったりして。既得権者がやたらと強い。

しかしマクリーンの中央突破によって始まった世の中の流れには逆らえなくて結局コンテナが物流を席捲することになります。

さて,そのシーランドはマースクラインに買収されてますな。ちょっと前までは海運業界は???だったわけで再編が進んだんですかね。それがこの、アジアの勃興でブームになっているわけですな。

その世界最大のマースクの業績ですが、

AP Moller Maersk FY net profit beats consensus, sees profit up in 2008 UPDATE

COPENHAGEN (Thomson Financial) - Denmark's AP Moller Maersk AS posted a full year net profit of 17.8 bln dkr, up 15 pct from a year earlier, helped by an improved result at dominant container unit Maersk Line, and slightly above consensus estimates of 17.36 bln dkr, according to RB Boersen.

増収増益で好調ですが、

'Due to the unpredictability surrounding global economic development, the continuation of historically high oil prices and the ongoing reorganisation of Maersk Line, the outlook at the beginning of 2008 is subject to significant uncertainty,' it added.

見通しは慎重ってとこでしょうか。

During 2007, Maersk Line decreased volumes on unprofitable routes between Asia and North America by 17 pct, but increased capacity on other trade routes, AP Moller Maersk said.

ここ大事です。

アジアと北米ルートはもうからないからキャパを減らした。で、他のルートを増やした。他のルートはどこかってことですが、アジア→ヨーロッパルートです。ユーロ高だし、輸入は当然増えるでしょうね。


ヨーロッパルートであることはAnnual Reportに書いてます。

4ページしかないのですぐですよ。

'Global growth in the container shipping market is expected to decrease compared to 2007, influenced by an expected modest growth in trades to the United States,' it added.

米国の不調で世界コンテナ輸送市場の成長は弱くなると予想しています。

今後、欧州が世界の経済を支えるのか、ってことなんですが、どうなんでしょうな。それに、アジア北米ルート,つまり太平洋ルートかが儲からないというのも気になります。荷動きが悪いだけじゃなくて、競争も激しくなっていたりして。

で、日本の海運会社への影響はどうよ、という風に気になってくるわけですな。


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