会計スキル・USCPA

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ビックリ鹿児島銀行

2008-12-06 14:28:12 | 金融
ヒマなときに、時々ですが、ネット公開されている国内企業のIR説明会をのぞいたりするんですが、この鹿児島銀の説明会は実に良い感じなんですな。

鹿児島銀行第二四半期決算説明会

見ていて勉強になると言いますか、

今は、篤姫ブームで鹿児島の観光収入が増えている、フーン。

課税額で鹿児島経済を分析。

なるほど。課税額だとGDPと違って法人の業績の良し悪しが反映するだろうし豊かさの指標としては良いかも知れませんな。それによると近年の鹿児島経済は横ばいだとか。都市部が伸びているにもかかわらず地方は伸びていないのでやっかみもあって格差問題が騒がれているんだろうか、とおっしゃってますな。

H9年から大幅に課税額が落ちていて、これは消費税アップで政府部門に所得が吸い上げられたためです、と説明されたときはドキッとしました。GDPだとちょっと成長率がコンマナンパーセント落ちた、見たいな感じでよくわからないんですが、課税額だと落ち込み方が強烈で、ホントによくわかります。まあ、課税額ってどこの課税額なのか、そうした説明は無いですがね。

ちょっと横道にそれますが、日本の自殺率が急上昇したのはH10年でした。日本の自殺率の高さが弱者切捨て、格差問題として語られることは多いのですが、これ、小泉政権のずっと前に始まってるんですね。橋本さんの時ですな。それ以来、ずっと自殺率が高いままで、立ち直れない状態が続いているのだ、と見ることもできます。かなり時間がたっているわけですが、橋本政権時代にどっか大事なところを壊してしまったんじゃないかとも思えるんですが、小泉時代だけ見てるとまずい感じです。

歴史に学ばなかった橋本政権 ←これ、わかりやすいです。

ルーズベルト政権と橋本政権の失策を説明してるんですが、先日のクルーグマンもコラムで緊縮財政派が大失敗した例として二人の時代をあげてましたね

さて、鹿児島銀のハナシに戻りますと、

アグリクラスター構想への取り組みというのもあって、

『アグリクラスター構想‥‥地域特性を活かした取組みとして、鹿児島県の基幹産業である農業(川上)・食品加工業(川中)を中心とし、川下である流通、更に関連産業まで含めた商流に係る産業群(アグリクラスター)の活性化、拡大を支援する取組み』

クラスターとか言うと、台湾のハイテク産業を連想しますが、農業クラスターなわけで、これに銀行として支援に取り組むと説明しているんですな。公共事業に頼る体制から農業へシフトしてゆくんだ、との大きな方向感がその背景にあるみたいです。

農業は高齢者も就労できて発展すれば県民所得のアップにつなげることもできる。
香港や台湾で日本の農産物の評価が高まっていて鹿児島農産物を輸出振興できる、そのための海外視察をした、農業経営の支援システムを開発する、産官学で取り組む、とかなんとか。

ニュースも出てますな。

鹿児島銀と7社出資、農業向け投資ファンド設立へ

農業経営システムを開発へ 鹿児島で銀行と大学が連携

まあ、いろんな面で勉強になりますな。しっかし、この頭取殿はスゴ過ぎて鹿児島で浮きまくってないか心配になるくらいですな。

地方支援のためにドーロ、なんてハナシを聞くと悲しくなりますよね。こういう取り組みってヒントになると思うんですがね。

この説明会は1時間と長いんですが、私はネットで説明会を見るときはいつも2倍速にしています。30分集中する価値はありますな。

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