さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】彩雲国物語(3)~花は紫宮に咲く~

2011-12-24 23:56:57 | 読書録
雪乃紗衣 作/角川ビーンズ文庫

昨夜から今日にかけて、私にはめずらしくお腹を壊して大変なことになってしまった。疲れていたのか、何かに当たったのかは知らないが、ここまでひどいのは初めてで、とにかく脱水にならないようにするのが精一杯。水を飲んでも吐いてしまうが、何とかめげずに飲んでたら、何とか収まってきた。しかしながら今日の予定はすべてキャンセル。

時々目覚めてはちびちび読んでたのがコレ。ようやく3巻目を読み終わった。ちょうど漫画の最新巻がカバーしている範囲だ。

前巻で、みごと女性として初めて国試に合格した紅秀麗だったが、彼女と史上最年少で首席合格した杜影月は、当然ながらさまざまないじめに遭う。中には命の危険を伴うものさえあった。だがその中には「厳しい指導」の一環であったものと、「本当の陰謀」であったものの二種類が含まれており、「厳しい指導」の中から自分達を切り開いていくものを見つけ、「陰謀」を暴き、這い上がっていくのであった。

ここらへんの展開は「スポ根」漫画に近いのかもしれないが、なかなか陰湿で面白かった。彼女と親しくしている高官たちや王もこればかりは手助けできず、彼女達が這い上がってくるのを待つしかなかった。だが、本当の陰謀が含まれていたのは事実なので、命の危険からの守護と、彼女達が暴いてきた本当の陰謀については厳しく当たったのである。

さて無位無官のまま教育機関を終えた紅秀麗と杜影月は、これまた異例の抜擢で、二名同時に茶州州牧に任命される。茶州というのはこの物語の中では大変な問題をかかえている地域(架空)で、次巻以降の苦難が予想されるのであるが、それはさておき、「州牧」というのは古代中国に実際にあった官名なので、一応調べてみた。

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時期によって「州牧」と呼ばれたり「刺史」と呼ばれたりするが、中国に前漢から五代十国時代まで存在した官職名で、もともとは監察官であった。現地の官僚が豪族や商人たちと密着し、その犯罪を見過ごすことが多発したためにそれを監察するためのものであった。だが当初は権限が小さすぎて実効性がなかったので、徐々に権限を増やされ、行政権を握るようになり、州の長官とも言うべきものになったという。

各地で反乱が起きるようになると、州牧は重臣クラスでないと務まらなくなる。『三国志』の群雄たちはほとんどがこの州牧を経験している・・・と言われると、州牧という語に対する深みも感じられてくるのである。

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彩雲国物語は架空の国のファンタジーであり、中国とも関係がないのであるが、オリジナルストーリーだけにコメントも書きづらい。なので、こんな風に、中国では果たしてどうだったか・・・みたいな調べものを各巻のコメントに入れるかもしれない。
コメント (2)
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