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チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲/ジョセフォウィッツ,マリナー&アカデミーCO

2009年06月02日 23時36分38秒 | クラシック(一般)
 今は死語だろうが、アナログ盤時代には「メン・チャイ」という言葉があった。メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のカップリングのことである。アナログ期にはこうした定番の組み合わせがあり、これの他だと「運命/未完成」なんかがそうだったと思う。アナログ盤の収録時間の関係でAB面分けて収録するには短すぎるような名曲が、組み合わされて定番化したんだろうが、CD時代になると78分という収録時間に併せて、こうした組み合わせも一新された結果、「メン・チャイ」という言葉は死語になったという訳だ。それにしても、今にして思えば、チャイコフスキーのこの曲などよくぞ片面にカッティングしたものだと思う。

 気になって調べてみたら、チャイコフスキーで35分、メンデルゾーンで30分は優にかかるではないか、当時、ロックの方ではたいてい片面の収録時間は20分前後だったから、25分なんか収録したら音が悪くなるといわれていたから、35分というのはいかにも詰め込み過ぎだ。恐らくカッティング・レベルをかなり小さくして収録していたのだろうが、いったいどんな音で鳴っただろう?、もっともクラシックならあまり気にならないレベルだったのかもしれないが。それにしたって、記憶によれば当時、カラヤンがフィルハーモニアを振ったモノラル盤で、ドボルザークの「新世界」とチャイコフスキーの「悲愴」を片面づつに収録した恐るべきレコードなんかもあったから(このカップリングだとCDにだって収録できまい-笑)、35分くらいは序の口だったのかもしれないが。

 さて、チャイコのヴァイオリン協奏曲である。80年代前半に私は当時のメンチャイのレコードの1枚や2枚は必ず購入しているハズなのだが、何を購入したのかまったく記憶にない。なので、この曲もほとんど初めて聴くに等しいのだが、たまたま先般聴きまくったコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲で、ムターとプレヴィンが組んだアルバムに併録(というかコルンゴルトがおまけでチャイコがメインなんだろうけど)されていたせいで、ここ二週間くらいウォークマンで良く聴くようになってきたし、これまた奇遇にも庄司紗矢香がラ・フォル・ジュルネ音楽祭で弾いた演奏だの、この4月にヤンセンがN響の定期に出演した時の演奏だのを視聴できたせいで、けっこう身近に感じてきたところだ。

 この曲はいわゆる「4大ヴァイオリン協奏曲」のひとつではあるし、チャイコだけあって華麗さという点では随一の仕上がりだと思う。ムターのアルバムのカップリングがそうだったせいもあるけれど、コルンゴルトの同曲の華麗さと共通するような感じもするのがいい。今回聴いたジョセフォウィッツという女流の演奏は、ムターのような威風堂々としたところもないが、流麗でクセのないスムースなところがよくも悪しくも特徴なように感じた。そういえば、ハーンも演奏も既に購入済みだが、彼女はどうこの曲を料理しているのだろう。
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