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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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ニューイヤー・コンサート 2009/バレンボイム&VPO

2009年01月02日 20時26分22秒 | クラシック(一般)
 昨夜は不運にも仕事がはいっていたので(なんでこんな時に泊まりがけで仕事はいるかなぁ-笑)、録画しておいたものを今観ているところだ。本年の指揮者は初登場のダニエル・バレンボイムだ。昨年の大穴みたいな感もあったプレートルに比べると、バレンボイムは「そういえば、彼ったら未だニューイヤーに登場してなかったよねぇ」みたいな感じで、ごくごくまっとうな人選というところだろうか。ちなみにCDなどよく見栄かける、今時のスター指揮者で未だにニューイヤーに出てない人といったら、バレンボイムの他だと、後はサイモン・ラトルとリッカルド・シャイーくらいだろうか、

 さて、第一部は私の大好きな「ヴェネツィアの一夜」序曲からスタート、バレンポイムらしくやや腰が重く、ゆったりとしたテンポで進み、途中のゆったりと旋律の部分では官能的に歌い上げるという、まぁ、彼らしい(といっていいんだろうな)スタイルで進んでいくのだが、こうしたややぽってりとした個性と「ウィーン・フィルが演奏するシュトラウス作品」との相性もなかなかよいものがあって、爽快感はないがおとそ気分で聴くシュトラウスとして、非常に楽しめた。選曲については初登場のものあるが、「アンネン・ポルカ」「南国のバラ」「百発百中」と比較的正統派の選曲、演奏で押し切っているという感じだ。

 第2部はカラヤンばりに「ジプシー男爵」で始まり、同じく「ジプシー男爵」から行進曲、「こうもり」から「宝のワルツ」と、続けるあたり「オペラ指揮」としてバレンポイムの面目躍如という感じで、ゆったりとしつつも、けっこうドラマチックにもり上げているあたりはなかなかのものだ。後半の「雷鳴と電光」「天体の音楽」「ハンガリー万歳!」といった大スタンダードも、ウィンナ訛りという意味では、リズムなどけっこうインターナショナルなスムースさがあったりするのだけれど、まぁ、昨年のプレートルの洒脱なカラフルさ比べれば、その善し悪しは別として、オーソドックスな趣が強かったように思う。さしずめ「天体の音楽」は、カラヤン超えるとまではいかないまでも、パレンボイムらしさが全て良い方向に出た名演だったように感じた。

 ラストはハイドンの「告別」が選曲も意外性があり、例のエンディングを利用したユーモラスな演出も今回のハイライトだったと思う。アンコールの「美しく青きドナウ」「ラデツキー行進曲」という不変のパターンだが、前者はライブでバレエのダンサーが現れる、このパターン以前にもあったが、今回は子供のダンサーがちょこまかと登場するのがミソだろうか。という訳で、個人的にはヤンソンス以来、久々に楽しめたニューイヤー・コンサートであった(プレートルも良かったのだが....、ちょっと音楽が洗練されすぎたような)。 
コメント
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