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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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欧州ピアノ・トリオ

2005年01月23日 23時29分57秒 | JAZZ-Piano Trio
 最近、ヨーロッパのジャズをよく聴いてます。ヨーロッパのジャズといっても、ECM系とかフリーとかではなくて、日本の澤野工房、ディスク・ユニオン、その他マイナーレーベルがゲリラ的に発掘している日本人の好みにあったピアノ・トリオの作品です。

 アーティストでいうと、ティエリー・ラング、エンリコ・ビエラヌンツィ、ヨス・ヴァン・ビースト、ピーター・ローゼンダルあたり、これにウラジミール・シャフラノフとかOLに大人気のEJTあたりもプラスしてもいいかもしれないですけど。

 これらのピアノ・トリオに共通しているのは、ビル・エヴァンス流のリリシズムと端正さ、あとキース・ジャレットが時に披露するようなロマンティックさや透明感を持っているところじゃないかと思ってます。まぁ、そもそも、そういうのをめっけてくるんだろうでしょうけど、とにかくみんな絵に描いたように、独特なひんやりとした感覚があるんですね。

 実はその昔、ペーター・バウマンがプライベートというアンビエント系のレーベルを始めた頃、企画したオムニバス・アルバムで坂本龍一やエディー・ジョブスンが参加した「ピアノ・ワン」というのがあって、そこに入っている曲でも、とくにヨアヒム・キューンの曲がよかったものだから、こういう路線でピアノ・トリオでやってような音楽はないものかと、かれこれ10年以上探すともなく探していた訳ですけど、ようやくその鉱脈にたどり着いたかな....という感じがしないでもないです。

 まぁ、かのヨアヒム・キューンの怜悧な耽美さあたりと比べてしまうと、どれもいささか薄目かなと思わないでいもないですけど、ティエリー・ラングとエンリコ・ビエラヌンツィは収穫でした。日本だけて売れるのがよく分かります。過渡に硬質になるのでも、甘口に流れる訳でもなく、頃合いのところでリラクゼーションと緊張感をいきつもどりつするあたりは、アメリカ流の脂ぎったジャズとは異質な美感で、聴いていて実に心地良いです。こういうのって、ひょっとすると日本人にとってだけ、絶妙なポジションかもしれませんね。
コメント
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