風忌(かざき)の門 ・10
霧神「よくも~邪魔をしてくれたわね~
グル・ジャ・カク・ゲン ・・・・。」
まただ一体、この人の呪法は何なんだ
揚羽「・・・よくも ・・・ご主人様を傷つけて
くれましたね・・・許さない ・・・」
くれましたね・・・許さない ・・・」
霧神「クククッ一瞬で壊してあげる 」
空気が圧縮してゆく様な威圧感が立ち込める
透明「」
一瞬にして間合いを詰める霧神さん
さっきよりも早い
揚羽「」
透明「揚羽後ろ 」
霧神「遅い」
「ドスッ 」
さっきとは違う、付呪の施されているであろう
ナイフのようなモノが揚羽の身体に突き刺さる
霧神「くくくっ」
揚羽「はぁ~・・・こんなものですか」
そう言うと、揚羽の身体がはじけ飛ぶ
その周りには、無数の黒揚羽蝶が
霧神「なっ」
揚羽「まったく・・・こんな程度で驚かれても」
黒揚羽蝶は、霧神さんの身体にへばりつくように
集まって行く・・・そして
霧神「きゃっ」
集まった黒揚羽蝶は、いつの間にか黒揚羽に戻り、
霧神さんを地面に押し付け、腕を締め上げていた
揚羽「一瞬でしたね」
霧神「何をくっ離しなさい」
揚羽「そう言われて、ハイそうですかって
離してしまうのは、ご主人様くらいなものです」
おいおい何で、そこでご主人様をディスるんですか
揚羽「ご主人こいつ、どうします
喰らっても」
そこは、変わらないのね
透明「駄目に決まってるでしょ
六羽、ありがとう後は自分で出来るから」
六羽「ム~ッポンッ
ほんとうにだいじょおぶ~」
透明「ああ大丈夫だよありがとうね」
揚羽「ええ~っご主人様~っ私には~」
透明「はいはい揚羽もありがとう
本当に助かったよ」
揚羽「えへへっ
でも、ご主人」
透明「んっ」
揚羽「この程度の相手に、傷をつけられるなんて、
どうしちゃったんですか
どうしちゃったんですか
ご主人が本気なら、瞬殺でしょうに」
透明「あっ、いや、その、なんだ~」
揚羽「まさか・・・女性だからですか」
透明「い、いや~っ」
揚羽「はぁ~・・・殺されかけておいて、
フェミニストとか、勘弁してください」
透明「うっま、まあ、それだけじゃないんだけどね」
揚羽「えっまさか、この女のことが」
透明「いやいやいやいやそう言うんじゃなくて・・・。
・・・何だか・・・昔から見ていたと言われて
・・・私が未熟だから、気が付いてあげられなくて・・・。」
揚羽「申し訳ないとか思ったんですか」
透明「う、うん」
揚羽「はぁ~~~~~~っ
ご主人は、馬鹿ですか 」
透明「うっす、すみません」
揚羽「まったく・・・変わらないのですね」
透明「ごめん・・・」
揚羽「ま、まあそ、そんなところが、ご主人の良いところというか
そ、そうですねこ、今回は、許してあげる」
透明「クスッありがとう」
このやり取り・・・
何だか、やっと二人が帰ってきた実感が湧いてきた
揚羽「ところで、ご主人」
透明「」
六羽「」
な、なんだ
この禍々しい気は
今までに感じたことが無いほどの圧倒的な悪意
霧神「クスクスクスクスッ 」
透明「」
霧神「アハハッアハハハハハッ 」
やばい何だかわからないけど、霧神さん、壊れた笑い方してる
続く ・・・。
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