しょう爺あーっと宮古

宮古島ではじめたサードライフ。気が向くまま不定期に面白いことあったら伝えます。

後悔しない?

2011-03-18 14:22:17 | かんしがかり

私の2番目の大人の遊園地は図書館です。1番目は島のDIYSHOP「メイクマン」ですが。

その図書館が建て替えられることになって、古い方の図書館が解体されることが市議会全員協議会で議決されました。

            

上の写真は仮移転後の旧図書館入口ですが、合併前の平良市の看板の上に宮古島市を上掛けしたものだったらしく、ご丁寧に宮古島市版を取り外したままになっています。

この図書館は、元は「宮古琉米文化会館」という名の、琉球列島米国民政府情報教育部が建設した米国が沖縄統治を円滑に進めるための文化施設でした。

この施設その後、数奇な運命(というほどのことでもないけど)をたどることになるのです。

1952年に木造瓦葺で建設された会館は、1959年、風速70メートルが記録されているサラ台風で被害を受け1962年に鉄筋コンクリートづくりに建て替えられました。

それが今回話題の旧図書館の前身です。

           

といっても、当時から宣撫工作の場として図書館があり、文化行事、移動図書館、カルチャー教室等の他、レクリエーションやイベントの開催等文字通り島における文化の中心であったようです。

それが復帰1年前の1971年その使命を終えることとなり、日本政府が買いとった上、平良市に無償譲渡されることとなったのです。

驚いたのは、当時の出会いサイト、デートスポット、不良の拠点、良い子の知恵袋であったはずのこの施設の恩恵を受けた世代の代表として、最も保存に熱心であるはずの市議会議員がいとも簡単に解体を決議したことでした。

            

彼らや当時利用した市民にとっては、市街地の中の原風景であり、つながりの拠点であったはずです。

これを知って立ち上がった人たちがいました。

それが1月7日のこのブログでもひっそりとネットでの署名をお願いいたしましたが、「旧図書館の活用を考える会」の皆さんです。

そもそも、署名に立ちあがったのは、「考え直して」という声に市長が「同図書館の存続については1万人の署名が集まったら考える」と発言したことがきっかけだと聞いています。

1月31日、皆様のご協力もあり島内外から10,609人の署名を集め提出できました。

ところが市長は「1万人とは地元有権者のことである」と言い張り、議会とも相談する等と先送り姿勢で対応しました。さらに、議会からは、「全員協議会の議決を相談なく署名が集まったら考え直す等と議会軽視だ」と批判を浴び、なんとも情けない立場になってしまったのです。

その後、市は、建物存続にかかる費用、年間の維持管理費等の試算値を提示し、財源や新図書館建設に及ぼす影響をも考慮した「考える会」も市長の甘言に乗ってしまったことを恥じ、活動の終息を決定しました。

そして現在、この施設は解体が始まっています。

            

            

議員さん達は自分を育ててくれたこの施設に何も感じなかったのでしょうか。アメリカ政府の宣撫施設にそれほど嫌悪を抱いていたのでしょうか。

自然に破壊される建物と人の手で倒される建物。どちらがより多く赤い涙するでしょうか。


乾電池が消えた

2011-03-15 12:06:40 | かんしがかり

まずは昨日の報告の続編です。

エコアイランドの取組みの究極の目的は、島外からの供給に頼っている食糧・エネルギーの自給を達成するという事です。

中でも、最大の生産物であるサトウキビの精製段階で生じる糖蜜からエタノールを生産してガソリン車へ供給するプロジェクトが先進的に進められています。

             

これは、バイオエタノールを3%、ガソリンに混合した燃料E3燃料を生産して島内のガソリン車を動かそうとするもので、5%の場合はE5、10%の場合はE10といいます。ブラジルではE100も普及していますが、さすがに普通の燃焼システムでは動かないようです。

                 

将来は、島内で発電量を確保し、電気自動車やエタノール車が走り回るということになるのでしょうか。

さて、今日は、島内から単一乾電池が消えた、という話題です。

                    

今朝の電気店、見事になくなっています。

どうも観光客が、関東で品薄になっている乾電池、懐中電灯を大量に仕入れて帰るというのが理由らしいです。

関東の計画停電が思わぬところで島の生活に影響し始めたところです。

そのうち、ガソリンや魚やなんやらとじわーっとくるのでしょうね。


失われた信頼性

2011-03-14 16:45:48 | エコアイランド

今回の東北・関東大震災で被災された皆様と関係者に心よりお見舞い申し上げます。

このたびの災害においては、高い信頼度を誇っていたはずのエネルギー供給システムの脆弱性が露わにされてしまいました。

これに関連した話題に少し眼をお貸しください。

今月1日、宮古島では「スマートコミュニティでめざすエコアイランド宮古島」なるシンポジウムが開催され、早大横山教授の基調講演や施設見学ツアーなどがあり参加してきたところです。

          

宮古島市では、島内資源を活用した低炭素なまちづくりに取り組んでいるとのことで、特に島嶼型電力供給システムの構築について、実証実験の内容や課題について学習してきました。

宮古島の電力供給は、5万kwの系統需要に対して、ディーゼルによる火力発電、ガスタービンによる発電、風力発電で賄っていますが、低炭素社会システム導入が要請されている今、再生可能エネルギーの利用拡大と電力貯蔵の効率化等の課題に対応するため、大規模メガソーラー実証研究が進められています。

離島における独立的な電力系統構築のために、太陽光発電設備を大量導入した場合の実系統へ与える影響の把握及び系統安定化対策についての実証研究、早い話がどうやって太陽光電力を貯めて他の電力と合わせて平滑に供給できるかという事です。

         

4,000kwの太陽光発電設備が4.5haの敷地に設置されており、平成25年度まで研究がおこなわれるとのことです。

今回の震災がもたらした教訓にこれらの実験が役立ってくれる期待を勝手に抱いておりますが、日本の国土は本土といえども地域離島の集まりであったことが明らかにされたと思っておいます。

この実証実験の一番の心配は、実験が終わった後、施設が廃墟と化すことでありましたが、なんとか役に立てるのではという展望が見えてきたのはちょっと元気になれた一瞬でありました。


これぞ宮古スタイル

2011-03-09 17:46:16 | 旅先

暑くなったり寒くなったりを繰り返しておりますが皆様のお身体に変調はないでしょうか。

ここ宮古島も昨日までの寒さがちょっと緩み、外で食事をするにはちょうどよい塩梅。写真は今日の12時20分撮影のもの。

      

って、平日のお昼にどこでピクニック?

      

ちょっと視点を移動すると校舎らしきたたずまいの中、学校の敷地?

宮古島市にある4つの県立高校(私立はありません)では、昨日から2日間の日程で入学試験がありました。

この時、受験会場の高校敷地内では、家族・親族・驚くことに中学校の教諭らが手作りの合格祈願弁当を持参し、受験生と一緒に昼食を取るのが宮古スタイル。

お昼時には、午前の試験が終わった受験生をお出迎え。

      

学校側は、庭のみならず体育館・理科教室。軒下も開放。外では早々に陣取り合戦。受験生を待ちます。

      

「子供は宝」思想に満ち溢れる島では、こうして家族・親族・関係者が昼食を共にして激励し高校合格を祈願するのです。

地元紙には、受験生を励ます家族として市都市計画課長補佐の一族の写真が掲載されておりましたが、休暇を取って(だと思う)受験生のために昼食をともにする心温まるゆる~いお話です。

また、昨夜は、ある講演会に出席して21時過ぎにスーパーマーケットに行きましたが、豚肉が売り切れておりました。

子供達と親の3大事業は、小学校入学・高校合格・成人式でこの時は自宅を開放、お祝いを持ってきた人には食事と酒をふるまってお祝いします。去年は2家族のお祝いに参加しました。(3月23日のブログ参照)

今年は、高校受験3世帯、小学校入学1世帯がノミネートされ、祝儀袋を用意して15日の合格発表を待っております。

ちなみに、4高校の志願率は少子社会を反映して最大1.14倍から0.03倍(ホント?)と全体として定員割れ。名前さえかければどこかに入れる状況(地元親談)だそう。

それはさておき、思春期の子供が臆せず受験中に家族と昼食をともにするという絆の強さはすごーーーーーーーい。