Papier découpé: la planche pour l'entrée de noce (format A3)
会場の入り口に置くウェルカムボードの依頼を受け製作。
製作時間:約5時間。 切り絵です。
このブログには本業の作品は載せていないのですが、今回これを載せるのは、まだ自分の中で発展途上の分野だからです。 依頼を引き受けたものの、どういう手法の作品を作るか曖昧なままだったのですが、以前、一度だけ、リヨンで住んでいた家の窓に目隠しのため、余っていたグレーの紙を使って、天使っぽい図柄の切り絵をしたのを思いだし、人生2度目の切り絵をやってみようという、いうならば、得意分野でも、専門分野でもないものをしてみたという、ある意味、無責任発進での製作開始だったのでした。
この切り絵のやり方は、下絵を描かずに直接カッターで紙を切り込んでいくという、ギャンブル要素の強いやり方です。 なので、最終的な完成形は、最初にイメージしてたものと違うことになることが多くなるわけです。 今回は右下の人物から切り始め、上に向かってモチーフを加えていきます。
まず、気をつけたこと。
①終わったあともそのまま何気に飾れるような絵にする。(そのために依頼者に好きな花などを聞いたりした。切り文字の部分は取って飾ることも可能。)
②会場が、高層階の都会的な雰囲気のところだったので、その場所に合うように絵の色味は抑える。 格好よく&綺麗なイメージで仕上がるように。
③一点モノをつくる。(これは、普段は版画をやっているので、最近1点ものを作ることをあまりしていなかったので、自分に課すために)
グレーの紙の下に、ベージュの紙、の二枚重ねにしてから製作開始。カッターで切る際、切る強さによっては、2枚とも切れる部分と、一枚目のグレーしか切れない部分とでてくるので、それも絵の色味になればということでそのやり方をしてみました。
2枚同時に切れた部分は、最後に薄ピンクの1枚紙を重ね、グレー&ベージュ&薄ピンクの絵にする。 文字の部分は薄きみどりの紙で切り文字によって製作。(意外と、この文字の方が神経集中しなくてはいけなかったので慎重を要しました。)
一刀でも失敗すると、やり直し。という木版的要素と、いつ『これで終わり』と決めるのか判断をするのが大変な、油絵的要素を同時に持つのが今回の切り絵です。
疑問の中で始まり、疑問のまま終わる。という作り手側からすると、???のものなのですが、今回、これを会場の入り口に置いたら、やたら反響が多かったので、『あぁ。じゃあ、まぁこれでいいんだ。』と、一応は納得はしたのですが、すみません。まだ疑問の中にいます。(笑)
大きさは、約35cm×50cmくらいでしょうか。
『自分にも作って欲しい』という声も何件かありましたが、自分の頭の中をこねくり回すような感覚の作品なので、『作るよ。』と気軽にいえないのが現実です。
このウェルカムボードの製作にあたり、世の中の"ウェルカムボード"がどんなものがあるか研究してみたのですが、 新郎新婦の似顔絵イラストのボードとか・・・その場でしか飾れないよね。そういうの。ということで、普段でも何気に飾れる上に、その場でも、素敵な存在感を。というので、この切り絵になったわけです。 新郎新婦にゆかりのあるモチーフを入れてるので、さらに世界でひとつ、の要素も加わりますしね☆
でも、とりあえず、みんなが感動してくれたようなので。 よかったです。
後日:再びウエルカムボードの製作依頼を受け作った、沖縄要素の入ったウェルカムボードの切り絵に関する記事はこちら。《しーじゃーひと肌ぬぐ。の巻》をごらんください。