Paris, le 2 février à 7h
朝、6秒に1回の雨音のようなものを聞いて目が覚める。
--------- 雨 ---- か ?
昨日行ったお店に売っていた、天気予報が出る時計に、雨のマークが出ていて "へー。今日はこんなに天気がいいのに これから雨が降るの?"と思ったことを思い出した。あの時計、結構ちゃんと当たるのね。
パリの前に滞在したチュニジアでは、朝のニュースらしき番組を2時間見ていても天気予報をやらなかったので、お店のおじさんとかに、買い物がてら今日の天気を聞いていたくらい 天気"予報"という存在はこの何日間かでどうでもよくなっていたので、せっかく天気を示してくれていた時計も現実のものとして消化できなくなっていた。
この時期パリは、日の出は8時過ぎ。
日の出前らしく、部屋の中も少しずつ見え始めてきた。 起き上がって、スライドカーテンのほうに向かい、カーテンを横にずらし、外を見てみる。
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チガウ! 雨じゃなくて、 雪だッ!
今年初めて見た"積もった雪"をパリで見ることになろうとは。。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/dd/a8e5fb5eef10ee804df14da83341d8eb.jpg)
窓の外の手すりに2cmほどのふっくらとした雪が積もっている。 そりゃそうだよねー。あれだけ夜の空気が冷凍庫のように寒いんだから、「雨は夜更け過ぎに 雪へと変わ」ってもおかしくない。 というか、たぶん、降りだしたときから雪に違いない。 今日、これから空港に行って、日本に帰らなくちゃいけないのに大丈夫かね。と心穏やかでない私をよそに、北国出身の友人は、そんなのどこ吹く風。(いや、雪。) それを見て、"いや、大丈夫なのかも。"と思い直した。 パリは、東京より寒いんだからちょっとは雪にも慣れてるだろう。と。
空港に行くまでにはまだ時間があったので、外へ出て近所のパン屋さんにパンを買いに行くことにした。 すでにみぞれ混じりになっていた雪と積もった雪とに足をとられないように気をつけながら、まず部屋の窓から見えた、地下鉄の入り口で無料の新聞を配っている人のところに行き、"METRO"という名前の新聞をもらい、また慎重な足取りでパンやに向かう。
パンを買って部屋にもどり、朝食をとりながら何度か窓際に足を運んでは外の雪の様子をみる。 もう雪は終わりかな。
ホントは9時半くらいにアパルトマンを出発する予定だったのを、一応気持ち早めの9時20分に出ることにした。 友人は 一緒に空港行きのバスが出る、オペラ座横のバス停まで送ってくれることとなった。 私は大きなスーツケースを持っているので、バス停まで一緒に来てくれるのはとてもありがたい。
メトロに乗り、9時半過ぎには、オペラ座到着。 オペラ座のバス停には、10人弱のバス待ちの人々。 たまにみぞれのような雨が降るので 私と友人はバス停の後ろにある建物の雨よけの下に立って、ぼーっとバスを待つ。 バスは15分に1本の割合で来る予定。 9時35分から45分過ぎまで待ったころ、「雪だからバス遅れてるのかもね」と話始めると、バス停で待っている人たちの何人かがスーツケースを転がしながらバス停を離れはじめた。 「電車とかで行くことにしたのかな。」 と、みんなの動向をながめていると、突然、バス停にいた中の2人くらいの西洋人が道路へ飛び出し、タクシーを1台止め、
「バス、待ってても来ないから、タクシーで一緒に空港行く人!!」と仏語でバス停にいる人たちに向かって問いかけた。 しかし、誰も反応する様子はなく、その西洋人は今度は英語で、さっき仏語で言ったことを繰り返した。
みんなどうするのかな。と周りを見ても突然のことにすぐに動けそうな人はいない。私以外に日本人もいたが、2人組だったりするのもあってか、スーツケースも持ってるしで動けないのかもしれない。 じゃ、私が動いても大丈夫かな? 見送りにきてくれた友人に、 「私、タクシー乗っちゃうね。」 と言い、 「はい!私乗ります。(仏語)」とその西洋人に声をかけ、トランクに荷物を積んでいたタクシーの運転手にスーツケースを預けつつ、聞いてみた。
「バスって今日動いてるの?」 「今日は朝から動いてないよ。」
"動いていない"という本当の意味を完全に理解できる前に、私達はタクシーに乗り込んだ。 トルコに向かう予定のポーランド人(タクシーを止めた人)、ギリシャで働いているイタリア人、それと、私。 運転手は、トルコ出身の人。 タクシーの中の4人は、4人の共通語であるフランス語で会話を始めた。
「そういえば、さっきの、バスは動いていないって・・?朝から?」と私。
「朝から路線バスなどは運休だってラジオでいってたよ。」と運転手。
なにー。それ分かってたら、バス停でまだバスを待っている人たちに教えてあげられればよかった。 ちゃんとタクシー拾ってくれるかなぁ。
「でも、バスって大きいから、どっちかっていうと雪でも大丈夫なんじゃないの?」とポーランド人。 運転手は、細い道だとバスは曲がりきれない。というようなことを答えてた。 「どっちにしても旅行者はラジオなんか聞かないからそんな情報わからないよね。」という話になった。
タクシーを止めたポーランド人は、11時半発の飛行機に乗らないといけないらしく、10時半までには空港に着きたいとあせっていた。実は、そのバス停で1時間も待っていてバスが来なくてしびれをきらしてタクシーを拾ったらしい。 空きのタクシーもなかなか来なかったと言っていた。 運転手は、「大丈夫。この調子でいけば、ちょうど10時半くらいに空港に着くよ。」 「よかった。まだ私には運がある!」
「とりあえず、空港に電話しなくちゃ。誰か、電話番号知ってる?」
「私、エールフランスに乗るけど、そのチケットに空港のエールフランスの電話番号は書いてあるかも。」と、私は、ポーランド人にチケットを見せた。
「ありがとう! あ、これで大丈夫かも。」 携帯で電話をかけ、どうやらとりあえず一安心になったようだ。
空港が近くなってくると、私を除く、ヨーロッパ連合に属する彼らは、運転手がトルコ出身なこともあって、トルコのEU加盟における2014年以降の話を論議していた。 そのうちに、ちょうど10時半、ポーランド人とイタリア人はTerminal 1に到着。 私に、「Bon voyage!」と言い残し降りていった。 私は、その先のTerminal 2まで 一人乗せてもらい、タクシーを降りた。
2時間前に着く予定でいたのが、思わぬ展開で2時間30以上前に空港についてしまった。 さて、じゃぁ のんびりパリのシメに、Sandwich poulet(チキンのサンドイッチ)でも食べておきますか。