高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、45年の歴史をもつ共同購入の会です。

9年目のありふれた日々 第8回:家ではゴロゴロ

2019-07-07 09:00:00 | 連載
by S. Y.

第8回:家ではゴロゴロ


台所のテーブルでおやつを食べながら次男(10才)がふと言った。
「ねえ母ちゃん、時計があって、テーブルがあって、ご飯があって、幸せだねえ。」
うんうん、本当にそうだなあ、としみじみ思って、
「本当だね、屋根もあるから雨にも濡れずにすむしね。」と私は答えた。
それから何をしている時が一番幸せかっていう話しになって、
「オレは寝る時かな、夜布団に入って寝る時。ああ、違うな!やっぱりご飯を食べてる時だな!」ですと。
生存の基本的な欲求が満たされているようでよかった、あはは。

心は、放っておくとすぐに過去のことをぐじぐじと考えたり、
未来のことを心配したり、自分や周りに余計な期待をかけたりしてしまうのだけど、
こうして目の前にあることをただそのままに見て、感じること。
目の前にあるもので、今の自分ですでに満たされていることに気づくことが「幸せ」なんだな、と思った。

実のところ次男は、いまだにおねしょをしたり、
爪を噛む癖がなおらなかったり、話す声もなんだか小さくて、
親としては心配もあるのだけど、
毎日学校へ行って友達と遊ぶのが楽しくて、
サッカーも大好きで、朝は自分で起きて宿題をしている。
考えてみたら十分に頑張っていて、そして何より優しいハートを持っている。
だからお家ではゴロゴロしていても、気がつけば漫画ばっかり読んでいても、
できなくても、間違っても、君はそのままでいいよって、
おかげでそう思うことができた、母さんなのでした。

※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知せ』2019年7月号より転載しました。
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