あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

美しい自然を訪ねて 2

2013-07-05 00:06:34 | 旅行
 さて、1日目の宿は、2万坪という広大な敷地に、たくさんのテニスコートやゴルフコースまで持っている「水上高原ホテル200」というホテルでした。豊富なメニューのバイキング形式の食事と、つるっつるっの美肌の湯に大満足。夕食後、ホテル内の白樺林の中を散策しましたが、夕風がここちよかったです。
 
 翌朝、5時に起きて露天風呂へ。遠く谷川岳が見渡せる開放的なお風呂で、
シャキーンと目を覚ま・・・・せなかった。
 またまたバスの中で寝てしまいました。でも、これだけ寝たら、体の方は絶好調。お天気は曇り空。梅雨の最中の旅行とあって、降られるのも覚悟の上でしたが-。

 バスで1時間揺られて着いたところは
 じゃ~ん


 尾瀬でございます。

 ♪ 夏が来れば思い出す 遙かな尾瀬 遠い空

 若い頃から何度口ずさんだことでしょう。ブログを書き始めて「桑畑さん」という群馬の方と知り合いになってから、ますます尾瀬へ行きたくなりました。先月直島へ行った友人と「行こう!」という話になって、周囲があきれるほどの即断即決で来てしまったというわけです。

 本当は山小屋に泊まりたいところですが、初めての尾瀬は、「初心者でも安心」の日帰りのツアーです。
 同じ時間内で短い距離をゆっくり歩く初級と、やや長い距離を速めに歩く中級の二つのグループにわかれ、それぞれ一人ずつ山岳ガイドさんがついています。どちらのグループに入るかは自己判断で。わたしたちは迷わず中級を選びました。
 軽い準備運動の後出発です。
 入り口には靴底をぬぐうマットが置かれていて、靴について侵入してくる他所の植物を防ぐようになっていました。それだけで、ここ尾瀬の自然を守る人々の気概が伝わってくるはず、と思うのですが・・・・

 尾瀬の湿原へは、標高1591メートルの鳩待峠からいったん山の中を下ります。



 うっそうとした山道に細い木道が敷かれていてそこを一列になって進むのですが、小さな草花を見ようとしたり、写真を撮ろうとしたりして木道から足を踏み出す人が何人かいて、そのつどガイドさんに叱られました。
 「木道は、人が歩くためではなく、植物を保護するためにある」って、具体例を交えながら何度もガイドさんが言ってるんだけど。
 ひどいのは、仲間の写真を撮るために木道をふさいでしまい、ガイドさんが見ていないのをいいことに、湿地を通って場所交代をした人。 撮影が終わるのをじっと待っていたわたしは思わず「ああ!」と言ってしまいました。お連れの人が「靴がぬれるよ」って。
 ちがうだろ
 さらに、出発の時ちらっと気になっていたことが現実になりました。
 タウンシューズとスニーカーで参加されたご夫婦。「かかとのあるタウンシューズが一番危ない」とガイドさんに警告されていましたが、歩き始めて10分もたたないうちに遅れが目立ってきました。1キロ歩くのに30分! 平坦地の2倍も時間がかかってる!
 結局そのお二人は添乗員さんに任せて、私たちは先を急ぐことになりました。

 途中で水芭蕉を見つけて私たちは大興奮。でも、花は終わっていたのです。


 ああ~、やっぱり遅かったのかなあ。6月中旬を過ぎたばかりだから、多少は残っていると期待して来たんだけど。
 「水芭蕉はもう99パーセント終わり」と素っ気ないガイドさん。ええ?期待できるのは1パーセント?

 尾瀬の魅力はあの広大な湿地にある、くらいの知識しか持ってなかった私。湿地に降りるまでの山歩きも十分楽しいと言うことを知りました。谷川岳で見たのと同じような高山植物にも出会えたし、カッコウやコマドリの声を聞くこともできました。木道の整備された道は歩くのも快適。何より疲れて膝が笑うことなくしっかりと降りられるのがいい。

 山の鼻ビジターセンターで一休み、いよいよ尾瀬ヶ原のハイキングです。



 広い湿地にどこまでも続く木道。おかげで私たちは気持ちよく歩くことができます。でも、うっかりよそ見をしたら足をはずしそう。
 空は曇り。99パーセントUVカットの帽子は背中のリュックにくくりつけたまま。カッパとフリースのカットソーと、タオルと、薄手のナイロンジャケットもリュックの中。汗がだらだら落ちるほど暑くはなく、寒くもなく、全天候対応の装備は全く出番がありませんでした。
 すごいじゃない? 来る前は台風来てたんですよ。
 帰る頃には霧が晴れて燧岳の全貌が見られました。



 ええと
 進行方向の先に燧岳 後ろに至仏山だったと思いますが、写真を見ると区別がつきません。行きも帰りも同じ場所を撮っちゃったもので。

 池塘(ちとう)



 白樺の白、三つ葉つつじの赤、きれいです。

 

  そして



 水芭蕉!
 
 さらに水芭蕉



 もっともっと水芭蕉



 ガイドさん、だましたわね。 うれしいウソでした。

 がんばって遠くまで歩くつもりだったわたしたちですが、結局初級コースの人たちと同じ「牛首」の分岐点までしか行けずに引き返しました。これがちょっと悔しい

 ビジターセンターまでもどっておにぎりのお弁当を食べ(ほかのツアー客はもっといいお弁当食べてたゾ。でも、おにぎりはおいしかった)、
 周辺の研究標本園をぐるっと回って帰りました。 狭い木道を並んで歩いている間は立ち止まることができず、写真も歩きながらの撮影でしたが、 ここまで来てやっとしゃがみこんで写真を撮る時間が持てました。かわいい草花の写真はまた明日。

 帰り道、地獄といわれた登り道は思ったほど苦しくはなかったです。ただ途中からメンバーがばらばらになりはじめて、わたしも少し遅れてしまいました。やばい、最後かもしれないと少々がんばったときに息が上がったくらいで、追いついてみればまだまだ後ろに大勢いたのです。その人たちを待つ間に息は整いました。
 その帰り道で貴重な体験。


 
 何かわかりますが? 木立の向こうにちいさくヘリコプターが見えるでしょう?
 実は、これ、救助ヘリなんですよ。どうもけが人が出たらしいです。
 つり上げる瞬間もばっちりカメラに納めましたが、さすがにそれはお見せするのは遠慮しておきます。
 午前中は天候が悪く、事故が起きてもヘリはでないと言っていたのですが、天候はだんだんとよくなってきたのです。ヘリがでないときは、木道をタンカで運ぶのだそうです。費用は一人3万円、交代要員も雇わなければならないので30万円くらいかかるんだとか。そして、事故に遭うのはきまってガイドのついてないツアー客だそうです。

 わたくし、思うにですね、昨日の谷川岳のように、本来なら簡単には行けない場所にも今は誰でも行けるし、旅行会社も簡単に行けるようなキャッチフレーズで誘うわけですよ。それで、街の観光地と同じ感覚でやってくる人もいるんじゃないかと思います。
 そういえば、いましたね。スニーカー不可とちゃんと書いてあったし、添乗員さんから、自分の体力にあったコースでと説明もされたのに軽装備で来て無理をする人。
 
 尾瀬をなめちゃいかん。

 さらに、自然保護については、配られた文書だけ読むとか、ガイドさんが歩きながらとかの説明では十分に理解しない人も多いのではないかと。
 出発前に30分でもいいから自然保護と安全についてのていねいなレクチャーがあったらいいのではないかと思いました。

 ともあれ、けがもなく、他の人に迷惑をかけることもなく帰ってこられてよかったです。
 さらにさらに・・・・お天気最高  
                                    つづく

 
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする