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天冥の標Ⅶ 新世界ハーブC


 小川一水  早川書房

 第6巻から直結する続編である。救世群は原種の冥王斑ウィルスをばら撒くという禁じ手を使った。そのため冥王斑非感染者のほとんどが死滅。小惑星セレスの地下に20歳以下の子供ばかりが生き残った。その数5万人。
 10代の子供たちが、リーダーを決め、役割分担を決め、食料を生産し、エネルギーを都合して、必死に生き残ろうとする。幹部となった子供は、重い責任とシジフォスの苦行にも似た仕事に追われる。リーダーに反抗して戦いを仕掛けてくる者もいる。救世群の大人も狙っている。
 それから年月が流れた。子供たちも年老いた老人といっていい年になった。そして「子供たち」が築いたこの地は「メニーメニー・シープ」という。そう、このⅦ巻はⅠ巻へとつながるのだ。
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負けの左手


類似書 アーシュラ・K・ル・グィン「闇の左手」

 遥かな過去に放置された人類の植民地コーシエン。雪と氷に閉ざされたコーシエンは忘れ去られた惑星である。でも、この惑星でも、遺伝学の実験の落し子が生きていたのである。
 奪三振に特化して進歩したノーミはバレに打たれただけだったが、コーシエンのミュータントたちはどうしたわけか、ホームへのDNAが抜け落ちていた。ハイセンショリのピッチャーも火に油。
 植民地コーシエンを訪れた外交団はあきれて帰って行った。
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