比叡山延暦寺の守護神、日吉神社の赤い鳥居の前から左に折れて歩くと、
やがて、比叡山高校の門前にでます。
「一隅を照らす」の看板が立っています。
暮れも押し迫った頃でしたが、
高校生が校門の坂道で、掃き掃除をしていました。
そういえば、日光東照宮の原形と言われる日吉東照宮の石段でも、
高校生が落ち葉を掃き集めていました。
滋賀院門跡に並んである宗務庁は、「一隅を照らす運動本部」でした。
宗派あげて取り組んでいる運動なのですね。
高校生も、「一隅」を立派に照らしていました。
その姿を右手に見ながら深い川沿いに登っていきます。
白い重厚なビルが、比叡山ケーブルのケーブル坂本駅です。
「比叡山鉄道、ケーブル坂本駅舎」、
文化庁の「登録有形文化財」に指定されています。
昭和2(1927)年開業のケーブルカー。
定員140名。
ケーブル坂本駅とケーブル延暦寺駅間、2,025m。
日本一の長さです。この間を、11分で結んでいます。
発車時刻は、駅の正面にも書かれているように、
毎時0分と30分でした。
標高差はすごいです。
ケーブル坂本駅は標高170m、ケーブル延暦寺駅は標高654m、
標高差、484m。
東京タワーをはるかに凌いでいます。
ちなみに、スカイツリーは、634mでしたね。
ケーブルについての説明はていねいです。
入り口脇のテレビでは、常時ケーブルカーの説明が流れていますし、
掲示板でも、こまめに情報を知ることができます。
現在の気温は、写真を撮影する直前に更新されました。
5度違うんですね。さすが、標高差484mです。
ケーブルカーの豆知識。
これは、映像でも説明されていましたが、
2つの駅間に、ケーブルを支える滑車が488個、
7カ所の橋梁と、2つのトンネルがあるそうです。
ちなみに、経営母体は京福電鉄。
今は京阪電鉄のもとにある叡山電鉄も、
確か、かつては京阪電鉄の子会社でしたよね。
嵐電に叡山電鉄、そして比叡山ケーブル、
いずれも、個性あふれる鉄道です。
ケーブルカーを管理、運営する人たちの
ケーブルカーに寄せる思いが伝わってくるような、
ほのぼのとした駅でした。