風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

妙子

2011年08月04日 | 雑感

なんか久しぶりに夏らしい夏のような気がします。
冷夏だとか、猛暑だとか、極端な季節の変遷ですが、今年の夏は夏らしい感じがします。
ちゃんと蝉が鳴き、ちゃんと入道雲が空に湧いてます。

高校生の頃、ロッテリアでアルバイトをしました。
遊ぶお金が必要だったからです。
ロッテリアでアルバイトすること自体が遊びでしたが。
男子校でしたから、若い同年代の女の子がすぐそばで働いているわけです。
まぁ、いろいろありました。

入れ替わり立ち替わりシフト交換で、職場の女の子が替わるわけですが、
日曜日の昼間だけに来る子に妙子という子がいました。
その頃のぼくは、なんといっても男子校の柔道部で、好みの女の子に対しては声をかけることさえ出来ませんでした。
その頃のぼくの好みの女性というのは、育ちの良さそうな、おとなしい女の子でした。

妙子さんは市内のどこかの短大に通っているということでした。
強いていえば、美保純を湧き水で洗って、アーカンソーの草原の日の下で干し上げたような人でした。
ぼくは厨房にいて、フライドポテトをつまみ食いしながら、てきぱきと接客する彼女の姿を、背後から眺めていました。
その他の女の子とはひっきりなしに食べに行ったり飲みに行ったりしていましたが、彼女とは一回もそういう機会がありませんでした。
そういう機会がなければないほど、彼女に対するぼくの視線は熱くなっていました。

そのうち、あっという間にぼくも高校の卒業の時を迎え、ロッテリアも卒業することになりました。
そんなある日の何かの機会に、アルバイトのみんなで飲み会をしました。
妙子さんは参加しませんでした。
東北で一番の進学校である女子校を卒業する子が、進学せず看護婦になると皆の前で宣言しました。
その子はとてもきれいな子で、よく気がつき、大人びていました。
強いていえば、安達祐実をうんと上品にし、縦に伸ばした感じです。
皆が酔っていて、その中で彼女と言葉を交わしたのですが、なんだか彼女はぼくに好意を寄せていたらしいということでした。
彼女とはまともに言葉を交わしたこともありません。
ぼくはといえば、厨房の中では冗談ばかりを言って、ヒマさえあれば余り物をもぐもぐと食べ、
どす黒い顔の色をした店長に叱られてばかりいました。
それでも、冷えたものは売り物にならないから、余ったものは食うというのがぼくのルールでした。
まぁ、それは置いといて、ぼくはその安達祐実に似た子に特別な興味を持って視線を送ったことはありませんでした。
興味がないというよりは、ぼくなどがお相手できるヒトではないとはじめから想定外に彼女の存在を追いやっていました。
ぼくと彼女の高校は、広瀬川を挟んで、ほぼ対岸のところにありました。
でも、もう、彼女と言葉を交わすチャンスは、その飲み会が最後であり、二度と訪れる可能性はありませんでした。
その春、ぼくは東京行きの電車に乗りました。

で、そういうこともありながら、ぼくの胸を去来するのは、美保純似の妙子さんの笑顔でした。
看護婦になりたい安達祐実似のその子ではありませんでした。

まぁ、そんなものです。
なんでこんな話をしているのかというと、youtobeで拓郎の動画を漁っているうちに、
「たえこ My Love」という懐かしい曲に行き当たったからです。

http://www.youtube.com/watch?v=6H4tUvICdgc&feature=feedf

それだけの話しです。

それだけの話しを積み上げるのが人生です。
それだけの話しではあるのですが、それだけでは収まらないのも人生です。
話しを無理矢理まとめました。


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