風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

ノスタルジー

2017年04月26日 | 雑感

晩年の父親は童謡大全集みたいなLPを大音量で聴いていました。
「赤とんぼ」とか「雨降りお月さん」とか「ずいずいずっころばし」とか。
戦前からある歌なので、おそらく自分の幼少期に思いをはせていたのだと思います。
ぼくも童謡は好きなので苦にはならなかったが、近所の人たちは苦痛に感じていたのかもしれません。

タルコフスキーの「ノスタルジア」という映画がありました。
きわめて個人的なそしてヨーロッパ的な、もの哀しい映画でした。
そのもの哀しさ具合が、日本とは違いました。
日本的なもの哀しさはカラスの七つの子に対する哀れみであり、赤い靴を履いた女の子に対する哀れみでした。
それに対して、ヨーロッパの人たちの哀れみというのは、没落していく貴族階級の哀れみだあったり、
自分のルーツが消えていく運命の哀しみでした。

ぼくは辛うじて父おそらく父親が持っていただろうノスタルジーを共有できると思っています。
裏山でむやみに歩き回るとか、川で手づかみでオイカワを捕るとか、夏の夕暮れ時に意味もなく哀しくなるとか。

「菊の香や 明治は遠く なりにけり」

という句がありました。
名句です。
昭和を懐かしむにはどういう句がふさわしいのでしょうか。

ちょっと考えて見ます。

思い出と ともに舞い散る 桜かな 

失礼しました。

 

 

 

 


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