風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

ゆめうつつ

2005年04月09日 | 
ささやきに満ちたこの世界で
どうして一つの声だけに耳を傾けてきたのだろう。
無限の色彩が点滅する世界で
どうして一つの色ばかりを見てきたのだろう。

幻がリアリティで、現実が夢なのだと知ったのは昨日のことだ。
もの悲しい夢ばかりを見てきたのだ。
リアリティには限界がなく、夢には捨て子の習性が染み付いていた。
目覚めながら夢を生き、昏睡の中でリアルを生きるのだ。

立ち昇る世界の螺旋は数式には還元できないから、
数学者の骨ばった触手は格子模様を探して、虚空をまさぐる。
格子の隙間からあらゆるものの息遣いが漏れ出しているのにも気がつかない。
彼らは、時間と空間をサディスティックに、刃こぼれのしたナイフで切りとり、味見する。

サディスティックでいることは面白いに決まっている。
支配のためのゲームは興奮する。
世界の支配は遺伝子に組み込まれた無謀な夢。
粗暴な意志が無謀な夢にもてあそばれる。

目覚めた人はどこへ消えてしまったのだろう。
目覚めた人が集まる場所があるのだろうか。
目覚めた人は夢の中には居られないから
取り囲まれた幻の中でどんな夢を見るのだろう。

もしかすると、われわれは、万物は目覚めた人の
幻の中で見る
夢なのかもしれない。
たしかにその人の息遣いは感じられるのだが。

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