All Photos by Chishima,J.
(トビ 2008年2月 北海道中川郡幕別町)
今月の頭、所用で2日ほどオホーツク海に面したある町に出かけた。移動中久しぶりに目にしたオホーツク海を埋め尽くす流氷も印象的だったが、私にとって更に印象的だったのは、トビをまったく見かけなかったことであった。2日間という短い期間とはいえ、海岸や河川沿いの平地、丘陵地など、いかにもトビが好みそうな環境を巡り、オオワシやオジロワシは少なからぬ数見たにも関わらず、トビには出会わなかった。
流氷原
2008年2月 北海道北見市常呂町
以前、道北出身の友人から「道北ではトビは夏鳥」と聞いたのを思い出した。気になっていくつかの文献を調べると、道北だけでなく内陸部でも冬に一時的にいなくなる地方があること、またサハリンや南千島などでは季節的に漂行してくる鳥であることなどがわかった。そういえば、晩秋の根室地方で百羽以上のトビが、恰も渡ってゆくかのように上昇しながら西方へ飛んでゆくのを観察したことがある。十勝でも、きちんと数えているわけではないが、秋から冬にかけて、特に海岸部で数が増えるような気がする。北海道で標識されたトビが、本州で再確認された事例もある。もしかしたら今回訪れた町は、冬にトビが渡去してしまうエリアなのかもしれない。
「所変われば品変わる」とは、よく大きく離れた地域間の違いに用いられる言葉であるが、僅か200㎞ちょっと離れた道内でも、こうした違いがあるのだから面白い。来月頭に同じ町を再訪することになっている。はたしてトビは戻って来ているだろうか、それともまだ不在のままだろうか。
トビ
2008年2月 北海道中川郡幕別町
河口のトビ
2007年11月 北海道中川郡豊頃町
弱ったサケでも打ち上がるのか、この日の河口にはトビもカラスもカモメ類も多かった。
(2008年2月24日 千嶋 淳)
オホーツクで冬いないのは、ひょっとして流氷で閉ざされて漁港に水揚げが無いからとか思ったけど、そうでもないようですね。
ある程度以上の人が住んでいて、ゴミ処理場や畜産廃棄物の出る施設等が必要なのかな。
トビ、いました。しかも、多い場所では10羽以上。
やはり先月観察できなかったのは、偶々ではないようです。
夏鳥が帰って来るまでにはまだ暫くありますが、このような春の兆しもあるんですね。