Photo by Chishima, J.
(十勝が丘展望台 2014年10月 北海道河東郡音更町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん 2015年9月16日放送)
秋は鳥たちの渡りの季節。岬や山の突端など上昇気流の発生しやすい場所でタカやハヤブサの仲間が群れをなして渡るのは人目を惹いたらしく、古くは旧約聖書のヨブ記にも記述があるほか、松尾芭蕉も愛知県の伊良湖岬でタカに関する句を詠んでいます。
十勝にはタカが大群を作って渡るような場所は今のところ見つかっていませんが、小規模な渡りは各地で見ることができます。その一つが音更町にある十勝が丘展望台です。長流枝内(オサルシナイ)丘陵の南西端に位置し、標高150~200mの緩やかな丘陵は、ここから一気に十勝川に向かって落ち込み、対岸の幕別丘陵まで平野が広がります。
そのため、丘陵地帯を渡ってきたタカがここで高度を上げ、さらに南へ渡って行くのです。一度に観察されるのは1~数羽ですが、ハイタカやノスリ、ハチクマ、クマタカなど、シーズンを通じて10種類以上のタカやハヤブサの仲間を観察できます。清々しい朝の空を、ハクチョウや小鳥の群れが飛んで行くこともあります。
そして、この場所の最大の魅力は素晴らしい展望です。眼下の十勝川温泉や十勝中央大橋はもちろん、十勝川と札内川の合流点、帯広市街、芽室嵐山などを望む奥には日高山脈の山並みが連なります。これらを一望しながらコーヒーや紅茶を嗜むのは、何にも代え難い贅沢と言えましょう。
NPO法人日本野鳥の会十勝支部では毎年、9月23日にこの展望台でタカ渡り観察会を開催しており、今年も行います。午前7時半から正午までの自由集合・自由解散の緩やかな集まりで、好きな時間に展望台に来て鳥を見たり、ティータイムを楽しんだりします。申し込みは不要で、会員以外の参加も自由ですので、お時間のある方はお好きな時間に展望台にお越しいただき、優雅なひと時を味わってみませんか。質問や問い合わせは、090‐4871‐9480(千嶋淳)までお願いします。
(2015年9月13日 千嶋 淳)
→観察会は無事終了しました。参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。
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