走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

本質を見極めるコツ

2006年08月04日 22時31分45秒 | その他
 今朝、あることが発生し、担当者を集めて、その対応策についてどのようにするべきかを問いかけた。
 「こういうケースの場合は、前例からいうとこれこれこうです。
  そして、それで対応できない場合は、こうします。」
百点満点の回答である。
 でも、天邪鬼の私は、心の中で「待てよ、本当にそれでいいのかい。」と、自分に問いかける誰かがいた。
 「じゃあ、君たちが言うのは、前例がこうだったからこうするという、
  踏襲主義的な発想だね。
  でも、なぜ、そういうことになったのか、実態を調べないで早急に
  答えを出す。それでいいのか。それじゃあ、心がこもった対応と
  いえないんじゃないか。」
最後は、少し語気が荒くなった。自分でも感情的になりすぎたなとも、思った。
それは、私よりも能力がある部下たちだからこそ、余計に腹が立ったのかもしれない。内心、まず、前例踏襲するのではなく、「なぜ」からスタートしてほしかったからだ。
 今、私たちは、現状を打破し、市民に立った行政サービスに立ち戻るということを目指し、がんばっている時期だからこそ、語気が強くなったんだと、後で、自分に言い聞かせた。
 そして、昼食時に、私たちに心がないなんて言わないで下さいという、メッセージが伝わってきた。
誰もそんなことは、感じたこともないが、私の言動が、彼らに十分伝わっていなかったことに気づいた。
 そこで、こんな話をしてみよう。
 ある時の美術の時間。生徒は30名。
 課題は、石膏でできた立方体をデッサンするというものであった。
 生徒たちは、色々と見回し、好きな角度からデッサンを始める。
 そして、美術教師から、時間が来たことが告げられた。
 出来上がった作品の寸評が始まった。
 美術教師は、一言、「この中で真のモデルを描けている作品は一点しかない。
 これです。」
 でも、その作品は、どうみても上手な作品とは、お世辞にも言えない。
 ある生徒が、「なぜ、その作品だけが本物なんですか?」と質問した。
 他の生徒も同調した。
 教師は、「そこの君、その作品を持ち上げて御覧なさい。」
 生徒は、恐る恐るその立方体を持ち上げると、思わず「あ!!」と言った。
 そして、その生徒は、下敷きになっていた面を皆に見えるように回した。
 空洞になっていた。他の生徒も驚いた。
 「そうです。このモデルを実際に手にとって見たのは、私が認めた作品の
  彼だけなのです。」
 本質を見極めるコツは、この話に凝縮されていると思いません?