教育委員会当時に、社会教育という立場で「キッジョブ(キッズとジョブの造語)」という、職場体験活動を起こしたことがある。
少なからず、子どもたちの職業観の役に立てるのは学校教育よりも社会教育の方ではないかという持論があり、部下が嫌がるのも聞かず事業化してしまった。
そのせいか長続きしなかった。
ベネッセのニュースを見ていて次のようなものがあった。
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「職場体験活動」のために授業削っても、中学生の学力に影響なし
多くの中学校では現在、キャリア教育の一環として、地域の企業や事業所などで実際に働いたり見学したりする職場体験活動が行われている。
文部科学省はこの活動について、充実した体験を子どもたちにさせるために“5日間程度”の期間を確保するよう推奨しているが、実際には“2~3日間程度”という中学校が多いようだ。
そうなってしまう理由、そしてキャリア教育がもたらす学力向上の面での有効性について、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏が解説する。
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職場体験活動の日数があまり増えない背景には「限られた授業時間数を職場体験に充てれば教科の授業が減り、学力が低下する」という懸念が学校現場に根強くあるからだと指摘する声があります。
保護者としても、学校で授業をせずに企業や事業所などで何日間も体験活動をさせるというのは、やはり学力低下への不安が隠せないところでしょう。
ところが、2010年度の中学校における各都道府県の職場体験学習の平均実施日数と、全国学力テストの平均正答率を比較した結果、職場体験活動の実施日数が長い都道府県ほど平均正答率が高いということがわかりました。
職場体験活動の平均実施日数が「5日」の都道府県と、「2日未満」の都道府県の2つのグループに分けて、全国学力テストの平均正答率を比べたところ、基礎的知識の正答率は、「5日」のグループで国語が平均76.3%、数学が平均67.0%だったのに対し、「2日未満」のグループは各74.2%、62.8%。活用力でも「5日」のグループは国語が平均66.9%、数学が平均46.4%なのに対して、「2日未満」のグループは各64.1%、41.5%。「5日」のグループの平均正答率はどれも全国平均を上回った一方で、「2日未満」のグループは逆にすべて全国平均を下回っています。
また、中学生全員が職場体験に参加する都道府県は、そうでないところよりも平均正答率が高い傾向があるということも明らかになりました。
この結果について国立教育政策研究所は、「『職場体験活動をすれば学力が向上する』といった因果関係を実証するものではない」と慎重な見方を示し、キャリア教育全体の新しい調査が必要だとしています。
しかし、「『職場体験活動は学力の向上を阻害するのではないか』との懸念は払拭された」とも同研究所は断言しており、職場体験活動のために教科の授業時間数が減っても学力面でのマイナス効果は出ないということは間違いないようです。
出典:職場体験活動には学力向上の効果も!? - Benesse(ベネッセ)教育情報サイト
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学校現場にはさまざまな事情があります。
こういうときこそ、社会教育の部署がサポートしてもいいのではないかと私は思います。