走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

銀の匙(シルバースプーン)

2013年01月21日 00時24分21秒 | 読書

 最近、休日の前にレンタルビデオ店で漫画(アニメ)も借りることがある。
 最初はそのシステムがわからなかったので、自然にそのコーナーから足が遠のいていたが一度借りてみると、昔の「貸本屋」である。

 きっかけは愛媛新聞に掲載されていた「銀の匙(シルバースプーン)」の評論を読んだからである。
 読みはじめると、あっという間に5巻いっぺんに読んでしまった。

 構成が面白い。
 最新のマーケティング理論が盛り込まれている。
 六次産業化の発想も、現代農業の現状もである。

 ストーリーも面白い。
 いつの時代も夢を持たない若者はたくさんいる。
 そのことすらなんとも思わない若者がたくさんいる。

 無機質な生き方に対して、こうあるべきだ的な展開でもない。
 読み手がどう受け止めて、どう考えるか、その余地を残してくれているような気がする。
 最近のアニメも捨てたもんじゃない。

 ぜひ、一読を!!

玉に瑕(きず)

2012年05月09日 21時29分21秒 | 読書
 若い友人たちと二週間に一回ペースで早朝に読書会を行っている。

 要領は、小難しい本を選び、各章ごとに担当を決め、その内容をわかりやすく整理しレジメを作成、その担当者が発表するというものである。
 今回もなかなか難解であった。

 最年長ということもあり、若い友人ほど理解できない(もともとデキがよくないせいか...)
 自分の番が回ってきたときは、咀嚼できないため、一ヶ月くらい待たせてしまった。

 それでも十分に理解できていなかったような気がする。
 本当に申し訳なかった。

 でも、気づいたことがある。

 以前だと、わからないときでもわかったようなフリをしていたが、年を増してくると正直に「わからないから待ってください」と正直にゲロできるようになった。
 本当に不甲斐ないとは思うが、いたしかたない。
 わからないことは、わからないと正直に言うことにしている。

 弱音や本音を言える。
 どうやら若者の特権というよりは、年寄りの特権かもしれない。

 なんとか若い友人たちについて行くというよりも、引っ張ってもらいながら、もう少し勉強をしようと思っている。
 残念なことに、成長の跡が見えないのが「玉に瑕」である。

生かされていることの素晴らしさ

2011年08月14日 21時05分21秒 | 読書
 お盆である。
 墓参りも家族ですませた。

 ある方と、東北大震災の方々のための雇用促進策についてアイデアが湧いたので、ポンチエにして送った。
 同調してくれる。
 内容は、夢破れ、心萎えている被災者の皆さんが、全国の困っている人たちを勇気付けるという提案である。
 ポンチエを描いたものの、さて形にしていくにはどうすべきか、漠然としている。

 また、どこかで「こんなこと考えなきゃよかった」と思うに違いない。
 でも、ぜったいに実現したい。

 相談した方から、懐かしい五木寛之の「大河の一滴」を引用され、今、自分が「生かされている」ということを思い起こさせてくれた。
だからこそ、世の中のためになること、世の中に受けた恩を返すこと、改めて教えていただく。

 「大河の一滴」は15歳で叔父が自殺し、17歳で父が仕事中の事故で死に、22歳のときに親友が当時は不治の病であった「リンパ腫」で亡くし、「死」とは何か、「生きる」とはどういうことかもがいているときに出会った一冊である。

 自分の「死生観」というものがあるとしたら、おそらくこの頃にできてきたと思う。
 同時に、そこから出てくる「生きる」という情念にも似た思いと、生かされているということ自体に感謝する思いができてきた。

 今まで、私自身もさまざま壁にぶつかり、時に「心萎え」ながらもなんとか乗り越えてきた。
 でも、すべて自分の力ではない。
 むしろ、時間であったり、他力によるものである。

 改めて、なぜ、今、自分が「生かされている」のかを考えつつ、これからの人生を生きていこうと思う。

下町ロケット

2011年08月11日 22時52分43秒 | 読書
 久しぶりにKさんからメールが来た。
最近、直木賞(第145回)をとった「下町ロケット(池井戸 潤 著)」を読んで感動したから読めと言う。
そして、その中の主人公がお前とどうしてもダブってならないと。

 本当に大きなお世話である。
 この小説を読んで、例え主人公が自分に似ていたとしても何になるのかと思うのだが、お盆の間、どうせ暇だから読んでやろうと思う。
本当におせっかい焼きのKさんだが、そんなおせっかい焼きのKさんが好きだ。
どうせ、夫婦でこの本をまわし読みしながら、竹プーに似とるとか何とかいいながら笑いものにしたに違いない。
本当に似たもの夫婦である。

 読む前に、あらすじを読んでおこうと下の記事をインターネットから引用した。
結構、面白そうだ。
皆さんもお盆が暇なら読んではいかがだろうか。


 主人公・佃航平は宇宙工学研究の道をあきらめ、東京都大田区にある実家の佃製作所を継いでいたが、突然の取引停止、さらに特許侵害の疑いで訴えられるなど、大企業に翻弄され、会社は倒産の危機に瀕していた。
 一方、政府から大型ロケットの製造開発を委託されていた帝国重工では、百億円を投じて新型水素エンジンを開発。
しかし、世界最先端の技術だと自負していたバルブシステムは、すでに佃製作所により特許が出願されていた。
宇宙開発グループ部長の財前道生は佃製作所の経営が窮地に陥っていることを知り、特許を20億円で譲ってほしいと申し出る。
資金繰りが苦しい佃製作所だったが、企業としての根幹にかかわるとこの申し出を断り、逆にエンジンそのものを供給させてくれないかと申し出る。
 帝国重工では下町の中小企業の強気な姿勢に困惑し憤りを隠せないでいたが、結局、佃製作所の企業調査を行いその結果で供給を受けるかどうか判断するということになった。
一方、佃製作所内部も特に若手社員を中心に、特許を譲渡してその分を還元してほしいという声が上がっていた。
 そうした中、企業調査がスタート。
厳しい目を向け、見下した態度をとる帝国重工社員に対し、佃製作所の若手社員は日本のものづくりを担ってきた町工場の意地を見せる...

【著者紹介】*********************************************************

池井戸 潤

 1963年岐阜県生まれ。
 慶應義塾大学卒業後、三菱銀行(当時)入行、95年退職。
 98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し小説家デビュー。
 10年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を受賞。
 第145回直木賞受賞。


県庁おもてなし課

2011年08月10日 23時18分01秒 | 読書
 タイトルは有川浩さんの小説で、高知新聞などの連載で話題を呼んだ作品を単行本化(角川書店 \1680)したものだ。
高知県庁に実在する「県庁おもてなし課」の職員が、お役所意識と民間感覚の狭間で揺れ動きながら観光立県を目指し奮闘するというもの。

 思えば、私も経済部門にいたときには個人的には「脱・お役所意識」を掲げながら、いかに民間感覚をつけていくべきなのか悩んだ時期があった。
まず手がけたことは、民間企業のまねをしようとした。
最初にしたのは、素敵な経営者探しだった。

 共通していたのは、トップ自らが玄関まで見送ってくれることだった。
そこで、お客様が帰られるときにエレベーター前まで見送っていき、ドアが閉まるまで頭を下げるようにした。

 たったそれだけで、次に訪ねてこられるときには、ずいぶんと打ち解けてくれるようになった。
やったのは、たったそれだけなのに...
しかし、相手にとっては「所詮、お役人さん」的なイメージが払拭されてしまうような行動だったのである。
いわゆる「偉そうな」というイメージの打破である。

 次に、こちらのヤル気を見てもらうために、その当時、共通して云われたのは、「支援制度がわかりにくい」、「支援制度が使いづらい」、「手続がめんどくさい」、「お金が出るのが遅い」ということだった。
そこで、制度を当時、けん引役になりそうな分野に合わせて整備しなおし、制度ごとにリーフレットを作り、それをフォルダー式のものにまとめることにした。
そして、キャッチコピーは「松山は本気です」

 それは、どの行政に行っても「ヤル気が見えない」という批判からだった。
ならば、本気モードを見せようじゃないかという覚悟にも似たキャッチコピーだった。

 民間感覚を誤解している人がいて、助成金は多ければ多いほどいいと思っている人たちがいる。
でも、その発想はやはり「お役人」的発想なのである。

 民間にとっては、一年むこうにいただける一千万よりも今いただける五百万の方がいい場合がある。
お役人には、時間コスト感覚が乏しい。
ということはキャッシュフロー感覚が欠如し、バリュー・フォ・マネー(お金の価値)を考えないという致命傷を負うことになる。

 つまり、民間感覚とは、相手の会社の経営者に自分がなったと仮定し、何をどうすればありがたいかを感じるかにある。
 今、景気は当時よりもますます厳しくなっている。

 ただ、私が経済部門に行ったときもこれ以上どん底の景気はないだろうと云われていた。
 そうした環境の中で、必死でもがいてみた。
 「今更、企業誘致をしても来る企業なんていない」と冷笑された。
 でも、がんばれば何とかなることを少しは示すことができたと思う。

 何よりも大切なことは、投げ出さないこと。
 「参った!」と云わないこと。
 黙々と汗をかくこと。
 常に情熱を持って取り組むこと。

 すると、誰かが助けてくれるようになり、それが波及すれば大きな力になっていく。
 
 自分だけの功名に走る人には、誰も助けてはくれないので要注意である...

  

併読・乱読

2011年05月14日 14時23分16秒 | 読書
 今年のゴールデンウィークは長かったので、併読(自分で勝手にそう読んでいる)を始めた。
例によって無茶読みとも言える4冊同時読みである。

いかに自分の性格が注意散漫型で、支離滅裂な人格であるかがわかる。
そして、八方美人タイプだということも...

同時読みを始めたのは定かではないが、気がついたら複数の本を手にすることが多かった。

 併読するには日常の細切れ時間を上手に活用しないと読み終わらない。
そこでできる限り持ち運びやすいように小さく(文庫本サイズが理想)薄いものを意識して選んでいる。
重量感のある本は、自宅に置きっ放しということになる。

 でも、この併読手法をやめない理由は、実は一冊一冊別に手をとるのであるが、いつしかそれぞれの共通項みたいなものを見つけ出し、自分ひとりで納得しているからである。
共通項を見つけ出す意義があるのかというと、そんなにたいしたことではなく、読んでいるうちにふっと「よく似たフレーズがあったような」程度である。
そういえば、本を探すときは、そのとき困っていることや解答を探していることが頭の片隅にあって、それを導き出せそうなものを選んでいるような気がする。

 ちなみに今読んでいる本の内容は、
 1.コミュニティビジネスに関するもの
 2.コミュニケーション手法に関するもの
 3.人生訓に関するもの
 4.モチベーションアップに関するもの

 ね!ヘンテコでしょう...


活字に枯渇

2010年01月10日 01時54分36秒 | 読書
 三連休、書店に行く。
 無性に活字が欲しくなった。
 腹をすかした子どものように、なぜか急に活字が欲しくなった。

 でも、何を読むかは決めていなかった。

 自然と歴史小説のコーナーに立つ。
 メインにあったことと、コーナーの本の量が多かったからだ。
 目移りする。
 何にしようかと迷った挙句、次の本を買った。

 「のぼうの城」 和田 竜 著/小学館

 「天地明察」  冲 方丁 著/角川書店

 「花宵道中」  宮木あや子 著/新潮社

 それにビジネス誌を2冊である。
 よくよく考えるとこの三連休では読みきれないなあと思いながら、またやってしまったと自責の念。

 一貫性のない自分の読書傾向に諦めながらも、読破しようと読み始めた。