走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

いじめの対応について(その2)

2012年08月23日 21時37分39秒 | いじめ関連


 いじめが発生するメカニズムを考えたことがあるであろうか。

 わかりやすく火事に例えていうと次のような感じであろうか。

  1. まず焦げ臭いにおいがする

  2. 煙が見える

  3. 火の手が上がる

  4. 大炎上する

  5. 鎮火する

 これらを踏まえながらいじめに当てはめると

  1. いつもの雰囲気とちがう子どもがいる

  2. 一人でいる機会が多くなった子どもがいる

  3. 休みがちになった子どもがいる

  4. 学校に来なくなった若しくはいじめが顕在化した

  5. 学年の終了若しくは卒業が来た(これは鎮火とはいわないかもしれない)

 上記の各ステップで私たち大人はどのような行動をとっているのだろうか。
 消防局の人たちなら、次のような行動をとる

  1. 徹底した予防活動に努める

  2. 火災報知機の取り付け義務を付した法律をつくり、普及に努める

  3. 消火器を常備させるとともに使い方についての講習会を開催する

  4. 迅速に消防自動車を呼べる仕組みづくりと短時間で消し止める環境整備を行う

  5. 火災の原因追求をし、再発防止に努めるための措置を講じる

 これに対して、いじめに対する行動は5の大炎上してからの対応からしかとっていないような気がする。
 そして、最後は時間切れまで待つといった感じか...(無責任な言い方をしてすみません)

 大切なことは、できるだけ発生しないよう予防すること。
 次に少しでも早く初期消火に努めること。
 そうすれば消防自動車を呼ばなくてもすみます。

 スウェーデンでは、予防に対しては、子どもたちのスキンシップを増やすことで、相手に対しての愛情が深まるような取り組みをしています。
 (※これを活用したのが本市で導入した「キッズ・タクティール」です。)

 また、学校内に巡視スタッフがいて、休み時間に巡視活動をしながら、「いじめの芽」の早期発見に努めています。
 そして、見つけた場合は当事者同志で話し合いをさせ、再発しないよう努めるのです。
 それでも解決しない場合は、お互いの親を呼び、当事者を交えて話し合い根絶に努めます。

 かつてわが国でも先生たちが休み時間でも教室に残り、何か仕事をしていたような気がします。
 そうすることで抑止効果にもなったし、先生自身も子どもたちの変化を読み取っていたような気がします。
 今は、先生たちにそういったゆとりがなくなってきたような気がします。

 しかし、先生たちの授業以外の事務量が増えてきています。
 関係ない話かもしれないが、この事務負担を減らす工夫からはじめないと根本的な解決にはならないような気がします。
 それには、教育現場の業務のIT化を進める必要もあるでしょう。
 つまり、先生がもっと子どもたちと向き合う時間をつくる必要があると思います。

 また、スウェーデンのように学校内に巡視スタッフを配置する時機に来ているのかもしれません。


  





いじめの対応について

2012年08月21日 23時54分48秒 | いじめ関連

 いじめについては、過去に何回か「いじめは起こる」というところからスタートさせる必要があると述べた。
 つい先だっても、その発生メカニズムが脳の障害かもしれないと書いたところ、Facebookにリンクしたら友人のYさんから科学的な観点からの発想だけではいけないんじゃないかという意見をいただいた。

 そのとおりである。

 ただ、このことに関してはさまざまな観点から考察していく必要があるように思う。

 「いじめは起こる」

 その原因の一つとして病気かもしれないということである。
 ならば、このことに関していえば原因が明確になれば治療方法が見つかるかもしれないということである。

 ほかにも考えられるのは、突発的に起こる「怒り」という原因である。
 「怒り」という脳から発生する信号は、「暴力」という行動に結びつきやすい。
 では、「怒り」はどのようにして発生するのかというと、これには様々な外部環境から影響を受け、ストレスとして蓄積していき、ある臨界点で一気に噴出するのではなかろうか。
 また「嫌悪感」から、「暴力」という行動に結びつくこともあるだろう。

 そして、それらを「理性」といった抑制物質で抑えられる場合とそうでない場合があるような気がする。

 ならば、この「理性」をつかさどる抑制物質を迅速かつ大量に分泌する訓練を平素からしておけばいいのではないかと、勝手に思ってしまう。

 具体的には、「こころ」穏やかにする。
 一日に、朝・昼・夜と5分間程度「瞑想(めいそう)」する。
 それだけでいい。

 そして、一日一回(せめて週二回)、教育委員会時代に事業化した「キッズタクティール(スウェーデン方式)」を20分程度行うと鎮静作用が働き、子どもたちが随分と穏やかになったことを覚えている。
 このケア手法はスキンシップが基本にあるので、相手の体温が伝わってくる。
 そして、自分と同じように温かい血が流れているということに気付く。
 この気付きこそが、人としての尊厳やプライドを守らなければならないという考え方を自然と身につけさせることにつながる。

 ここまでが、いじめを防止する「予防」の部分である。
 しないよりは、したほうがい。
 騙されたと思って一ヶ月くらい続けてもらうとその違いがわかってくる。
 ぜひお試しあれ!!

 次回は、「早期治療」についてまとめたい。
 

いじめっ子は脳が原因

2012年08月15日 23時26分22秒 | いじめ関連

 いじめに関して次のような記事が掲載されていたので紹介しよう。

 いじめっ子は脳が原因…更生は無理?

 3歳の子どもでも他の子どもに暴力ばかりふるう「問題児」がいます。
 一般にはその子の「個性」として扱われていると思いますが、どうもその「個性」は病気とまでは言えないまでも、脳の働きが通常とは異なることが原因のようです。
 もしそうであれば、暴力的な子どもに対して説教しても、罰を与えても、少年院に入れても、更生は不可能ということになります。今後は、脳の働きを検査して「精神疾患」として治療していくという方法に変えなければいけないのではないでしょうか。
 科学論文の記事です。

 「ナショナルジオグラフィックニュース」より
  人の災難を喜ぶいじめっ子の脳
  John Roach
   for National Geographic News
  November 7, 2008


 脳のfMRIスキャンを使用した最新の研究によると、すぐにけんかを始める、うそをつく、物を壊してはしゃぐ、そんないじめっ子の脳には、他人の苦しみを見ると喜びを感じる回路が備わっているかもしれないという。
 今回の最新研究は、「Biological Psychology」誌の最新号に掲載される。
 研究チームの一員でシカゴ大学の心理学者ベンジャミン・レイヒー氏は、「この発見は予想外だった」と話す。
 研究チームでは、いじめっ子は他人の苦痛を目撃したときになんの反応も見せないだろうと予想していた。
 なぜなら、彼らは冷酷で、感情を高ぶらせることがないために、例えば良心の呵責(かしゃく)を感じることなくおやつ代を盗むことができると考えていたからだ。

 レイヒー氏は、「人が他人の苦痛を目にすると、自身が苦痛を経験したときと同じ脳内領域が光ることはこれまでの研究で判明していた。
 感情移入を示す反応だ」と話す。今回の最新研究では、いじめっ子の脳の場合、該当領域がさらに活発に活動を行っていることが判明した。
 しかし、いじめっ子が示す感情移入反応は、扁桃体(へんとうたい)と腹側線条体(ふくそくせんじょうたい)の活動によってゆがめられたものだと思われる。
 扁桃体や腹側線条体は脳内領域の中で報酬や喜びに関係すると考えられている部位である。
 「つまり、いじめっ子は人の苦痛を見るのが好きだと考えられる。この考えが正しい場合、彼らは弱い者いじめをして他人を攻撃するたびに心理的な報酬を受け取り、反応の強化が進んでいることになる」とレイヒー氏は話す。

 今回の最新研究では、うそや窃盗、公共物破損、弱い者いじめといった経歴を持つ16~18歳の少年8人の脳活動を検査した。8人の少年は臨床分野で攻撃型行為障害(aggressive conduct disorder)と呼ばれる症状を持っており、そのような経歴を持たない同年代の少年グループとの比較を通じて調査が行われた。

 検査では、苦痛の状況を描く短いビデオ映像数本をいじめっ子グループに見せた。
 映像には、つま先に金づちが落ちるシーンなど不慮の事故を描くものと、ピアノの演奏中にふたを閉め演奏者の指を挟むシーンなど意図的な行為を描くものが含まれていた。
 脳のfMRIスキャンを行った結果、喜びに関係する脳内領域と、苦痛に関係する脳内領域の活動が判明し、さらに、感情の統制に関係する脳内のある部位が、いじめっ子の脳では活動していないことが明らかになった。
 言い換えると、いじめっ子は、例えば昼食の列に並んでいるときに子どもが誤ってぶつかってきた場合などに、自分を抑制するメカニズムを欠いていることになる。
 「自己制御を欠いている点を処置する、あるいは埋め合わせる治療法を開発する必要があるだろう。いじめっ子が自己制御を欠いているのは事実だと考えているし、他人を傷付けるたびに心理的な報酬を受け取り、反応の強化が進む可能性がある」とレイヒー氏は語る。

 クレムゾン大学家族・近隣生活研究所でオルヴェウスいじめ防止プログラムを担当するマレーネ・スナイダー氏は次のように話す。
 「今回のテーマについて脳撮像による科学的調査で次第にさまざまなことが発見されるのは驚くことではない。脳がどのように機能しているのか、その解明は始まったばかりなのだ。脳の仕組みの理解が進めば、有意義な関与方法を見いだすことができるようになるだろう」。

 ナショナルジオグラフィックニュース

   http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=8967503&expand


 このことが真実とするならば、何らかの治療に近いプログラムが必要であり、早期発見が必要と考えられる。
 また、過去に子どもの発達障がいについて詳しい医師から、同じように発見は早ければ早いほどいいと聞いたことがある。

 ただ、当事者同士では限界があり、地域社会システムとして構築する必要があるともいわれていた。
 そろそろ本気で、社会全体として「いじめ」に対して取り組むときがきていると思う。

この国はどこに向かっているのか?

2012年07月27日 00時26分12秒 | いじめ関連

 今、世相として「いじめ」が取り上げられている。

 「誰が悪いのか?」的な犯人探ししか、していないような気がする。

 この国は、かつて弱い者を守る国であった。
 決して弱い者をいじめる国ではなかったはずだ。
 弱い者を守るというDNAが組み込まれながら進化してきた民族ではないのか。

 未だにこの国は独立していないという人がいる。
 この国は、属国でしか生きられないという人もいる。

 だからこそ、この国に生まれ、この国に育った民族としての誇りを持とうではないか。

 東日本大震災の時に、あれだけ立ち上がろうキャンペーンを展開できたなら、国を挙げて「弱い者を守ろう」キャンペーンを展開しようではないか。

 誇り高き民族なのだから...