今夜のNHKの「プロフェショナル 仕事の流儀」はリハビリ医・酒向正春医師だった。
このブログでも何度か登場いただいた。
先生の人間性が出ていたすばらしい番組だったように思う。
番組の内容についてはホームページ(http://www.nhk.or.jp/professional/2013/0513/index.html)から引用しよう。
脳の力を引き出す。
脳卒中によるマヒなどの後遺症を治療するため、できる限り早い段階から、積極的に体を動かしていく“攻め”のリハビリテーション。
この分野の最前線で闘う酒向が武器にするのが、脳の画像分析だ。
脳卒中の専門医としての経験を生かして、患者の脳の画像を詳細に検討し、傷ついた脳に残された回復の可能性を見つけ出す。
そして、読み取った情報に基づいて理詰めのリハビリを繰り返していくことで、失われた体の機能は驚くほどの回復を見せる。
リハビリ 人生の再出発
リハビリの現実は、決してなまやさしいものではない。
脳卒中による後遺症を抱えた患者の中には、せん妄やうつ病など、精神的なダメージを負ってしまうケースが少なからずあり、それがリハビリを難しくする。
しかし酒向は、どんなに困難なケースでも、最後の最後まで粘り抜く。
リハビリには、患者の人生を取り戻すという大切な役割があると、信じているからだ。
「リハビリは、まさに再出発。
おいしいものを食べる、見たい景色を見る、それで自分が生きてるということを実感し、新たな人生を送ってもらう。
それをサポートするのが私たちの医療。」
命が助かった、リハビリをして、それで終わりじゃない
「こんなに患者の気持ちを分かってくれる先生はいない。」そう評される酒向の医師としての姿勢は、
自らが味わってきた苦しい経験の中で培われた。
中学1年の時に交通事故で重傷を負い、人を救う医学の力に憧れを持つようになった酒向。
やがて、多くの患者の命を救う脳神経外科医となったが、一命は取りとめても重い後遺症に苦しむ
患者に対し、何もしてあげられない無力感にさいなまれるようになった。
そして、40代にしてリハビリ医に転身したが、今度は父・正信さんが脳梗塞で重い後遺症を負った。
酒向は自らリハビリを手がけて回復させたが、退院後に再び悪化。
「リハビリ後」も体の状態を維持し続けることの難しさを、家族という立場で嫌というほど味わうこととなった。
酒向は今、すべての経験を糧にして、患者と家族を支える医療を目指している。
番組はこのように展開していた。
この内容の中で、感動したのは人間臭い酒向正春医師が出ていたことであろう。
通常ならかっこいいところだけを見せて当然なのだが、自分の限界を見事というくらい露呈している。
特に、自分の父親を公開してでもである。
ただ、先生の真摯な姿勢は、人間の成長は限界を知るところから始まるんだということを言っているような気がした。
そして、そこから学び取る姿勢こそ本当に大事なんだということを教えていただいたような気がする。
結びの「プロフェッショナル」とは、
どの仕事でも、ひたむきに仕事をしていると
2~3年で限界が見えてきます。
そのときに、しっかりと情熱をもって、使命感を持って
その限界をクリアしようと努力して、
アクションを起こせる方がプロフェショナルじゃないかと考えてます。
先生らしいお言葉でした。