走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

ざまあみろの法則

2011年06月30日 02時34分21秒 | 考え方
 西田文郎先生の講和の中で知ったことがある。

 それは、長く組織論の中で語られてきた「2:6:2」の法則である。
この法則は、2割の組織を引っ張る人がいて、それに引っ張られる人が6割、まったく影響を受けない人が2割いると言われている。
そして、その引っ張る2割の人だけを取り出して組織を作ると、やはり「2:6:2」の法則になるというものである。

 これを西田先生は、もう古いと一刀両断にされる。
なぜなら、「ぬるま湯」のような時代は終わったからだとも。
確かに、成長期や成熟期のように社会に余裕があった時代は常識が常識で通用していた時代である。

 しかし、今は常識が通用しなくなった。

 このことは何よりも、社会環境の大きな変化と変化のスピードが著しく早くなったことによるものだと思っている。
例えば、私たちの子どもの頃はブラジルの話など地球の裏側の話と捉えていたが、今は子どもたちが面白半分で撮った動画をネットにアップするだけで地球の裏側の見ず知らずの人からすぐに感想が寄せられる時代になっているということである。

 しかも、「こんな風に技術が進歩したらいいのに」と思っていたら、共通する考えを持った人たちが仮想上でコミュニティを形成でき、それを見ていたメーカーは四半期(3ヶ月)で開発し、世の中に送り出してくる。

 そんな時代なのである。

 「アナログだ、デジタルだ」とのたまっていた時代は今は昔。

 また一方で使わなければ使わないでいい時代にもなった。
情報はさまざまな手段や手法を用いれば簡単に手に入るようになった。
その分、その情報を生かすためには入手側のスキルアップや感性が問われている。

 いわゆる「宝の持ち腐れ」にするかしないかは、受けて側の自己責任というわけである。

 西田先生の話に戻すと、現在の組織の構成は5階層に分かれるという。
 次のような分かれ方である。

  ・環境変革型(全体の 5%)

  ・環境改善型(全体の10%)

  ・環境順応型(全体の35%)

  ・環境逃避型(全体の45%)

  ・環境破壊型(全体の 5%)

 これらのタイプを説明し、西田節が炸裂する。
再現すると以下のとおり。

 世の中の95%の人たちは成功できないんです。
 なぜか?

  甘い!!

 甘いから成功できないんです。成功したければ、

  苦しめ!!

 成功者だけが知っている法則があります。

  裏目の法則

 裏目に最大のヒントがあるのです。
 ひっくり返せば成功になるんです。
 ほとんどの人が裏目が出たら諦めてしまう。(だから成功しないのです)
 しかし、裏目を最大のチャンスだと捉えられる人は成功しますよ。

  人生は裏目の法則

 環境変革型の人は、これができるんです。
 そして、それができる秘訣は

  執念

  ざまあみろの法則 です。

 まだまだ続く西田節。この続きは別の機会に...

夢の扉 + /最強の壁

2011年06月29日 00時39分20秒 | アイデア
 日曜日のTBS「夢の扉+」は、ある造園家のお話でした。

 主人公は、「吉工園」という造園業の吉村隆顕さん、68歳。

 彼が考案したのは、コンクリートで固める一般的な護岸工事に対し、『ブランチブロック』という枝のような形状のブロックを、蜂の巣状に組み、石積みと一体化させたユニークな工法。
強度がある上、使用するコンクリートの量が少なく、工期も短縮できる。

 植物の根が土砂崩れを防ぐという事をヒントに、枝のような形のブロックと自然の石で強固な壁を作る事を思いついたそうだ。
しかし試作品を作っては失敗を重ね、資金がなくなり、会社の社員に給料が払えなくなる事態もあったそうだ。
「そんな社長になぜついてきましたか?」とインタビューをされた社員の人たちは、「信じていたからかなあ・・・」と応える。
普通なら、「とんでもない社長ですよ」と言われても仕方あるまい。
本来の造園業だけでも何とか食べれていたような気がするからだ。
だが、社員たちは社長を信じついてきた。
リーダーの資質は、逆境のときこそ発揮されるものなのかもしれない。
 
 そして12年に及ぶ試行錯誤の末、ようやく現在の形にこぎつけた。
ただ、完成はしたものの、実績のない中小企業が、国内の公共工事に、そう簡単には参入できないという厳しい現実が待っていた。
私たちの業界は、本当に実績のないところは認めないのである。
自分の責任の問題も有るが、人の命にかかわるところについては特に慎重になる。

 そういった双方の考えがかみ合わないと形になるのは難しい。

 そんな中、思いもよらぬ場所から、彼の工法が試される機会がやってきた...。

 2009年の台風で、甚大な被害の出た、台湾だった。
 異国の地でその技術は花開く。
 現地の被害者は、あまりの工法の速さと流されてきた土砂までも材料に使う工法に感嘆した。
 そして、自然にやさしいその工法は土砂とともに運ばれてきた植物の種から芽が出て青々と茂ってくる。
 また、水中の中では自然に近くなるためたくさんの魚が住み始め、生態系も豊かになっている。

 そして今、彼の心は東北の被災地にある。
被災者が安心して暮らせるようにと、この工法をなんとか役立てたい...。
使命感が湧いてきた吉村。
 彼の工法を活用すれば、より短期で完成するし、本来の被災地の良さがよみがえるような気がする。

 今こそ、わが国の土木技術の粋を結集し、一日でも早く復興していただきたい。

地方公務員を目指す君へ

2011年06月28日 03時17分54秒 | 悩める君へシリーズ
 最近、真面目にブログを続けられているのは固定客がついた感があるかだ。(内心プレッシャーでもある)
そして、若干ではあるがこのブログを読まれる方が多くなってきているのも感じる。
しかし、どこの誰が読んでいるのかはわからない。

 その中で、これから地方公務員を目指そうという若者がいるということも見えてきた。
ますますうかつなことは書けないなと思うのだが、そこは私、簡単に期待を裏切る。
所詮中身のない「木っ端役人」の一人に過ぎない。

 職場では、部下たちの足を引っ張る使いものにならない上司である。
部下たちの頑張りに応えられないどうしようもない私が、あえて未来ある地方公務員を目指す皆さんへ、自分勝手なメッセージを送ることとする。


 地方公務員の未来は決して明るくない。

 なぜなら、社会情勢はますます激しく変化し、その変化のサイクルは短くなっているため、意思決定をするのに広角的に、長期的に、鳥瞰的に判断しないといけないからである。
しかも、短時間で結論を出さなければならない。

 一方で地方分権の進展は、各自治体を「都市経営」という概念で捉えていかなければならなくなってきており、自らが考え、自らがお金を調達し、自らが行動しなければならない。
このことは従来の中央集権と180度異なる。
「進展」というきれいな言葉を使ったが、現実は「追い込まれていく」といった表現が正しいかもしれない。
このことを切実に感じている君たちの先輩が少ないことも事実である。

 公務員の給与は下がるといっても、その安定度は民間のそれと比べ物にならない。
高度成長期に確立された「終身雇用制度」が残る唯一の業界である。
「ぬるま湯」のなかにいるようなものである。

 しかし、「ぬるま湯」のきっかけを作るのは制度かもしれないが、「ぬるま湯」につかり続けるのは君たちの意思であるということを知って欲しい。
「ぬるま湯」から出たらどのような環境が待っているか、想像がつくから出ないのが世の常である。
でも、それで本当に「やりがい」を感じるのだろうか。
それで本当に自分を鍛えられるのだろうか。

 よく考えて欲しい。
プロセスが苦しければ苦しいほど、その達成感や充実感は比べようのないものにならないか。

 「近道をしてはいけない」

 成功は地道な積み重ねによってなされるものである。

 人を陥れたり、ずるをして、成功を得られたとしても人から賞賛される人生にはならない。

 公務員になるということは、「公僕」になるということである。
まず、24時間、365日、公僕になるという自覚を持っていただきたい。
つまり、人のため、世の中のために尽くす人になるという自覚を持っていただきたい。

 それがいやなら、民間の道に進むべきである。

 私たちは、持続可能な地域社会システムを構築する権限を有している。
だからこそ、その権限を乱用してはならない。
自制心こそが、経験を踏めば踏むほど求められる大切な能力でもある。

 難しいことではない。

 常に、「人のために、世の中のために尽くす」という言葉を心の中で唱えればいいだけである。

 地方公務員という職業は、実にやりがいがあり、やりようによってはダイナミックかつ醍醐味を味わえる仕事である。

 住民から「いかに上手に税金を取るか」に知恵を絞るよりも、住民に「税金を納めたい」と思わせるまちづくりに知恵を絞っていただきたい。
そうすれば、あなたたちが今悩んでいることの答が見えてくる。
そのチャンスは、他人が作るものではない。
自らが手に入れるものである。

 そのためには、地道な仕事を嫌ってはいない。
常にその中に内在する問題点や改善点を掘り起こそうという思想を持っていなければ自らの成長もないし、チャンスもめぐり来ない。

 決して人のせいにしてはならない。

 自ら切り開く勇気と、未来や夢を信じる希望を捨ててはならない。

 地方公務員の仕事は絶対に面白い!!



思い出をよみがえらせる絵画

2011年06月27日 23時56分37秒 | ちょっといい話
 日曜日の朝、テレビチャンネルを押していると「日曜美術館」で手が止まった。
雰囲気的に肖像画家の話であることはわかった。

 私が見始めたシーンは彼が悩み苦悩しているところからだった。

 そこで、前後をつなげるためにホームページから番組紹介記事を次のように引用する。

************************

 「亡くなった娘を絵画で蘇らせて欲しい」。
 1人の画家に来た依頼だ。

 画家は独自の写実表現で注目される諏訪敦。
 諏訪は以前、舞踏家の大野一雄を1年にわたり取材し、連作を描いた。
 そして7年後に100歳を迎えた大野を再び取材し描いている。
 諏訪は写実的に描くだけでなく、徹底した取材を重ねて対象となる人物と向き合い、人間の内面に迫ろうとする気鋭の画家だ。

 依頼したのは、2008年の5月、南米ボリビア・ウユニ塩湖で交通事故に遭(あ)い炎上死した、鹿嶋恵里子さん(当時30)の両親である。
 鹿嶋恵里子さんは結婚も決まり、結納式から10日後の突然の悲劇だった。
 依頼した内容は、諏訪の絵によって快活な娘を蘇(よみがえ)らせて欲しい、というものだ。
 亡き人を描くために彼はわずかな手掛かりを求め、さまざまな取材・手法から彼女の特徴を探っていく。

 自分の表現としての作品性と、依頼した両親の娘に対する思いをどのように1枚の絵画に描いていくのか。
 諏訪が悩み、葛藤していく様を撮影した。
 番組では6か月にわたり諏訪と依頼した鹿嶋さん家族を取材。
 親の思い・亡き人と向き合った彼の苦悩と完成までの軌跡を追った。

************************

 「私の描く絵は本当に実在した娘さんではない。
  写真から似せて描くことはできても本当の娘さんではない。
  そんな絵をご両親(遺族)が見たとき、かえって失望しないか」と悩み苦悩する。

 そして、思い悩んだ諏訪さんはあるNPOのドアを叩く。

 そのNPOは事故や突然の死でその事実と向き合えない遺族の心をケアする団体だった。
 彼は、自分の思いを伝える。
 相談に乗ってくれた団体の人は次のように語りかける。

「あなたが単に写真を描く人なら遺族には何も伝わらないでしょう。
 でも、あなたは描くために、遺族の方とたくさんの時間、その娘さんの話を聞いて描こうとしておられる。
 遺族の知らない娘さんがいたはずです。
 他人が知っている娘さんがいたはずです。
 だからあなたは、あなたが感じたままの娘さんを描けばいいんです。
 そして、それを見られたご遺族は新しい娘さんを発見でき、とても喜ばれると思いますよ。」


 諏訪さんは「お話をお伺いし気が楽になりました」と丁寧にお礼を言うと、その後、一気に肖像画を描ききります。

 その出来上がった絵を持って依頼主宅を訪ねました。
 箱の中から絵が出てくると、両親の目からは涙が湧いてきます。

 両親に時計をプレゼントされ、笑顔が出てくる直前の瞬間の絵です。

 父親は泣きながら、「この絵は現実ではありません。そして娘も今は現実ではありません。でもこの絵の娘は間違いなく私たちの娘です」
 
 きっとご両親は、残された人生において、ことあるごとにこの絵に語りかけることでしょう。
 そして、娘とともに生きた日々を思い出しながら、時に笑い、時に涙ぐむことでしょう。
 それは、ある人から見れば前向きな生き方にうつらないかもしれません。
 しかし、ご両親にとっては幸福な時間ではないかと思うのです。

 残された人生を、思い出とともに生きる。
 そして、語りかけることで生きる糧につながる、そんな人生もあっていいと思います。

 そして、世の中には数十億、数百億の値がつく絵画もありますが、ご両親にとっては、この絵がそれ以上の価値の絵になったことでしょう...

アホになる!

2011年06月26日 21時39分27秒 | すばらしい出会い
 今日は午後から松山大学であった「ひまわりチャリティプロジェクト」に出かけてきた。
西田文郎先生の講演は最高だった。
講演前に名刺交換をさせもらって握手をさせていただく。

 握手をさせてもらうと、その時の感触でその人の人間性や情熱が伝わってくる。
西田先生の握手は力強く、温かいものでした。

 そして、講演が始まりました。

 西田先生が主催する研修会の研修費は88万円もします。
しかし、今回は3,000円で聴けるという絶好のチャンスでありました。
(今回は完全ボランティアで、すべて東日本大震災の被災地に寄付されます)

 先生は、この88万円の研修を「中身がありません」と笑い飛ばす。

 でも、今日だけでもかなりの価値のあるものでしたから、88万円分はもっとすごいんだろうなと思ってしまいました。
それでも先生は、「やっぱり中身がありません」と言い切るような気がします。

 中身については、別の機会に少しづつご披露させていただくこととして(先生の商売を邪魔してはいけないなと思いつつ)、脳についての造詣が深く、でもそれを難しくいうのではなく、どういう風に考え、どういう風に話をし、どういう風に行動すれば脳を使い切ることができるということの話をしてくれます。

 ピタゴラスにピタゴラスの定理を説明させるよりも、矢野健太郎が数学の教科書で解説したピタゴラスの定理の話がわかりやすい、そんな感じを受けました。

 今日のよき時間を持てたことに感謝します。

地元のB級グルメ (パート2)

2011年06月26日 20時34分40秒 | グルメ
 地元のB級グルメ第二弾は「中華そば」です。

 人に薦められて行ってきました。

店内はそれほど広くはないのですが、こだわりをもった大将がじっくりと味を守っているといった感じです。
店内には、今はやりのラーメンブームの雰囲気ではなく、「中華そば」としっかり書かれている。

きっと、ラーメンと中華そばはちがうんだという拘りが伺しれる。

 中華そばにのせるチャーシューは網焼きし、しつこい油を落とすという念の入れようだ。
そして、チャーシューが焼きあがり始めた段階で、おもむろに麺をゆで始める。

 出された中華そばのスープはやけに黒っぽい。

 まず、スープを飲んでみると、思わず、「辛い~!!」と叫びそうになる。
醤油鹹(から)い感じでもう少し薄くてもいいのではないかと思ってしまう。

 麺は細麺の乾麺のような感じ。
 中華そばと命名する所以であろう。

そして、食べ進むうちにその辛さが不思議と消えていく。
「なんやこの感じは」
スープも抵抗なく飲める。

 チャーシューから出る油などの雑味が焼くことで染み出してこないため、脂っこいしつこさがない。

 食べ終わった後に、後を引く感じで何度もスープをすすっている。

 また、食べたいと思わせる不思議な味。

一緒に頼んだ餃子は小ぶりだが、ジューシーでよく焼いたサクサク感がたまらない。
 
 今度来た時は、豚丼とTKG(卵かけごはん)も体験してみようとメニュー表を見ながら思った。

 場所は、垣生から余土に抜ける新道に面しているとだけお教えしよう。

 

人工光合成~太陽光と水から水素を作り出し、エネルギー問題を解決

2011年06月25日 02時38分36秒 | びっくり
 最近の異常気象を「地球温暖化」という言葉で片付けてしまい、その原因は人類が発する二酸化炭素に主な原因があるというが、それだけであろうか。
私が勝手に考えるのは、地球の気象に一番影響を与えるのは海水であり、その海水温に一番影響を与えているのが太陽ではないかと思っている。
事実、近年、太陽の黒点活動は低調で何年か前は黒点がない年があった。
実は、過去に太陽の活動が弱まることが周年で繰り返されてきたが、今回は少し様子がちがうようである。
太陽が元気がないと、私たちも元気が失われるのか...

 そんな時、インターネットで次のような記事を見つけたので紹介しよう。
 太陽あっての人類であるというのがよくわかる。


上記の写真は佐山博士が開発した「光触媒・電解ハイブリッドシステム」を模した実験用電解セル。
左側の容器に酸化タングステンと鉄3価イオンを入れ光を当てると、酸化・還元を繰り返しながら酸素と水素イオンを発生し、右側の容器で電気分解を行うと水素が発生する。


 水と二酸化炭素を材料に太陽光を使って酸素や水素、糖を作り出す光合成を人工的に再現できれば、エネルギー問題と二酸化炭素削減という人類の大きな課題が解決できる。この「人工光合成」はまさに夢の技術だ。産業技術総合研究所の佐山和弘博士は、その夢に一歩近づいた。

                ☆ 世界初の可視光による人工光合成の快挙 ☆

                  

                    産業技術総合研究所
       エネルギー技術研究部門 太陽光エネルギー変換グループ グループ長(理学博士)
                     佐山 和弘博士
 
 地球上で自らエネルギーを生産しているのは植物だけである。その他の生物は植物によって生かされている。
 この偉大なる植物を支える精妙な仕組みが光合成だ。
二酸化炭素と水というどこにでもある材料を使い、太陽光という無尽蔵なエネルギーを利用して酸素と水素、あるいはデンプンなどの糖を作り出す。
もし、人類が「人工光合成」を実現できれば、我々を悩ませている多くの問題が解決に向かうだろう。

 20年以上にわたって人工光合成の研究を続けている産業技術総合研究所の佐山和弘博士はこう語る。
 「植物が何億年もかけて生み出してきた化石燃料をわれわれは勝手に掘り出して使い続け、もうなくなるのではないかとオタオタしています。子供や孫の世代にも必要なエネルギーを自分たちの世代で使い切ろうというのはあまりに無責任です。根本的にこの問題を解決するには太陽エネルギーの利用しかありません。人工光合成は日本発の技術として世界に貢献できます。エネルギー問題が克服できれば、多くの問題が解決できます」

 人工光合成はエネルギーを生み出すだけでなく、二酸化炭素の削減にも役立つ“救世主”となるかもしれない。
 光合成は非常に複雑かつ絶妙な化学反応である。
そのメカニズムは「明反応」と「暗反応」に大別できるが、前者は光を利用して水を酸化し、酸素とNADPHという物質を作り出す。
次に、NADPHと二酸化炭素によって糖が作られる。これが暗反応だ。

 この明反応を応用し、水を酸化し分解する過程で発生する水素を人工的に作り出すことが人工光合成の主要な目的であり、佐山博士は可視光を使って水素を得ることに世界で初めて成功した。2001年のことだ。
実は太陽光でも紫外線を使って水素を発生させる研究はすでに行われていたが、可視光ではなかなか実現できなかった。
それは可視光が紫外線よりエネルギーが低いからだ。

 人工光合成の仕組みの詳細については「技術解説」に譲るが、水を光で分解するには「光触媒」という技術を用いている。
光触媒とは光を吸収すると、その周囲の物質に対して酸化(電子を奪う化学反応)や還元(電子を受け取る化学反応)などの反応を引き起こす触媒物質である。
触媒作用を起こすためにはより高い光エネルギーの方が有利であり、これまで紫外線を中心に研究が進んできた。
紫外線を使う光触媒は100種類以上も発見されている。

 しかし、紫外線は太陽光の中で4%程度に過ぎず、約50%を占める可視光が使えなくては効率的に水を分解することはできない。
佐山博士にとっても可視光による水分解は長年の目標だった。

 1996年、ついに課題をブレークスルーするアイデアを思いついた。
それは2段階に分けて、可視光を与え、エネルギーを増幅させる方法である。
 実は、植物も可視光を2回に分けて使っている。植物では葉緑素(クロロフィル)が触媒の役割を果たし、光を吸収して電子を放出するが、葉緑素は波長680ナノメートルの可視光でまず電子を出し、水を分解して酸素を作る。
この電子のエネルギーが弱ってきたところで、次に700ナノメートルの可視光に反応して電子を放出し、パワーを増幅させ、NADPHを合成する。

 佐山博士はこの2段階方式を参考に、酸化タングステンとドープ型チタン酸ストロンチウムという2つの光触媒を使い、酸化還元反応を安定的に繰り返させる「レドックス媒体」としてヨウ素を活用することで、世界初の可視光による水の完全分解に成功した。
完全分解とは水素と酸素が2対1の割合で安定的に発生する反応を意味する。

               
佐山博士が最初に可視光で水分解に成功した際に用いた触媒であるドープ型チタン酸ストロンチウム(左)と酸化タングステン(右)。


◇実用化に一歩近づいたハイブリッドシステム

 現在、太陽エネルギーの利用は太陽電池とバイオマスエネルギーが代表的だ。
太陽エネルギーからどれほどのエネルギーを取り出せるかを示す「太陽エネルギー変換効率」では太陽電池が12~15%に対して、バイオマスのトウモロコシやサトウキビは1%程度。
ブッシュ前大統領が推奨したスイッチグラスという雑草では0.2%にしか過ぎない。

 しかし、単位面積当たりのコストを考えると、太陽電池よりバイオマスの方が有利だ。
また、電気は貯蔵できないがバイオマスは収穫して貯めておくことができる。
 佐山博士は人工光合成ならば、この両者のいいとこ取りができるという。
水と光触媒を入れた大型のプールや海を利用すれば単位面積当たりのコストを安くできるし、発生した水素もタンクに貯蔵できる。
問題は効率だ。
従来の人工光合成の方法では、太陽エネルギー変換効率は数値として表記できないほど低いものだった。

 また、太陽から受け取った光子のうち反応に使われた光子の割合を示す「量子収率」は太陽電池がほぼ100%なのに対して、人工光合成は2%程度だった。

           
光触媒の活性を評価する装置。左側の容器に水と光触媒を入れ、光を当てて発生した酸素と水素をサンプリングして分析すると、太陽エネルギーからどれほどのエネルギーを取り出せるかを示す太陽エネルギー変換効率がわかる。


 効率を上げるために佐山博士が開発した方法が「光触媒・電解ハイブリッドシステム」(以下、ハイブリッドシステム)である。
 従来は光触媒の作用によって水素を作り出すことが人工光合成の狙いだったが、敢えて回り道をして効率を上げようという独創的なアイデアだ。
 このハイブリッドシステムでは、まず光触媒の酸化タングステンと、レドックス媒体の鉄3価イオンを用い、鉄3価イオンが鉄2価イオンに還元しながら水から酸素を作り出す。
次に鉄2価イオンを鉄3価イオンに再酸化しながら、電気分解を施して水から水素を作り出す。
 鉄2価イオンを使った電気分解はレドックス媒体を使わない一般的な電気分解に比べ半分の電圧しか必要としないことは知られており、消費電力も半分ですむ。
化石資源から水素を作ると1立方メートル当たり10~20円、夜間電力を使って通常の電気分解を行って水素を作ると20数円かかる。
ところが、鉄2価イオンを使うと10円ちょっとですむ。
しかも、光触媒を入れたプールで水素を発生させないため、水素を捕集するための大面積の透明フードも不要になる。

 装置模型にあるように、光触媒プールから水を引き込んで電気分解し、発生した水素をタンクに貯めておくだけでいい。
電気は夜間電力を使ってもいいし、太陽電池や風力発電などのグリーンエネルギーを利用することもできる。

           
光触媒・電解ハイブリッドシステムの装置模型。光触媒プールで酸素と水素イオンを発生させ、電解装置で水素を作り出してガスタンクに貯蔵する。夜間電力でも太陽電池でも利用可能だ。


 このハイブリッドシステムでは量子収率は19%、太陽エネルギー変換効率は0.3%に達した。
太陽電池にはおよばないものの、スイッチグラスを超え、実用化に向けて大きな一歩を踏み出した。
 「変換効率が3%に達したらバイオマスエネルギーと比較しても十分実用化に耐える水準になるし、すでにその目標は見えています。量子収率の高い光触媒をさらに探索し、複数の光触媒をシート状に積層化してプールや海上に浮かべれば実現できるでしょう。効率が1%を超えたら多くの研究者がこの分野に参入してくるので、すぐに2%台になるはずです」

◇日本も国家プロジェクトとして推進を

 ノーベル化学賞を昨年受賞した根岸英一教授が今年1月、人工光合成プロジェクトを提唱し話題になったが、人工光合成の研究ブームの1回目は70年代に石油ショックが起き、原油価格が高騰したときにさかのぼる。
 その後、価格が下がって下火になるが、佐山博士はちょうどその頃から人工光合成の研究を始めた。
大学の卒業研究のテーマとして取り上げたのがきっかけだったという。

 「子供時代に石油ショックが起き、石油に代わる太陽エネルギー変換の研究をやりたいと思っていました。卒業後、産業技術総合研究所に入り、以来ずっとこの研究を続けていますが、自分がやらなければという使命感はあります」

 2000年代に入り、再び原油価格が上がり始め、異常な高騰を起こす。
そこから人工光合成の第2次ブームが始まり、現在、アメリカやヨーロッパ、韓国などでもプロジェクトが立ち上がっている。
海外では日本のように粉末状の光触媒ではなく、光触媒をコーティングした電極を用いる「光電極」による研究が進んでいる。

 そもそも、酸化チタン光電極による水の光分解は日本人が1969年に発見したもので、「本多・藤嶋効果」と呼ばれており、光触媒の研究は日本が世界の最先端を行く。
 「政府も光触媒による水素製造の重要性は認めているのですが、その技術開発ロードマップでは2040年頃を実用化の目安にしているので、まだ遠い話として本気になっていません。
アメリカでは5年間で1億ドル以上を投じて国家プロジェクトを進めていますが、日本も研究資金と人材を投入して優れた光触媒材料の探索を進めるべきでしょう。
それができれば、6~7年後にはパイロットプラントを建設できるのではないかと思っています」
 佐山博士はさまざまな材料と濃度を変えて性能を調べる自動装置を考案し、有望な光触媒の探索を行っている。
エネルギー資源を持たない日本は国家プロジェクトとしてこうした装置をもっと製造し、お家芸ともいえる光触媒をさらに進化させる必要があるのではないだろうか。

       
                実験用電解セルをセッティングする佐山博士。
 大学の卒業研究で人工光合成に取り組んで以来、20年以上にわたって研究し続けている。
 人類のエネルギー問題を解決する人工光合成を成功させることに使命感を感じているという。

 科学技術をトップである必要があるのかと問うた政治家先生がいたが、イノベーション・テクノロジー(技術革新)がもたらす産業への影響力は研究費の比較にならないものである。
そのことを資源のない国家の国民として十分ご理解いただきたいものである。

生石小学校の就農体験

2011年06月24日 00時02分41秒 | 子ども体験学習
 生石公民館長の角田さんに誘われて、隣の生石小学校の田植えを見てきました。

 子どもたちはぬるぬるした田んぼの中で、楽しそうに元気よくはしゃいでいました。
植えたのはすべてもち米だそうで、毎年行われる大餅つき大会に使うそうです。

 それにしても夏日のような暑さの中、子どもたちのためにお世話をしてくださった地域の人たち、PTAの役員の皆さん、お疲れ様でした。
きっと子どもたちの心のアルバムに強く焼き付けられたと思います。ありがとうございました。

  

  

  

  

  

  

  

しなやかさとは

2011年06月23日 00時22分11秒 | 考え方
 こんな話を聞いた。

 ある中古車販売店に客が来た。
その客は、値切ろうと難癖をつけようと意気込んできている。

 そしてたくさんある車の中から気に入った車を見つけて、営業担当者に難癖をつけ始めた。
「ここにも、ここにも傷がある」と言いながら、その営業担当者を連れて車を一周した。

 そして、いよいよ値段を値切ろうとしたとき、
その営業担当者はニコッと笑みを浮かべ、「傷もお客様の車の目印だと思えば、より愛着がわいてきますよ」と言ったというのである。

 世間には、これによく似た話がいっぱいある。

 この話から学ぶべき点の一つは、自己利益の追求がいかに小さいことであるかだ。


「虻蜂取らず(欲を出しすぎたために、失敗することのたとえ)」というが、まさにそのとおりである。

「しなやかさが大事」ということをよく耳にするが、実は「しなやかさ」を持つためには自己利益を優先してはしなやかさが欠如してしまうことになる。

 まず自分より相手を思う気持ちを持ったとき、そこに「しなやかさ」が生まれるのではないだろうか・・・

 

地元のB級グルメ

2011年06月22日 01時01分21秒 | グルメ
 私の職場の近くに帯広名物「炭焼き豚丼」屋さんがある。

 松山で帯広名物??????

だが、これが絶品。
うな重の豚版と思っていただければわかりやすい。

 炭焼きなので豚肉に炭特有のにおいがしみこみ、それにうなぎの蒲焼のようなタレがかかっているため美味この上ない。

 豚肉を馬鹿にできないとつくづく思い知らされる。

 誰が考案したのか?
 只者ではない!

場所は混むといけないので言わないが、空港が見える場所だとだけ言っておこう。
マイブームのつぼにはまってしまった・・・

スウェーデンの紙幣に新しい顔が登場

2011年06月21日 00時28分12秒 | びっくり
 来たる2014年、実に25年ぶりにスウェーデンの紙幣デザインが一新されることになったそうだ。
新紙幣を飾るのは、20世紀に活躍し、スウェーデンの文化遺産の構築に寄与した著名人たち。
いずれも、国内の多くの人から愛され続けている人々とのこと。

 今回お札の顔になった人たちを順に見ていくと、
 まず、1000クローナ紙幣に選ばれたのは元国連事務総長ダグ・ハマーショルド、
500クローナ紙幣にはソプラノ歌手ビルギット・ニルソンが選ばれた。
そして、今回新たに作られることになった200クローナ紙幣には映画監督のイングマル・ベルイマンが、100クローナ紙幣にはスウェーデンを代表する女優のグレタ・ガルボが登場。
50クローナ紙幣にはミュージシャンのエバート・タウベが、20クローナ紙幣には、著名な児童文学作家のアストリッド・リンドグレンがお目見えするとのこと。
中央銀行がこれらの人々を選んだ基準は、「1900年代に建設的かつ重要な文化的遺産を築き、多くの国民に愛され、国のさまざまな地域を代表すると同時に国際的に知られた人々であること」。
新しい紙幣は、スウェーデン文化と共に国内の各地域を象徴するものとなるであろうといわれています。

 ただ、他国の通貨に文句を申すつもりはないが、いつか私の大好きなイングリッド・バーグマンも採用してください...



愛大農学部合同発表会

2011年06月20日 00時08分31秒 | 地域情報/その他
 昨日は雨の中、結構忙しかった。
午前中は愛媛大学農学部主催の「農山漁村地域マネージメント特別コース」及び「地域マネージメントスキル取得講座(社会人)」の合同発表会に出席してきた。

 前コースは愛媛大学の学生対象で、後のコースは社会人を対象としたもの。いわゆる学びなおしコースである。
過去二年間は国の補助がついていたようであるが、今年度からは大学が全額負担しての講座となっている。

 私もこの講座にかかわって三年目であるが、初年度から見ると受講生の成長が著しいものがある。

 また、学生、社会人、大学関係者と行政関係者が一堂に会するフィールドでも有り、発表会後の懇親会ではさまざまな人たちと出会える。
懐かしい顔もいれば、新たな出会いもある。

 今回とても嬉しかったのが、南予の若い農業後継者の皆さんとの出会い。
彼らと話しているとついつい調子に乗ってしまい、機会を変えてもっと話しましょうということになった。
彼らも私を面白がってぜひと言ってくれた。

 愛媛大学農学部の人づくりは本気モード全開である!

夕焼け小焼け

2011年06月19日 07時33分59秒 | ちょっといい話
 私が尊敬するNPO法人・農商工連携サポートセンター代表理事の大塚洋一郎氏のブログが感動的でしたので紹介します。

3.11大震災と童謡「夕焼け小焼け」 [2011年06月16日(木)]

 6月12日に開催された農商工連携フォーラムにおける藤田和芳理事(株式会社大地を守る会代表取締役)のお話のさわりを紹介します。

 僕は岩手県の生まれです。
岩手県の農村に生まれました。
そこには農村の暖かな人情、貧しいけれど質素、人々が助け合っていく...そういうものがあったと思います。
今回の震災で日本人の多くがかつて持っていた日本人の良さに触れたと思うのです。
あまりに大きな災害に直面したときに日本人が持っていたDNAがよみがえったのだと思うのです。

 幕末から明治にかけて日本は大きく変わるのですが、日本政府が雇った多くの専門家、医療の専門家、技術の専門家が日本に入ってきました。
彼らはあまりにも遠い東洋の野蛮な国に来たという気持ちを持って来るわけですけれど、日本に滞在し再び自分の国、アメリカ、イギリス、ヨーロッパに帰っていったときに、彼らが日本の印象について書いた本があります。
最初来たときには本当に野蛮な国に来たと思ったけれど、子供達は裸で走っているし、男と女が混浴しているというのは野蛮だけれど、よくみてみると必ずしもそうではない。
貧しいけれど質素だし、体はいつもきれいだし、治安は悪くないし、風景は美しいし、なんとこの国は人々が助け合って生きているのだろう。
村に行けば人々は笑って生活している、こんな国はヨーロッパにはどこにもないじゃないか。

 ある人は伊豆半島を旅して旅館に泊まったらとても親切にされる、帰りにまたここに泊まりたい、旅館の親父さんに予約金を払いたいと言うのですが親父さんはそんなことは要らない、どうか帰りに寄って下さいというのです。
でもどうしても予約金を払いたい、じゃあこの上に置いてくださいとお盆を出してきてその上にチャリンと置いたわけです。
自分の経験からいえばそれを金庫の中に入れるだろうと思っていたら入れない。
まぁ自分の責任じゃないからいいかと思って旅に出て、半月後に帰ってきたらなんと自分が置いたお金が半月前と全く同じ状態で残っている。
この店にはたくさんの人が出入りしているのに誰もそのお金を取ろうとしなかった。
なんという国なのだろうか、と日本と日本人の良さ、やさしさや親切をいろいろな本が書いています。
私はそれが東北に残っていた、そういうものにどうして私たちは気が付かなかったのかなと思うのです。

 最後に時間が来ましたけれど今日、私のタイトルは童謡の夕焼け小焼けについて語ることでありました。
夕焼け小焼けは「夕~焼け小焼けで日が暮れて」という歌ですね。
歌詞はおわかりかと思いますけれど、私はこれが日本の農村の風景、それから今申し上げた人々の気持ちを表現していると思うのです。
まず「夕焼け小焼けで日が暮れて」というのはどういうことを歌っているか?
私は子供の頃、奥羽山脈を見ると、奥羽山脈に夕焼けが真っ赤に出ると必ず明日は晴れるのです。
夕焼け小焼けの歌は「明日は晴れる」という明日に対する希望を歌っているのです。

 その次に「山のお寺の鐘が鳴る」は農村のコミュニティ、農村の美しい風景を歌っています。
そして「おててつないでみな帰ろう」。
おててをつなぐというのは人々が手をつないでコミュニティがしっかり生きていて、助け合って生きているということを歌っているわけです。

 最後に「からすもいっしょに帰りましょう」と歌います。
からすは今でも人間から見ると嫌われ者です。
でもその嫌われ者のからすとも仲良くしようということを最後のところで歌っている。
コミュニティがみごとに助け合って生物多様性を認めて生きていくという、他人を蹴落としてでも生きていく、自分だけが良い思いをするなんていうことはこの歌の中には無いわけです。
そういう風景をこの夕焼け小焼けは歌っている。
私たちは世界に誇るべきコミュニティをかつて持っていた。
そして世界に誇るべきひとつの文明のかたちを持っていた。
でも新時代といって狂おしいまでに効率と生産性を追い求め、そして競争社会をよしとして他人を蹴落としてでも自分が幸せになりたい、物とお金があったらそれだけで幸せになれるんだという社会を狂おしいまでにず~っと走り続けてきて、かつての文明のかたちを忘れてここまで走り続けてきて、それが3.11だと私は思うのです。

 もし私たちが新しい社会を復興しようというのなら、私は学生運動世代ですけれどヨーロッパの海外のイデオロギーと哲学を持ち込んで自分の国を良くしようと思うだけじゃなくて自分たちの足下の、先達がどういう社会を作ってきたか、どういうルールでどういう人間関係を作っていたかというところにもう一度立ち返ることこそが本当の意味での「復興」であり、新しい社会というのはヨーロッパの社会をまねするだけではない、私たちのご先祖さまが築き上げてきた人間関係とかコミュニティの姿をもう一度見つめ直すことから始めることが大事ではないでしょうか。

 長くなりました。ありがとうございました。



衰退するとは?

2011年06月18日 00時05分13秒 | つぶやき
 漫才師の内海桂子師匠は、芸人は常に世の中の流れをつかみ、必死でもがきながらも泳ぎぬかなければならないという。

 特に漫才師は、その時勢の動きを敏感に捉えて、舞台にかけていくことが使命だと。
かといって新しいことばかりを追っていてはダメで、古いことや歴史文化のあることをいろいろと織り交ぜていくことも肝心だとも言っておられる。

 その師匠が常に繰り返し肝に銘じている言葉が

 「安定の座に居座るは
         衰退の一歩なり」

 私も見習いたい。

娘の苦言

2011年06月17日 01時15分34秒 | 家族の出来事
 久しぶりに落書きをしていたら、娘が覗き込んできた。
いただいた花があまりにもきれいだったので思わず写生し、ご丁寧に水彩絵の具で色づけをしていたからである。

 「ふう~ん、絵なんか描くの久しぶりやない。
  私ねえ、父さんの絵を見るの好きやったんよ。
  小さいときね、父さんの部屋に置いてあった大きなスケッチブックが2冊あったやろう。
  それを内緒で見るのが好きやったんよ。
  部屋に入ると怒られると思って、誰もおらんときにそぉーと入って、あのスケッチブック見るの好きやった。」

 「あれ、落書き帳みたいなもんやったんやで」

 「でも、なんか見るの好きやった。お皿の絵なんかもあったやろ?」

 「あ~あ、印象に残ったメニューを描きとめていたやつかなあ」

 「あれ見て、父さんは将来、料理店するんやと思ってた」

 「そうやなあ、あの頃はやりたいことがいっぱいあったような気がするなあ・・・」

 「あのねぇ、父さん最近後ろばっかり振り向いてない?」

 「そうかあ?」

 「ぜったいそう。なんかなあ、後ろ向いて反省することも大切やけど後ろばっかり見ているような気がする」

 「そんなかなあ?」

 「後ろ振り向いてても何にも生まれんと思うよ。大切なことは、前を向いて、将来に向かって歩まないかんと思う。
  前の光に向かっている父さんは輝いて見えたし、その方が絶対素敵やと思う」

 「そうか、意識して前向いていかないかんなあ」


 いつの間に、この娘はこんなに大きく成長していたのでしょうか。
 そして、何よりも驚いたことは、娘が内緒で私のスケッチブックを盗み見していたことです。

 子どもはいつも親を見ている。
 人にばかり言っているのに自分が一番気づいていない、そんな父親なのです。