走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

月例の反省会

2011年05月31日 21時01分05秒 | 職場の出来事
 私の職場では、毎月月末に就業後「反省会」なるものを行う。

 これは前のM支所長がスタートした恒例の会だそうで、軽食を取りながらの反省会というよりは井戸端会議みたいなものである。
今日のテーマはT君が先日受けてきた「接遇研修」の職場内研修であった。

 明るい職場づくりのために何をするか個々人で考え、実践しようということになった。
まずは、窓口係の笑顔づくりから。
窓口担当の男性のK君には笑顔が少ないのではないかと私から指摘。

 「ええー!!」と驚くK君。
うちの職場のいじられキャラであり、ムードメーカーでもある。
彼がいると、職場がはなやぐ。(男性なので「はなやぐ」という表現は正しくないかも...)

 赴任してきて早2ヶ月が過ぎた。

 すっかりなじんできて、職員の雰囲気もわかってきた。
小さいからか和やかで温かい。
でも、結束力は強い。

 窓口を有しているので高笑いなど厳禁なのだがお客様がこられたとき、この職場の温かさが伝わればいいなあと反省会の個々の顔を見ていて、そう感じた。



ワープする部下

2011年05月30日 21時44分20秒 | 職場の出来事
 私の職場は、窓口業務がメインである。

 窓口対応は3箇所でやっている。
施設自体が狭いためにこれだけしか取れない。
そういう意味ではお客様に不便を強いている。誠に申し訳ないと思うのである。

 そして、窓口に出れる職員は4人。
ローテーションでまわしながら、その中のT君が窓口に座るとこの春から不思議な現象が起こる。

 それは、すごくびっくりするお客様がいるということ。
声を出さないまでも「え!」という表情がわかる。

 内心、おかしくなる。

 T君、お客様のその表情を見るといつものクールな表情で、「隣にいるのが弟で...」と丁寧に説明する。
お客様は、そう説明されると「ああなるほど・・・」といった納得した表情に変わる。

 原因は隣の農協の窓口にいる弟さん。
実は双子の弟さんである。

 おそらく、お客さんは農協の窓口に行き、その足で私どもの窓口に来て下さったのだろう。
そして、びっくり仰天するわけである。
おそらく「空間移動か、マジックか!?」みたいな感じに陥ったのであろう。

 そのたびに余計な説明が増えたT君。
でも、驚く表情のお客様を見るのはまんざらでもない様子。


 そして、ある日、自転車でやってくるT君が珍しく車で出勤してきたので大きな声で「おはよう」と声をかける。
施設内に入るとT君。
「支所長、間違えましたね!」

 お客様が間違えるのも無理はない...
 

日本を救う、藻!

2011年05月29日 22時13分34秒 | おもしろい
 今日のTBSの番組「夢の扉+」はある藻から石油を作るという話であった。

 タイトルは、「藻から石油を!エネルギー革命で日本を産油国に!?」
内容は次のようなものであった(TBSホームページから引用)。

 その男の、40年以上にも及ぶ地道な研究の成果がついに実った。
世界にも注目される、大量の石油を生む特別な「藻」の大発見!
これまで海外で、いくつか石油を生む藻の発見はあった。
しかし、その男が発見したのは、これまで発見された藻をはるかに上回る量の石油を生み出すという。

 筑波大学大学院、渡邉信(まこと)教授、63歳。

 日本が誇る「藻」のスペシャリストだ。
渡邉教授の下には今、海外からヘッドハントの話が舞い込んでくる。
しかし彼は、あくまでも「日本発」の研究開発にこだわっている。
彼がどこで藻を発見したかはトップシークレット。サンプルは、限られた人しか知らされていない場所で保管。
その藻は、なんと汚水を浄化し、さらに石油をも生み出すという人類にとっては、奇跡の藻類である。 

 急ピッチで進められる渡邉氏の研究開発。 
そして、ついに藻からとれた石油で、トラクターを動かせるのか、世界初の実験が行われることに。
その結果は...

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 彼をずっと支えてくれた妻の見ている前で動き出す。
貧乏研究者時代ずっと支え続けたた妻。一時は妻の扶養家族として、それでも彼は藻の研究をやめなかった。
そのあくなき探究心が人類を救う大発見につながった。

 そして、彼のすごいのはその研究をわが国の未来のために役立てようとしているということ。
彼をそこまでかきたてるものが何かはわからない。
しかし、彼は宮城県出身。
今回の大震災で、より強く、この国のためになることをと願っているのではないか。

 この「藻」が実用化されれば必ずやわが国は再生する!
 日本の未来は明るいのである。

mixiとfacebook

2011年05月28日 08時14分27秒 | 考え方
 最近、私が友人にfacebookを始めた話をしていると「mixiとfacebookはどうちがうんですか」と質問されました。

 「私自身よくわかっていないのですが、多分、情報開示の内容が違うんだと思うんです」と応える。
続けて、「facebookは学歴だけでなく宗教や思想まで公開できることはどんどん公開するんです」と。

 「それって危なくないですか(悪用されないですかの意味)」

 「そうですね、悪用しようと思えばできますよね。でも、コミュニケーションをとる上で前提となる『信頼関係』が必要だと思うのですが、まず人を含めた動物には見えないバリアがあって容易に受け入れようとはしませんよね。そのためには、まずこちらのバリアみたいなものを先に除去していないと深まりませんよね」

 「そうですよね」

 「facebookの面白い使い方の一つとして同じ価値観をもったコミュニティを自らが主宰できるということです」

 「・・・」

 「つまりですね。自分の考え方は常に変わっているんです。そして、その時々で『自分はこう考えるんだけど、どう思う?』と投げかけると、まずさまざまな意見が寄せられて、その中で同質の意見を持つ人だけを集めてコミュニティを形成することができるんです。一方で自分を匿名にすると、相手も匿名になるから、意見が責任あるものでなくなるのです。結果的には建設的な方向には向かわないということになります。」

 
 「mixiとfacebookのちがいは、日本人が形成するコミュニティと外国人が形成するコミュニティの本質的なものを突いているということですか」

 「少しオーバーかもしれないけれど、そうだと思います」

 「つまりfacebookはシェークハンドの文化だと」

 「そうなんです。握手をしてフルネームで名乗るところからコミュニケーションが始まる。相手の体温や握手の力強さみたいなもので相手の情熱や思いを感じる。そして、自分の名前を名乗り、それをきっかけに自分の情報を徐々に相手に伝えることで、相手のバリアを取り除いていくといった感じですかね」

 プライバシーを厳格に主張する米国で生まれたfacebookが世に受け入れられた理由は、その真逆的手法がコミュニティを形成する近道だと気づいたからかもしれない...

確かに可愛い!

2011年05月27日 22時07分04秒 | びっくり
 地元にいるスウェーデン人のBさんの子どもに始めて会いました。

 会うと必ず彼のベビーのS君の話が出てくる。
 「日本語に『親ばか』という言葉がありますが知っていますか?」と訊くと、彼は「どういう意味ですか?」と質問。
「君のような人のことをいいます。」
「???」

 でも、実際に会ってみると本当にかわいい!



 Bさん、「親ばか」でいいですよ。

「ゆらぎの灯り」展

2011年05月27日 06時06分36秒 | 地域情報/その他
 昨日から大街道のヒロヤ画廊で ~あかりを囲もう~「ゆらぎの灯り」展(6/7まで)が開催されるというので覗いてきました。
 行って驚いたのは行灯のようなインテリアが飾られていて、一瞬「なに?」と思ってしまったのが正直な気持ちです。

 

 そして、中には額の中にまで飾ってあるのです。

 

 でも、よく見ると覆ってある和紙がとても素敵なんです。
味のある、今風に言うと「ジャパン・クール」とでもいうのでしょうか。

 地元砥部焼きを使ったものもありました。

 

 また、伝統工芸作品の竹工芸に柿渋を塗った作品など、どれも素敵な作品ばかりでした。

 

 これほどまでに「和」に拘った作品を創られたのは

 主催・製造の株式会社オーシャンズ(連絡先 089-912-2253)。
 代表者の平田さんと重藤さんにいろいろな話をお伺いしました。

 ちっちゃな電球がランダムに点滅することで1/fのリズムを刻み、まるでろうそくの灯りのような揺らぎを感じるのです。
そして、ずっと見ていると心が落ち着いてきて、まさに「癒しの灯り」である。

 しかも、驚くことに電気代がLEDよりも安くつくとのこと。

 その席にいた松山大学の金森先生と意気投合し、弱まってきた家庭教育力を復活させるツールになるかもしれないと盛り上がり、しかも東日本大震災への貢献、環境保全にも貢献するイベントを思いつきました。乞うご期待です。

 追記:お菓子まで出していただいたヒロヤ画廊の梅林代表ありがとうございました。

 平田社長と重藤さんに協力いただきながら実現しようと思います。

備えあれば憂いなし

2011年05月26日 02時07分43秒 | 東日本大震災
今回の東日本大震災は本当に悲惨なことばかりだったが、その中でも「良かったね」と思わせる話を聞いた。

 昨日の朝の番組で、ある保育園の園児が全員助かったという話である。
その保育園は海の近くにあり、当然、つなみで跡形もなくなっている。

 しかし、自己判断のできない、歩くこともおぼつかない子どもたちが一人も命を落とさなかったというのである。

 近いところに避難する高台があったからか...

そうではない。
地震が来た瞬間、保育士の先生方がすぐにマイカーをとりに行き、(子どもたちを)乗せれるだけ乗せたと同時に出発したそうだ。
割り振りする時間もおしんで、乗せたそうだ。

 その基本には、すぐに出発する。

最後の車が先の車に乗せすぎたために空っぽになったとしてもかまわない。
迅速に行動を起こす。

 このことは、簡単にできるようでとっさの時にできることではない。

 園長先生は説明する。

 「平素の訓練でそのような行動が取れるよう訓練していました。
  ですから、地震が来た瞬間、車を取りにいく担当の先生は駐車場の方に全力でかけていました。
  そして、到着する車ごとに子どもたちをどんどん詰め込んでました。
  乗り切れなくなったところで、すぐに車を出発させる。
  (保育士の先生方)一人ひとりが自分の役割を理解し、適切に行動してくれたおかげです」

 凄い!!

そう思いませんか、みなさん。
尊い命、これから輝かなければならない命を、平素の訓練を怠らなかった先生方の行動がそれを救ったのです。

 行政に携わるものとして、この精神と行動に感服するとともに、見習わなければならないと思いました。

 命の大切さ、重さを常に感じる。

 まさに「備えあれば憂いなし」です。

Facebook デビュー

2011年05月25日 01時10分57秒 | インフォメーション
 ついにfacebookデビューをした。
 何人かの友人から誘いがあったのだが、これ以上PCに向かうのはいかがなものかと遠慮していた。

 しかし、酒向正春先生からの誘い。
これは、断れない。
悪戦苦闘しながら、入っていく。
すると、結構知った人たちがいる。

 「友達になる」をクイックする。(内心、「もう友達なんだけどなあ」と矛盾を感じながら押していく)
 すると、次々につながっていく。
 最近、音信のなかった人たちともつながっていく。

 疎遠になった人たちとバーチャル上でよみがえる。
 これって、結構はまってしまいそう。

 気がつくと、今日も夜中の一時を回っている。
 今日仕事帰りに、本屋でfacebookの有効な活用本みたいなやつを探そうと思っている私です。

パール婚式

2011年05月24日 04時33分03秒 | 家族の出来事
 昨日は、結婚30周年であった。

 ジュエリーショップに勤めている娘に(結婚30周年は)パール(真珠)婚式だと事前に知らされ、
「いいのがあったから買っといた。あとでお金頂だい」とメールが入っていたので頼む。
妻には内緒にするようにと口止めしていた。

 当日は早く帰り、私が手づくりの料理を作ることとなった。
買出しからしたわけであるが、帰ってからケーキを買い忘れたのに気づく。
そのことを家内に告げると「もう、ええよ。」とやさしく諦めさせられる。

 娘が帰宅。

 ケーキを持って帰ってきた。

 

 箱から取り出して驚く。
クマのプーさんとドラえもんに出てくる静(妻の名前と同じ)ちゃんが並んで鎮座している。
静ちゃんはわかる。
と言うことはとなりの私がプーか...

 ケーキを切る時、プーさんの耳が片方取れた。
そこで、私がもう片方も取ってみた。

 

 「ん?」

 どこかで見た顔...

 すると娘が腹を抱えて大笑い。

 「父さん、そっくり(大爆笑)」

 自分でも短髪にしたところだったので、内心あまりにの似ようにつられ笑い。

 食事の前に娘が用意してくれたジュエリーをプレゼントする。
はにかみながら喜ぶ妻...

 妻には迷惑ばかり掛けた。
夫婦の危機に娘が必ずと言っていいほど絆を深めてくれた。
「子は鎹(かすがい)」というがそのとおりである。

 それ以上に忍耐強い妻に感謝である。
どんなときも支えてくれた。
気の小さな私がここまでやってこれたのも妻のおかげである。
常に精進をしなければならないと教えてくれたのも妻である。

 本当にこんなつまらない男を三十年(正確に言うとそれ以上)も支えてくれた。
 今あるのは、あなたのおかげです。

 そして、それをつなげてくれた娘のおかげです。

 まとめて、

   ありがとう。


車椅子が翼になった

2011年05月23日 05時29分37秒 | つぶやき
 昨夜のテレビ番組「夢の扉+(プラス)」は障がい者の夢と希望につながる電動車いすをオーダーメイドしている西平社長の物語。
内容は、番組紹介から引用します。

 世界にたった一台のオーダーメイド・ハイテク電動車イス開発で40年
重度の四肢障害者の為の電動車イス作りに携わり約40年、これまで作ってきた車イスの数は2000台を超えた。
単なる足代わりではない障がい者が自由を手にできる、夢のオーダーメイド車イス作りに挑戦し続けるのは、アローワンの西平社長。

 50年前(1961年)筋ジストロフィーと診断された弟(守儀さん)、月日が経つと共にその病気は進行してゆく・・・
こうした中、少しでも自由な暮らしをさせてあげたいと父親らと一緒に電動車いすを作ったのがこの世界に携わったキッカケだった。
電動で座席を昇降させたり、リクライニングさせたりできるよう改良を重ね、移動の自由を得た弟は趣味の油絵も楽しめるようになった。
弟・守儀さんが19歳で他界したあとも同じように困っている人たちのために電動車イス作りに関わっていった西平。

 しかし、需要が少なく商売としてはとても厳しい電動車いすの業界。
10年前、西平が経営していた会社は1億を超える負債を抱え倒産、一時は自殺も考えた。
車イス作りとは離れようとしたとき、かつての自分の客から電話が入った・・・
「車イスを改良して欲しい」。
売ったら終わりではない電動車イス、自分が作った車イスを頼りに生きている障害者の人たちをここで裏切るワケにはいかない、西平は再び電動車いす作りを始めた。

 そして今、西平は40年前から想い描いた、ある車イス作りに挑んでいる。
今までの限定した場所でだけ自由に動けるものではなく、狭い家の中でも、段差の多い外でも自由に動ける夢の車イス作り。
レギュラー仕様の車イスに乗れない、身体状況の合う電動車いすがない、そうした人たちが諦めなくていい自由を手にできる夢の車イス作りを目指して・・・

***************

 西平さんの電動車いすを「翼」と表現していた利用者の話を聞きながら、西平さんは翼を作っていることに気づかされる。
 また、この番組を見ていて、スウェーデンに行ったときにTPO(時・場所・目的)に応じて車椅子があることを思い出した。
驚いたことに何百種類もの車椅子があるという。

 そして、古い建物の中、バリアフリーが施されていないことに気づく。
そのことを質問すると「文化伝統は頑なに守るべきだ。だが、困っている人がいたら、それにあわせた道具を作ったり周りの人が助ければいい」と言い切られた。

 内心「そうだよな」と思いながら、なぜか恥ずかしくなった。

いつかわかる

2011年05月22日 10時09分23秒 | 考え方
 あるテレビドラマの中のせりふに「死んだ父の口癖に『いつかわかる』をよく言っていました。そして、『どんな難しい本も、どんな難題も、逃げずに立ち向かっておれば、いつかわかる。』と言っていました。」

 確かにである。

 逃げないこと。
今、自分が置かれている立場を直視し、絶対に逃げないこと。
そして、どのような人にも誠意を持って接すること。
今なぜできないかを相手がわかるように説明し、一回でわかってもらえないなら粘り強くわかってくれるまで何度でも説明する。
説明しているうちに、相手の胸のうちが見えてくる。
相手が真に望んでいることが見えてくる。

 どんな相手も、怯(ひる)まない相手だとだんだん怖くなってくる。
そして、意識して見ないようにする。
 結果は、相手が逃げたことになる。

 へこたれない、打たれ強さには自信がある。
 どのようなときも、自分を楽しませる知恵や思いがある。

 その根底には、「人の役に立ちたい」という思いがあるから
 
  

ひたむきな匠の技

2011年05月21日 18時30分06秒 | つぶやき
今朝の「ガイヤの夜明け」(松山では2週くらい遅れています)という番組を観た。
内容は次のとおり。

高級で品質の良さが人気だった
「Made in Japan」=日本製品。
それがいま、大丈夫か?安全なのか?と、海外の国々から疑いの眼が向けられつつある。
原発事故による放射能拡散問題がきっかけだ。
国内では部品供給が滞り、生産、出荷は遅延...・消費の現場では買い控えと、経験したことのない痛烈な逆風が吹き付けている。
この危機を前に、日本企業はどう立ち向かい、逆風を跳ね返していくのか?日本が得意としてきた、「精密で高品質」なモノ作りで勝負する企業たちの闘いを追う。
時計大手のセイコーは、震災前、スイスの超高級ブランドに対抗すべく、精密技術の粋を集めた「高級時計」を開発中だった。現場はスイスでの世界的な展示会に挑み、一丸となっていた。
ところが「3.11」震災以降、会社を取り巻く環境は、激変した...。
「Made in Japan」の灯は消さない!ベテランの時計職人たちの「モノ作り魂」に火がついた。
風評を跳ね飛ばし、世界に名を轟かせる、その挑戦の結末は?他に、天空に煌めく星空を完全に再現できる、日本独自のプラネタリウム開発者も登場。
逆境に負けず、精緻な技術力で世界にその光を示せるか?

 この中の特にセイコーの技術部門の現場は壮絶を極めていた。
特に、腕時計から流れるチャイムの音にこだわり5年という歳月をかける。
こだわったのは、日本の鉄の文化が生み出した鉄の風鈴がかもし出す音。
澄み切った凛とした音。
そして、その余韻。
この余韻を出せないで苦労した。
そんなことにこだわる必要があるのか。
 だが彼はこだわった。
繰り返し繰り返し試行錯誤を重ねながら、その原因を突き止める。

 そして、思い描いた音が出せたとき、彼は涙する。

 日本文化のよさを知り、そのことにこだわり続けた。
そして、彼の技術は世界からも評価される。

 私たちの持つよさを突き詰めることで、新たな文化が生み出される。
 日本人でよかった...

普段着の気楽さ

2011年05月20日 19時24分43秒 | 考え方
 「私は子どもの頃、ひどいくらい人見知りで引っ込み思案でした」というと、「へぇ~」と言われる。
中には「嘘でしょう」と言われる方までいる。

 とにかく教壇に立って前で説明したり、自己紹介をするときなどは、順番が回ってくるにつれ心臓の動機がだんだん早くなるのがわかった。
そして、自分の番になったとたんに顔が真っ赤になって、次に頭の中が真っ白になって支離滅裂になるのである。

それがいつの間にか、人前で話すのが好きになり、できれば一回でも多く話したいと思うようになった。
この変化のきっかけはなんだったのだろう。

 自信がついたからか。
 では何の「自信?」

 一言で言うなら笑われる自信。
よくよく考えたら、人前に出て笑われないようにと願っていた頃は、おどおどしていた。
社会に出てから、まず自己紹介をする機会が増えた。
あるとき、ふと気づいたのである。
しゃべり方は上手くないのに、笑いの「つかみ」みたいなものを持っている人が。
けっして流暢に話すわけではない。
どちらかと言うと朴訥な感じなのである。
でも、余韻の中で「おもしろかった」のあとに「あじがある」みたいな感じになる。

 真似てみた。
でも上手くいかない。
その内、自分の味とその人の味は違うんだと言うことに気づく。

 そして、落語と「フーテンの寅さん」をよく観た。
話す「所作」が声だけでなく、表情やジェスチャー、そして「つかみ」と「間(ま)」が大事だということも見えてきた。
また、どんな話にも「起承転結」が必要であり、特に「結」の「下げ」という部分がはっきりと言うのではなく、相手側に好きに想像してもらうような「余韻」を残すことの大切さを知る。
 だが理論はわかっても、うまく実践できない。

 そこで考えたのは、自分のような人見知りをする人とたくさんしゃべることだった。

 なぜなら、そういうタイプがどのような人なのか、自分が一番よくわかっていたからである。
こういうタイプは、見えない「心のバリア」で自分自身を覆っている。
その中に入っていくには至難の業である。
ではどうするか。
相手を油断させることである。
緊張しているわけだから、相手のイメージを完璧に壊さなければならない。

 自分をタヌキ化(?)したイラストが入った名刺を渡す。
声には出ないが「エッ」という声が聞こえてくる。
そして、そのイラストと私を比べる。
大体は頭から足の先まで見てくれる。
すかさず「似ているでしょう?」と言うと首を立てにまで振らなくても納得している様子がわかる。
「疲れたときは、この名刺を見て笑ってやってください」という。
相手は、初対面の人から「自分のことを見て笑ってくれ」と頼まれるともっと驚くのだが、そこで簡単にそのバリアが消えてしまう。

 何が言いたいかというと、「普段着の気楽さ(弘兼憲史さんの著作からの引用)」を第一印象で植え付けられるかどうかで、その後の人間関係が決まってくるのである。

 そういうことが本当に自然にできるようになった。
 歳をとったからできる技なのであろうか...

つねにing

2011年05月19日 20時55分23秒 | 考え方
 今週からクールビズになったので、髪も短く切った。
朝礼のときに「ヘアスタイルが夏バージョンになりました」と言ったら笑われた。

 人は服装や髪型、表情や態度といった外見だけでなく、内面から出てくるものまであわせて成り立っているように思う。

 しかし、最近テレビを観ていて若い女性が同じファッション、ヘアスタイル、メイクなので見分けがつかず、つい「双子?」と質問をして顰蹙(ひんしゅく)を買う。
なんだか自分で型にはめ込んでいるような気がしてならない。

一時「個性」なんて言葉が流行ったが、もう死語なのだろうか。
型にはめようとしているのは、そこが終着点で、そこを目指しているためだろうか。
そんなのつまらないと思わないのか。

 人は常に変わっている。

 だから楽しい。

きっと相手も進行形(ing)の人間だから魅かれるのではないか。
進行形だからこそ相手の心をつかむことができるのだと思う。

 常に自分は未熟だと思って生きている。

だから、進化したり、変化したいとも思う。

 心は常に、ing

悩みが似合わない

2011年05月18日 22時39分46秒 | 考え方
 最近、さまざまな分野のさまざまな人たちから相談を受ける機会が多くなった。

 なぜ私なのか不思議に思う。
相談を受けるというのは、先方に悩みがあるからだ。
でも、相談を受ける私にだって悩みくらいはある。

 でも、どうやら悩みがある顔に見えないらしい。
損なのか得なのかわからない。
でも、そのことが得なんだと思うようにしている。
 
 どだい悩んだって仕方ない。
悩むからストレスもたまるし、ストレスがたまれば病気にもなる。

 人とちがって「ねばならない」とか「かくあるべし」なんて考えは、とうの昔に忘れてきた。
自分の人生を振り返ったとき、ほとんど落第点に近い。自慢じゃないが百点満点なんかとったことない。

 こんな私でよかったら、何時でも相談に乗りまっせぇ。

でも完璧な答を私に求めるのは無理ですよ。
なにしろ、悩まない私なんだから。

 ただ、ひたすら聞き役には徹することができます。
人に相談するとき、ほとんどの人がすでに答を出していて、その答えに向くようにアドバイスして欲しいと思っているだけ。
だから、ひたすら話を聞きながら、あなたの本音を探すだけ。

 人は結局自分で決めて自分の思い通りに物事が進まないと気がすまないのだから...