走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

降りてゆく生き方

2013年06月29日 22時33分57秒 | 映画

 今日は、ボランティアで映画上映イベントに参加してきた。
 タイトルは、「降りてゆく生き方」

   

 場所は、松山市の荏原公民館。
 この映画は変わっていて、映画館では上映しない。
 DVDも出さない。
 商業的なことが皆無な映画として希望する地に行き上映する。
 昔の巡回映画館のような感じである。

 いつものように代表の思いつきのよな発想で上映することになった。
 本当にタイトなスケジュールでの上映開催。

 「もう少し時間をくれ!!」と心に思いながら、それでも何とか時間調整をしてこぎつける。
 他のメンバーも恐らくそうだろう。

 入りを心配していたが、予想以上に(人が)集まった。

   

 紹介DVDは事前にチェックをしていたが、本編を見て涙した。
 胸につかえていたものが、「スー」と抜けていくような感じがした。
 肩の力も抜けた。

 つくづく人は登っていく生き方しかしていないんだということを改めて思い知らされる。
 宇宙から銀河系、そして太陽系、地球、日本、四国、愛媛、松山、そして家族、自分へと降りてゆく。
 なんだか自然体になれるような気がした。

 この映画は愛媛県では初めての上映。
 希望すれば来てくれる。

 売上金のほとんどは、東日本など無料で上映したいところのために使われているとのこと。
 心が荒(すさ)んだり、折れそうな時にぜひ観ていただきたい。

 上映後、この映画の音楽プロデューサーの柴木さんに登壇していただき、この映画の製作エピソードや思い入れについてお聞きした。

   

   

 そして、代表の佐伯康人とちょっと絡んでもらう。

  

  

 ぜひ、ぜひ、我もと思われる方、本映画を誘致してください。

 

映画 奇跡のリンゴ

2013年05月20日 23時13分31秒 | 映画

 皆さんは知っていますか。
 木村秋則さんを?

 りんごを自然栽培で育てると決めて11年目にやっとリンゴが実り、そのりんごが「奇跡のリンゴ」と呼ばれているのを
 インターネットで販売すると数分で売れてしまうというシロモノです。
 自身もNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出ておられました。
 私たち、NPOユニバーサルクリエートの自然栽培の師匠でもあります。

 その師匠のお話が映画になり、6月8日から封切りになります。
 内容は次の通りです。

 阿部サダヲ、菅野美穂が夫婦役を演じ、不可能と言われたりんごの無農薬栽培に取り組み続けた木村秋則さんの実話を映画化したドラマ。
 日本最大のりんご畑が広がる青森県中津軽郡で生まれ育った秋則は、りんご農家の娘・美栄子とお見合い結婚して婿入りし、りんご作りに携わるようになる。
 しかし、りんごの生産に不可欠な農薬が美栄子の体を蝕んでいることがわかり、秋則は、絶対不可能と言われていた「りんごの無農薬栽培」に挑む。
 私財を投げ打ち、10年にわたり挑戦を続けるが、無農薬のりんごが実ることはなかった。
 周囲からは白い目で見られ、家族は貧困に打ちひしがれるが、そんなある時、荒れ果てた山の中で果実を実らせた1本の樹を見つける。
 原作は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」制作班が監修した「奇跡のリンゴ 『絶対不可能』を覆した農家・木村秋則の記録」(石川拓治著/幻冬舎文庫刊)。
 監督は「ゴールデンスランバー」「チーム・バチスタの栄光」の中村義洋。

 ぜひ、ご覧ください。


映画 県庁 おもてなし課

2013年05月19日 09時19分41秒 | 映画

 昨夜、映画「県庁おもてなし課」を観に行く。
 あらすじは次のとおり。

 全国が観光ブームに沸く中、高知県庁は観光促進を目的に「おもてなし課」という新部署を設立した。
 ……が、やる気はあるが空回りする若き職員・掛水(錦戸亮)をはじめとするメンバーたちは、何から始めていいのかわからず戸惑うばかり。
 そんな様子を、地元出身の人気作家・吉門(高良健吾)から"スピード感のないお役所気質"だと強烈にダメ出しされる。
 掛水は、指摘された"柔軟な民間感覚"を補うべく、優秀なアルバイト・多紀(堀北真希)を他部署からスカウト。
 二人は吉門の言う、かつて独創的な観光プランを提唱しながらも県庁を追われた伝説の元職員・清遠(船越英一郎)の力を借りるべく、彼を訪ねる。
 しかし、父親を追いやった県庁を憎む、清遠の娘・佐和(関めぐみ)に追い返されてしまう……。

 二人は数々の壁を越え、ふるさとでの本当の「おもてなし」を見つけ出すことが出来るのか?
 掛水と多紀、すれ違ってばかりの恋の行方は?? 
 高知に戻ってきた吉門の秘めた想いとは???
 今、ふるさとから日本を元気にするためのビッグプロジェクトが動き出す!!

 映画を観て、久しぶりに原作も読もうかなという気がしました。
 人にはさまざまな思いがあり、その思いを貫くためには様々な障害が生まれます。
 その障害を乗り越えられるかどうかが、その思いをカタチにすることだと思います。
 そして、どのレベルで妥協するかも大切な要素です。
 この映画には、そのようなことが凝縮されているような気がしました。
 
 
 
 

映画「リンカーン」に学ぶ点

2013年04月22日 00時37分44秒 | 映画

 この映画の中で「奴隷制度」を廃止するかどうかについて、上院では廃止で憲法の修正案が通っていた。
 しかし、下院ではねじれ現象が起こっており、一度廃案になっていた。

 一方、南北戦争が終焉を迎え、この修正案を通すことを優先するのか、戦争終結を優先するのかの駆け引きが行われる。

 リンカーン大統領は人間の本質を見抜いていて、(人民が)のどもとを過ぎれば熱さを忘れることをよく知っていた。
 そして、法律に精通していた彼は、アメリカの憲法と州法の関係を熟知していた。

 法律には3つの原理がある。
 一つは、上位法優先の原理。
 二つ目は、後方優先の原理。
 三つ目は、特例法優先の原理。

 州法は、憲法に明記していなければ独自に作れるというシステムがある。
 つまり、3つ目の特例法的な位置づけか。

 このことをリンカーンはよく理解していた。
 そして、憲法改正には人民の後押しがいることも。
 戦争終結を優先すると、北軍の人民でさえ、南軍の主張する奴隷を戦利品として捉え、南軍と同様の扱いをすると考えたからである。
 これでは何も変わらない。
 だからこそ、修正案を先に通すことを優先した。
 この考え方は、彼が高邁な理想をうたいながら、いかに現実主義者であったかということである。

 彼の戦略戦術は、憲法改正を行い、上位法優先の原理と後方優先の原理から従来の州法を批准する方策を考えたのである。

 そして、修正案を通すためにはアウトローであったロビストたちも使った。
 おそらく、ロビストが表舞台にたったきっかけを彼は作ったかもしれない。
 そして、自らネゴにも回った。
 ただ、彼は媚びなかった。

 政治家として大切なことを切々として訴えて行くだけである。
 そして、心動かされた政治家たちが真の考えを表に出す。

 イデオロギーはさまざまな価値観や利害などによって形作られていく。
 個人のレベルで、その時々で政党の方向性とは異なったとしても、政党政治の中では数の論理が優先されるために、個人の考えを殺さなければならない場合がある。
 これが政治家の永遠の苦悩かもしれない。

 リンカーンはこのことを踏まえたうえで、人民のためにとって何が大切なのかを訴えた。
 だからこそ、彼は人民から愛され、慕われた。

 そして、彼は何よりも温かであった。

 

映画「リンカーン」

2013年04月21日 09時49分33秒 | 映画

 昨夜、レイトショーで「リンカーン」という映画を観て来た。
 予告がよかっのと自分にとって因縁のある人物なので見逃したくないという思いがあったからである。

 映画の内容は、ホームページから引用する。

 スティーブン・スピルバーグ監督が、名優ダニエル・デイ=ルイスを主演に迎え、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの人生を描いた伝記ドラマ。
 貧しい家に生まれ育ち、ほとんど学校にも通えない少年時代を送ったリンカーンだが、努力と独学で身を立て大統領の座にまでのぼりつめる。
 しかし権力の座に安住することなく奴隷解放運動を推し進めたリンカーンは、一方でその運動が引き起こた南北戦争で国が2つに割れるという未曾有の危機にも直面していく。
 奴隷制度廃止を訴えた共和党議員タデウス・スティーブンスにトミー・リー・ジョーンズ、リンカーンの妻メアリー・トッドにサリー・フィールド、息子のロバート・トッドにジョセフ・ゴードン=レビット。
 脚本はスピルバーグ監督作「ミュンヘン」のトニー・クシュナー。
 第85回アカデミー賞では同年度最多12部門にノミネートされ、デイ=ルイスが史上初となる3度目の主演男優賞受賞となった。

 私は生まれてはじめて呼んだ伝記が「リンカーン」であった。
 そして、読書感想文を書いたのもリンカーンであった。
 つまり、読書感想文の題材として選ぶために「リンカーン」を選んだのである。
 この読書感想文で何か賞をもらったので余計に覚えている。

 本内容で覚えているのは、子どもの頃、家の周りにいた親子の鹿を父親が獲ってきて食卓にスープに上がったとき、彼は一切手につけなかったし、それ以降も口にしなかったということ。
 また、家にお金がなかったので独学で測量技師になり、さらには弁護士になり、政治家への道を歩み、最後は大統領になったというものである。
 そして、次のような名スピーチが記されていた。

 ゲティスバーグ演説は、272語1449字という極めて短いスピーチであったにもかかわらず、リンカーンの演説の中では最も有名なものであり、また歴代大統領の演説の中でも常に第一に取り上げられるもので、独立宣言、合衆国憲法と並んで、アメリカ史に特別な位置を占める演説となっている。
 特に「...人民の、人民による、人民のための政治... (...government of the people, by the people, for the people...)」という一節が有名であるが、この著名な一節はリンカーンのオリジナルではないそうだ。

 この日ゲティスバーグにはカメラマンもいたが、マイクロフォンなどない時代、リンカーンの演説が始まってもカメラマンはそれに気づかず、ようやく気づいて写真を撮ろうとした頃にはもう演説が終わっていたという。
 そのためこの歴史的演説を行っているリンカーンの鮮明な写真は存在しない。
 また演説そのものはリンカーンが祈るような小さな声で述べ、だれも注目しなかったが、たまたま書き留めていた記者が記事にして爾後有名になった。


 ジョン・F・ケネディは大統領就任演説原稿を草稿するに当り、過去の名大統領といわれる人たちが短いスピーチだということに気づいたという。
 そうだからこそ、心に残る。
 しかし、短く書こうとすればするほど難しいということを今の仕事に就いて思い知る。

 映画に戻るが、私の知らないリンカーン像を知る。
 とてもウィットにとんだ会話を愉しんだ人。
 豊富な例え話を引き出しとして持っていて、それを会話の中に絶妙に織り込んだ人。
 何よりも、政治だけでなく、法律に精通し、目的のためなら清濁を飲める人。
 そして、人間の本質を見極め、そのための手段をタイミングを見ながらコントロールできる人。
 私たちがよく「ネゴ」という言葉を口にするが、そのことをよく熟知していた人。
 つまり、「しなやか」かつ「したたか」な人であった。

 ぜひ、行政マン、必見の映画である。

下町ロケット 第二弾

2013年02月11日 21時43分43秒 | 映画

 以前、小説「下町ロケット」をこのブログで紹介したことがある。

 この小説がWOWOWでドラマ化され、DVDになっているものをレンタルビデオ屋で見つけ、この連休間に観た。
 このホームページから紹介すると

 ストーリーは、

 ●第一話
  かつて、宇宙ロケットの開発を担当していた下町の町工場・つくだ製作所を経営する佃航平(三上博史)のもとに、一通の訴状が届く。
  自社の主力製品が、大企業・ナカシマ精機の特許を侵害しているというのだ。
  相手の法廷戦略により、製作所は存亡の危機に立たされる。
  一方、帝国重工では国産ロケット打ち上げ計画が進んでいたが、その責任者・財前道生(渡部篤郎)は衝撃的な事実を知る。
  自社開発した部品の技術が、既につくだ製作所の特許技術として登録されていたのだ。

 ●第二話
  佃(三上博史)はナカシマ精機との第1回公判を終え、慣れない特許裁判の先行きに不安を感じる。
  裁判の影響からつくだ製作所は大口取引先との契約も徐々に停止され、社員達に動揺が広がる。
  そんな矢先、特許裁判を得意とする弁護士・神谷涼子(寺島しのぶ)が佃のもとを訪れ、ある提案をする。
  一方、帝国重工の財前(渡部篤郎)は、主要部品の特許取得がつくだ製作所に先を越されていたことの責任を上司の水原から追及される。

 ●第三話
  佃(三上博史)は帝国重工・財前(渡部篤郎)からの特許買い取り提案を拒否する。
  会社の経営状況を心配する社員達は、その決断を下した佃に対して反発。
  部品供給という夢を主張する社長の佃と、現実的な考えを持つ社員達の間に溝が生まれる。
  一方、財前も特許が手に入らず、社内での立場が危うくなっていた。
  佃に弁護を名乗り出た神谷(寺島しのぶ)であったが、ナカシマ精機側の弁護士・大川から思わぬ妨害を受け困惑する。

 ●第四話
  佃(三上博史)は元同僚の本木からロケット技術者に復帰しないかと誘われ、夢と現実の間で思い悩む。
  つくだ製作所の担当を外された財前(渡部篤郎)に代わり、部下の富山が部品供給のテストを実施。
  技術面、財務面ともに厳しい基準で審査する帝国重工に対して、つくだ製作所の社員達は自信を失う。
  一方、長引いていたナカシマ精機との特許裁判であったが、神谷(寺島しのぶ)がとった行動をきっかけにして、事態が急転する。

 ●最終話
  一致団結したつくだ製作所は持ち前の技術力を発揮し、部品供給のテストで好成績を得る。
  しかし、納品において予想外のミスが発覚。
  佃(三上博史)は富山からテスト中止を通告される。
  再納品を懇願する佃に対して、富山は断固としてそれを拒否。
  望みを絶たれた佃の前に、財前(渡部篤郎)が現れる・・・。
  果たして、佃は自らの夢、そして仲間、家族の夢を乗せて、ロケットを宇宙へと打ち上げることができるのだろうか。


 なかなか面白そうでしょ。ワクワクしながら、時に痛快に観れますよ。
 そして、この中で佃社長の名せりふ

 「会社というのは二階建ての家のようなものだと思う。一階で生活し、二階で夢を見る。一階がしっかりあって、はじめて二階がある。二階がなければ、その日その日暮らしになってしまい疲れきってダメになってしまう。そんなものだと思う」と語るシーンがある。


 私たちは、後輩や部下たちに「夢とは何か」、「夢とはこういうものなんだ」と語ったことがあるだろうか。
 そして、「夢に向かって進むためには何をしなければならないか」を語ったことがあるだろうか。

 今、多くの若者が夢をみつけられずに組織を辞めようとしている。
 人はその若者たちを批判したり、中傷するかもしれない。

 その前に、私たち自身が、そういった若者に対して、本当に夢を語り、夢を実現するため何をなすべきかをどのように導いたか、胸に手を当てて考えてみる必要がある。


木下恵介 監督

2013年01月17日 22時34分13秒 | 映画

 今夜のNHKのクローズアップ現代は、「木下恵介監督」の特集だった。

 取り上げた理由は、木下監督の映画作品がいま世界中でリバイバル上映され、再評価の機運が高まっているというのである。
 木下作品には、貧困・戦争など時代に翻弄される「人間の弱さ」が描かれ、そこに深く「共感」する監督の眼差しがあるというのだ。
 では、その共感を観る側がどのように感じ取っているのか。

 恐らく高度経済成長を経て、いまなお、不況から脱出できない日本。
 そこでは、まさに時代に翻弄される人々が多くいるはず。
 しかし、そうした人々が描かれることは、決して多くない現状で、木下監督の作品に、ある種の救いを見出しているのではないかというのだ。

 若い人たちには、木下監督はなじみがないであろう。
 そして映画監督として、あの世界のクロサワと並び称された時期があることを。
 だが、私とて代表作の一つ、「二十四の瞳」は生まれる前の作品だ。

 私がその名前を知ったのは、テレビドラマの木下恵介ドラマシリーズだったと思う。
 私がはっきりと覚えているのは、竹脇無我、栗原小巻、それにあおい輝彦(アイドルがテレビドラマに出た画期的な出来事でもある)が絡むといった内容だったと思う。
 タイトルは覚えていないが、互いが好意を抱きながら合えるに合えない、母に言わせると「君の名は」的なストーリー展開だったような気がする。

 そして、近くはお隣・韓国の「冬のソナタ」もストーリー展開が似ている。
 しかも身近な主人公にスポットライトをあてていたような気がする。

 世の中が殺伐としてきた今だからこそ、不条理なことに翻弄されながらも必死で生きていく人がいる。
 そういった人たちが報われる世の中を私たちは創らないといけないと改めて思った。

 


 

奮闘努力の甲斐も無く

2012年12月10日 19時25分03秒 | 映画

 最近、帰宅時につい口ずさむのがフーテンの寅さんの中で流れていた挿入歌である。

 「奮闘努力の甲斐も無く、今日~の涙の、今日の涙の日が暮れる、日が~暮れる」と

   調子よく唄いながら帰宅することが多い。

 別に仕事で苦労したというわけでもないのだが、つい夕暮れになると口ずさむのである。

 そういえば、渥美清さんは俳句をやられたというのを本で読んだことがある。
 俳号は、「風天」。渥美さんらしい。

 渥美さんの句を紹介すると、

  お遍路が一列に行く虹の中

  赤とんぼじっとしたまま明日どうする

 これも渥美さんらしい。

 そして、フーテンの寅さんには、心に残る名台詞が残っている。

  あぁ生まれてきて良かったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか?

  お前とおれとは別な人間なんだぞ。早え話がだ、おれが芋食って、お前の尻からプッと屁が出るか!

 心が折れそうになる時、フーテンの寅さんのDVDを借りてきて笑顔と勇気を取り戻す。
 
 そして、年の瀬も押し迫り、今年は母が亡くなったので年賀状が出せない。
 そこでフーテンの寅さんがおいちゃんにあてた年賀状を紹介させていただく。

  新年おめでとうございます。思い起こせば旧年中は恥ずかしきことの数々、私
  深い反省の中に新しき年を迎えておりますゆえ、本年もどうぞよろしくお願い致します。

                                   車寅次郎 拝

 来年こそは、いい年になりますように!

のぼうの城

2012年12月02日 20時45分53秒 | 映画

 久しぶりに映画館で観てよかったという映画を紹介しよう。

 「のぼうの城」である。
 小説は既に読んでいたので筋的にはおもしろいことはわかっていた。

 しかし、映画の持つ魅力からか、最後までワクワクしながら観てしまった。
 そして、主役の野村萬斎さんの演技は、圧巻だった。
 この人をおいて他には絶対いないと思わせる演技だった。

 あらすじは、こうである。

 舞台は武蔵国忍城(埼玉県行田市)。
 “のぼう様(でくのぼうの意)”と領民から慕われる城代・成田長親(野村萬斎)は、天下統一を目指す豊臣秀吉方2万人の大軍を指揮した石田三成の水攻めに、わずか500人の兵で対抗する。

 深く書くと怒られそうなのでこれ以上はふれない。
 でも、とにかくおもしろい。

 主人公・成田長親は、普段はひょうひょうとしながらも肝心なところでの毅然とした態度には、現代の日本が求めるリーダー像が垣間見えたと、取材を行った鈴木元さんも言っている。

 鈴木さんの文章を引用すると、
 長親は、小田原城に向かった氏長から三成率いる天下軍に対し無条件で開城せよとの命を受ける。
 本人もそのつもりだったが、使者である長束正家の不そんな態度に表情を引き締め「戦いまする」と言い放つ。
 とても戦略があるようには見えず、丹波たちもあっけにとられる。 
 その後の現代的な言葉遣いのような丁々発止のやりとりが実に面白い。

 2万対500。

 数の論理では圧倒的不利は明らか。
 それにあえてあらがい、領民も一体となって反撃を見せる合戦シーンが小気味良い。
 長親は合戦には参加せず、総大将として戦況報告を受ける立場だが、周囲の奮闘に押されるように武将として頼もしくなっていく。

 「自他ともに認めていない人が、だんだん勝負師の器があることが見えていく眠れる獅子が目を覚ますイメージ。
  マスクは格好良くないんだけれどね(笑)。
  そこに人間の成長や不思議がある。
  のぼう様は彼自身がそれを見いだしたわけではなく、周りが引き立てることで伸びていった。
  それは無意識のうちに、本質的なことのみを考えて行動していたから。
  降伏して当然だけれど、人間の尊厳として数が多けりゃいいのかと。
  全部が理詰めで落ちてしまって先が見えるとつまらないと思う。
  この映画はある意味、『のぼう様はしようがねえなあ』というところから始まっているのかもしれません」と萬斎さんも語る。

 何よりも萬斎さんの真骨頂である狂言を踏まえたシーンがある。

 ラストに近い一番山場のシーンと言ってもいいかもしれない。
 自身も次のように語っておられる。

 「あそこは2万対1。
  2万人を1人で乗せるにはどうしたらいいかといったら、まあ小難しいことより下ネタだろうと。
  いきなり変なヤツが出てきて、寝小便してお尻見せてというところから始まって、すきを見せれば恐らく興味を持ち始める
  だろうから、そこから振り幅をつくりだんだん乗せていくということを考えました。
  (相手に)撃たせる狂騒感を大事にしたいなとも思いました。
  皆が楽しくなっていく中で、僕の目だけがマジになっていくのはすごく好きですね。
  ふざけた感じからちょっと怖い感じになっていく、合戦以外のシーンでの見どころでありたいなと思います」

 そして、小説では気付かなかった、主人公・長親の大衆心理をつかむ力。
 それは策を労したわけでなく、何よりも平素の自然体の生き方が大切であるということの証みたいなものを感じた。

 私たちが市民と接するときの姿勢を学ばせてくれる貴重な映画でもある。

映画 「ふたたび」

2011年10月06日 20時24分48秒 | 映画
 週末に借りたレンタルDVDの映画が素敵だったので紹介しよう。
最初は、ハンセン病患者に対する差別撤廃を訴えかける意識啓発映画かと思った。
また、作りつけも予算が少なかったせいか、もう一つのような感じがしたが、財津一郎さんをはじめ、犬塚弘さんなど渋い役者人が脇を固めている。
そして驚いたのは、ナベサダこと渡辺貞夫さんが出演し、久しぶりに彼のサックスを聴く。

 さっそく、ナベサダのCDを引っ張り出して彼の音楽を聴く。
やはり彼は、日本が生んだ世界的なサックス奏者やと再認識した。
秋の夕べには、彼のサックスがええぞなもし...

 ところで、映画のほうのストーリーだがホームページから引用し、紹介させてもらう。

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 いつも心にジャズが流れる街、神戸。

 大学生の貴島大翔(21)には、密かに憧れるジャズバンドがあった。

 “COOL JAZZ QUINTETTE” ――

 それは、たった1枚のLP盤を残して忽然と姿を消してしまった幻のバンドである。
 大翔は家に保管されていたコレクションの中に偶然そのLPを見つけ、熱烈なファンになった。

ある日、父・良雄が重い口を開いた。
 亡くなったと伝えていた祖父は生きている。
 ハンセン病療養所から50年ぶりに戻るから、我が家へ引き取ることにした、と。
 大翔には、生まれて初めて会う祖父・健三郎との接し方がわからない。
 頑固一徹。会話もない。
 ところが何の気なしに聴かせた一枚のレコードに、健三郎の表情が一転した。

 「嘘だろ?爺ちゃんが、COOL JAZZ QUINTETTEのトランぺッター?」
 しかし、健三郎は多くを語らなかった。
 そんな健三郎が、黙って家を出た。
 「人生でやり残したことがある。50年前のバンド仲間を探したい」
 巻き込まれるようにして、大翔はこの旅に同行することとなる。

 こうして、急ごしらえの祖父と孫の旅は、かつてのバンドメンバーを訪ねる形で、神戸から京都、そして和歌山へ・・・。
 50年ぶりの再会に戸惑いながら、健三郎の訪問に喜び、泣き、笑い、興奮する友人たち。
 そんな中、一人の女性の存在が明らかになる。
 彼女は、COOL JAZZ QUINTETTEのピアニストで、ハンセン病の健三郎の子供を産んだことで、家族からも子供からも引き離され、一人さびしく死んで行ったのだという。
 健三郎が一番会いたかった人とは、この女性=祖母だったのだ。

 大翔は、この旅を通して祖父から父・良雄を経て、自分へと繋がる家族の絆を知るのだった。
 2人の旅が終わりを迎える時、そこには思いがけないサプライズが待っていた。
 神戸の憧れのジャズクラブ「SONE」で、50年間果たせなかった
 COOL JAZZ QUINTETTEのライブを実現出来ることになったのだ。

 感動のラストステージが、今、幕を開ける――。

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 秋の夜長、皆さんも素敵な映画と大人の音楽を聴いてみてはいかがでしょう。

あなたは知っていますか?アメリカで桜が満開になる事を。

2011年03月21日 18時34分41秒 | 映画
映画「さくら、さくら」

 高峰譲吉という人物をご存知でしょうか?
サムライ化学者と言われ、エジソンやロックフェラーと並び称される人物であり、彼の伝記映画が「さくら、さくら」です。
以下、ホームページなどを引用します。


 近代バイオテクノロジーの父「高峰譲吉」とその妻「キャロライン」は、1884年(明治17年)ニューオリンズで恋に落ちる。譲吉30歳、キャロライン18歳。それはまさしく運命の出逢いだった。そして二人は結婚。
これは記録に残された日本人とアメリカ人の結婚としては最初のものであった。

本作は、明治という日本の新たな幕開けともいえる時代を背景に、今もなお医学界においてはなくてはならない「アドレナリン」と「タカジアスターゼ」を生み出した化学者、「高峰譲吉」の半生を描く壮大な物語である。そして12歳年下の米国人妻「キャロライン」。彼女のアメリカ気質の性格が、彼の研究に与えた影響は多大なものである。

だが、1世紀以上も前となる当時の国際結婚は、順風満帆とはほど遠く、波乱と試練の日々であった。
しかし二人は数々の困難を乗り越えて、次々と奇跡を起こすのである。
ワシントンのポトマック湖畔とニューヨークのハドソン河の岸に咲く「満開の桜」。
これは、日本とアメリカの架け橋となった二人の愛の物語なのである。


チェック:ワシントンD.C.への桜寄贈の立役者であり、医学の発展に大いに貢献した化学者・高峰譲吉の生涯を映画化した伝記ドラマ。『ジュテーム~わたしはけもの』の加藤雅也が、現在も胃腸薬などに使われるタカヂアスターゼを発明する一方、激動の明治時代に日本とアメリカの架け橋となった化学者を演じる。監督は『赤龍の女』の市川徹。20世紀初頭の世界をリードする高峰の生きざまはもちろん、妻となる運命の女性とのラブストーリーにも注目だ。

ストーリー:1883年、イギリス留学から戻った譲吉(加藤雅也)は、先祖代々続いていた医者の家を継がず、「万人の命を救いたい」との思いから化学者として生きることを決意。その翌年、ニューオリンズにいた30歳の譲吉は、18歳のキャロライン(ナオミ・グレース)と運命の出会いを果たし、数々の困難を乗り越えて結婚する。


必死剣 鳥刺し

2010年07月24日 22時30分19秒 | 映画
私は藤澤周平の作品が好きで、今やっている映画「必死剣鳥刺し」を今夜のレイトショーで観ようと新聞の映画欄を見た。
なんと、9時半と12時半の2回しか上映していない。
こんな場合は、上映が早く終わる。
時間は11時過ぎ、慌てて家内に映画を観に行くことを宣言。
早めのランチを済ませ、身支度をして出かける。

家から15分のところに映画館がある。
チケットを買って座って待っていると、入場案内のアナウンスがある。
観客は私を含めて7人。
寂しい。

映画のあらすじは次のとおり。

海坂藩に属する中級武士、兼見三左ェ門は、能楽の観衆たる藩士たちの目前で藩主・右京太夫の側室、連子を刺殺した。
生活が贅を極め、それを諌めた忠臣を切腹に追い込んだ毒婦ながら、彼女を殺めた兼見は打ち首が相応と思われただけに、中老津田から一年の閉門と降格の罰のみを申し渡された兼見は驚く。
しかし、それが津田の藩主への嘆願ゆえと聞かされた彼は、温情に背かず刑期を過ごすのだった。
姪の里尾のみを世話係として傍におき、禄なき暮らしを続ける兼見をよそに、藩主の政策は身勝手を極め、農民たちは重すぎる年貢に直訴を試みんとしていた。
それを止めた藩主の従弟である隼人正は、次第に藩主への不信の念を深めていった。
彼が謀反をたくらんでいるとの噂を聞きつけた津田は、ある日秘剣を会得するという兼見を呼び、密命を託すのだった。

観終わって帰りながら、「やっぱり『蝉しぐれ』が一番やなあ」と思っていたら、つい帰る途中にあるレンタルビデオ屋さんによってしまい、「蝉しぐれ」と「山桜」を借りてしまった。
あきれるくらい藤澤周平が好きな私です。

書道ガールズ

2010年05月14日 06時16分58秒 | 映画
明日(5月15日)土曜日から、映画「書道ガールズ(http://wwws.warnerbros.co.jp/shodo-girls/)」が封切りされます。

この映画は地元の南海放送が7年間、番組で追い続けてきた愛媛県四国中央市の県立三島高校書道部 元祖「書道ガールズ」が、NTV・ズームイン!!SUPER(http://eiga.com/buzz/20091224/2/)発で映画化されたものです。

今、「紙のまち」四国中央市では、この映画でまち全体が燃えているとのこと。
同じ愛媛県人としては、応援したいと思います。

また、南海放送では、三島高校書道部を追ったドキュメント番組も、9月4日(土)10:30~NTV系で全国放送するとのこと。

放送局と映画とまちづくり、新たなマーケティング手法として確立すると楽しいですね。

映画「マディソン郡の橋」

2009年12月01日 23時12分59秒 | 映画
 今日、BSで「マディソン郡の橋」をやっていた。
 どうやらクリント・イーストウッドの作品集のシリーズの一環だったようである。

 この映画を観ていない方もおられると思うのでフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用します。

マディソン郡の橋(The Bridges of Madison County)
 監督 クリント・イーストウッド
 製作 クリント・イーストウッド
    キャスリーン・ケネディ
 脚本 リチャード・ラグラヴェネーズ
 出演者 クリント・イーストウッド
     メリル・ストリープ
 音楽 レニー・ニーハウス
 主題歌 『DOE EYES(Love Theme From THE BRIDGES OF MADISON COUNTRY )』
 撮影 ジャック・N・グリーン
 編集 ジョエル・コックス
 配給 ワーナー・ブラザーズ

 『マディソン郡の橋』(米:The Bridges of Madison County)は、1992年に発売されたロバート・ジェームズ・ウォラーの同名小説を原作にしたアメリカ映画。1995年9月に公開された。

 アイオワ州の片田舎で出会った、平凡な主婦と中年のカメラマンの4日間の恋を描く。

 1989年冬。アイオワ州マディソン郡。
フランチェスカ・ジョンソン(メリル・ストリープ)の葬儀を出すために集まった長男のマイケル(ヴィクター・スレザック)と妹のキャロリン(アニー・コーリー)は、母の遺書に「死んだら火葬にしてほしい」とあるのに当惑する。
2人は彼らに当てた母の手紙と日記を読み始める。
 65年秋。フランチェスカは結婚15年目で単調な生活を送っていた。
夫のリチャード(ジム・ヘイニー)と2人の子供がイリノイ州の農産物品評会に出掛け、彼女は4日間、一人で家にいることになった。
 新鮮で開放的な気分になった彼女の前に、プロ・カメラマンのロバート・キンケイド(クリント・イーストウッド)が現れ、道を尋ねた。彼は、珍しい屋根付きのローズマン橋の写真を撮りに来ていた。
フランチェスカは彼の魅力に引かれ、その晩、夕食に誘う。
彼が宿に帰った後、「明日の晩、もう一度いかが?」とのメモを、明朝の撮影で彼が訪れる橋の上に残した。
翌日、2人はホリウェル橋の上で落ち合った。
二人は次第に打ち解け合い、キンケイドは新しいドレスを着た彼女の手をとり、ダンスを踊った。
自然の成り行きで一晩中愛し合った2人は、次の日、郊外でピクニックを楽しんだ。
残り時間がわずかなことに気づき始めた彼らは、その夜、親密に抱き合った。
最後の朝はぎごちなさと不安の中で迎えた。フランチェスカは「これはお遊びなの?」となじるが、彼は「一緒に来てくれ」と言う。
悩み苦しんだ末に、荷物をまとめた彼女だったが、家族のことを思うその顔を見て、キンケイドは去った。
 夫と子供たちが帰ると、元の日常が戻った。
 数日後、夫と買い物に街に出掛けた彼女は、降りしきる雨の中、立ち尽くすキンケイドの姿を見た。
車から出ようとドアのノブに手をかける彼女だが、どうしてもできない。
そして、彼とはそれきりだった。
 79年、夫リチャードが死去。
彼の死後、フランチェスカはキンケイドに連絡をとろうとしたが果たせず、やがて彼の弁護士が彼の死を報せ、遺品が届いた。
手記を読みおえたキャロリンとマイケルは、母の秘めた恋に打たれ、2人は母の遺灰を彼女が愛したキンケイドと同じように、あの橋から撒いた。

 キンケイドとフランチェスカの雨が降りしきる別れの場面、交差点で信号が赤になりキンケイドの車が止まり、その後ろにフランチェスカの夫が運転する車が続いて停車する。
キンケイドは彼女が自分のもとに来ることを期待して、信号が青になってもなかなかスタートしようとしない。
フランチェスカはドアのノブに手をあて、まさに空けようとした時、夫が無情にも警笛を鳴らす。
そこで、フランチェスカは我に変える。
女から妻と母親に戻る瞬間をメリル・ストリープは見事に演じる。

 本当に泣けるシーンであった。

なくもんか

2009年11月21日 23時55分37秒 | 映画
 今日、家族で映画「なくもんか(http://www.toho.co.jp/lineup/nakumonka/story.html)」を観にいった。
 よくよく考えたら親子三人で揃って映画を観にいったのは初めてかもしれない。

 娘が東京から帰ってきて、遊び相手がいないためにイヤイヤ付き合ってくれたのか、それとも大人になり我慢できるようになったのか。

 私たち夫婦は正直何を観てもよかった。
 当然選択権は娘にある。
娘はクロカンと阿部サダヲさんが組んだ映画が好きである。
当然、映画は「なくもんか」になった。

 ストーリーは、次のとおりである。(東宝ウエップサイトより)

 幼い頃、無茶苦茶な人生を送る父に捨てられ、生き別れた兄弟がいた。
兄・祐太(阿部サダヲ)と弟・祐介(瑛太)。
不幸な生い立ちの二人だが、“なくもんか”とばかりに笑顔で毎日を生きている。
しかし二人はまだ、お互いの顔も名前も知らない ――

 兄・祐太(阿部サダヲ)は、東京下町・善人通り商店街の顔になっていた。
8才のときに父(伊原剛志)に捨てられた祐太は、善人通り商店街の「デリカの山ちゃん」初代店主夫婦(カンニング竹山&いしだあゆみ)に、実の息子のように優しく育てられた。
その恩返しとばかりに、祐太はバカみたいに働いた。
商店街すべてのお店の手伝いはもちろん、地元住民の買物の手伝い。
挙句の果てには、犬の散歩、草むしり、電球の交換などなど。
今では、働くバカとまで言われている、究極のお人好し。
その人柄と、40年間注ぎ足してきた秘伝のソースをかけたハムカツを名物に、「山ちゃん」を行列のできる超人気店へと成長させていた。

 弟・祐介(瑛太)は、「金城ブラザーズ」というお笑い芸人で超売れっ子になっていた。
幼い頃に母(鈴木砂羽)を亡くし親戚をたらい回しにされた祐介が、度重なる転校でもイジめられないために身につけた生きる術。
それは、笑いだった。
ピンの芸人としては全く泣かず飛ばずの祐介だったが、赤の他人である金城大介(塚本高史)と兄弟漫才師「金城ブラザーズ」としてデビュー後、周囲の予想を大きく裏切って大ブレイク!
さらに、相方の大介が「金城ブラザーズ」の貧乏な幼少時代をお涙頂戴モノとして書いた、全くのウソで塗り固められた自伝小説「コプ太と赤い車」が、世紀の大ベストセラーに。
大人気の「金城ブラザーズ」だが、本当の兄弟でないことは世間にひた隠しにしている。

 そんなある日。
10数年前に善人通り商店街を出て行ったきり全くの音信不通だった、「山ちゃん」初代店主夫婦の一人娘・徹子(竹内結子)が突然帰ってきた。
子供のときから実の兄妹のように仲良く暮らしていた祐太はもちろん、商店街の人たちはビックリ仰天。
しかも、毎日ハムカツを食べていたせいで、デブで不細工だった徹子が、まるで別人のような超美人になっていたのだ!
 突然の帰宅、謎の激痩せ、確実なプチ整形……数々の疑惑が残る徹子を、祐太は問い詰めることなく笑顔で温かく迎え入れた。
祐太は徹子をずっと待ち続けていたのだ。
初代店主の『デブじゃなきゃ、嫁にもらって欲しいんだけどな……』という遺言を胸に。
祐太は、しおらしく店を手伝う徹子に、どさくさに紛れてプロポーズ。
めでたく結婚!するのだが、婚姻届を出すため戸籍謄本を手に入れた祐太は、「金城ブラザーズ」の祐介が実の弟であることを知る……。

 以来、夫の祐太が祐介のことばかり考えていることに苛立つ徹子は、突然「山ちゃん」のエコ化を宣言する。
電気の節約、ラードの使用禁止、自然食お惣菜の販売などなど、次々と改革が推し進められ、「山ちゃん」は、どんどんエコな店になっていく。
が、それと反比例するように売り上げは落ち、祐太の表情もどんどん暗くなっていく……。
そんな中、祐太と徹子は沖縄へ初めての家族旅行をすることに。
ちょうどその頃、沖縄では環境大臣・桂谷壮一郎(陣内孝則)が責任者を務める、エコをテーマにした「沖縄エコサミット09」が開催されていた。
しかも特設ステージでは、「金城ブラザーズ」が漫才を披露することになっていたのだ!!

 生き別れた兄弟、祐太と祐介の偶然の出会い。
そこから巻き起こる予測不可能な出来事の数々。
笑いと涙がテンコ盛りの、誰も見たことのない“家族”の物語が今、幕を開ける!!

 どうです、おもしろそうでしょう?
 本当に笑え、泣けますよ。

 「人の不幸は笑える」という深い言葉を根底に「家族」のあり様や人としての大切なもの、地域社会の絆の大切さ、おそらく観る人の視点で学べるものがちがってくるという深い映画です。

 終わってから娘に「父さん、笑いすぎ❢❢」と叱られました。