局の道楽日記

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生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

My Fair Lady

2013-05-16 23:47:00 | 見る(映画 劇場 美術館など)
☆ 日生劇場の舞台に行った。

前から8列目の真ん中という良い席での鑑賞



ヒロインのイライザはつい先日まで男役トップだったこの方々のダブルキャストである。



ワタシが行ったのは右側の霧矢さんの回。宝塚にいたころの彼女の歌はホントにすごかった。このミュージカルで女性役としての彼女の表現をぜひ観たかったからである(もちろん真飛さんも見たかったが、もう彼女はドラマなどで女性として演じているのを見たので)

あまり可愛いのでびっくりした。男役としては小柄で身体や顔の線が柔らかかった彼女が、女性としてなんとチャーミングなこと。
今まで男役トップの方が引退後、女性として立った舞台は何度か見たがその中でもとてもマッチしている方じゃないかと思った。
ただ、高い方のキーにちょっと無理があって、彼女の歌のベストな状態ってわけじゃないのが残念だったけど。

ヒギンス教授役は寺脇さんだった。歌の人じゃないから本職の歌の人の中で(アンサンブルの人たちのアカペラがウマかったな~)大変だったと思うし。ヒロインはダブルキャストなのに一人出ずっぱりであれだけ歌うのは大変だと思う。
今まであまり意識したことなかったけど、彼は背が高くて顔が小さいからキリヤンと並んでもバランスがいいのね。純ジャパニーズの男性で宝塚元男役の人とペアになってバランスが取れるってなかなかいないのじゃないだろうか。
言っちゃ悪いがピッカリング大佐役の人は頭一つ小さかったが顔の大きさは寺脇さんの1.5倍くらいあったもの。
演技もインテリで金持ちで上流階級にいるくせに、女性の気持ちに疎くて感情表現が下手なイギリス男で、最後照れながらイライザに婉曲的な愛情表現をする場面なんてとてもステキだった。

あと衣装が良かったな。ロミジュリなんかで動物柄やパンク柄の奇抜な衣装の舞台も観て、それはそれで面白かったが、こういった正統派の衣装。男性はフロックコートに山高帽、女性はデコラティブな帽子やティアラをかぶって豪華なロングドレスっていうのも目の保養だった。
特にヒギンスのお母さん役の江波杏子さん、シルバーの衣装と帽子がとってもステキ。

舞台全体としてはちょっと長すぎの気がした。一幕目、イライザがなまりを直して競馬場デビューする。そこでは失敗するが、最後バッキンガム宮殿の舞踏会デビューするところまでは盛り上がったが 二幕目はちょっと冗長。ここがイライザとヒギンス教授のロマンスが描かれてはいるんですが、その前までのエピソードが面白すぎるので余分感を感じてしまうのだ。

始まりは6時、終わったのは9時を回っていて、ちょっとお腹がすいていたので同行の友人と隣のレストランでちょこっとつまんでワインを一杯飲んでから帰ったのだが、ガラス越しにキリヤンファンが出待ちで並んでいるのが見えた。
ちょうど私たちが帰る頃、彼女が出てきて、タクシーに乗り込む前にファン一人一人と握手していた。やっぱり私服もステキであった。



しかし なんですねえ・・と話は一般論に変わるけど。

こういったいわゆるピグマリオンの話、中でも年上で金持ちの男性が若くて貧乏で教養のない女性を教育してステキなレディーに育てあげるってな話。この話もそうだけど、現代的にしたのはプリティウーマンであろう。

お芝居や映画の中で見ている分には楽しい。粗野なヒロインがお金と手間ヒマをかけて洗練されて美しくなっていくのを観るのは楽しい。
こんな風に変身させられてみたい なんて女性だったら夢もみるだろうし、男としても原石のような女性を自分好みに研磨してダイヤに仕立てるってのもやってみたいって人もいるんだろうけど。

しかし現実はどうなの? 例えばヒギンス夫人は許してもその周りにはウルサイ親戚もいてイライザの出自がわかれば陰でバカにするかもしれないし、イライザのお父さんはまた酒代やギャンブル代をたかりにくるかもしれない。そういった外野も嫌だし元々価値観の違う世界に背伸びして居続けなくてはならないイライザ自身ってのもいつか疲れ果ててしまうのじゃないのだろうか?

またイライザは花は売っても身体は売らなかったが、プリティウーマンの方は元コールガール。恋愛感情が高まったピークで彼女と結婚したとしても、恋が冷めたあとのリチャード・ギアはジュリア・ロバーツの過去を疎ましく思ってしまう日が来るのかもしれない。

と素直に酔えなくて色々考えちゃうのはオバになったってことですかね? しかし現実はキビシイノダ。





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