ブラック企業と管理監督者教育
日本銀行は、日本経済は徐々ながら成長軌道と読んでいるようですし、安倍さんは、企業には投資しろ、賃上げしろと焦ってはいますが、日本経済が後退しているとは思っていないでしょう。
企業の多くは増収増益基調を維持しているようです。
にも拘らず、非正規従業員の比率は下がりません。円レートが$1=¥80前後でデフレ不況のどん底だった頃、非正規の比率38パーセントでしたが、最近は40パーセントを超えたようです。
景気が回復に向かったら正規従業員が増えるだろう(経済・雇用の正常状態への復元が起きるだろう)と予想していたこのブログの見方は外れたようです。
かつて「 IKEAに学ぶ日本的経営」などで書かせていただきましたが、日本企業の多くでも非正規従業員の正規化に取り組んできています。
しかし、日本の雇用全体で見ると、雇用増の多くが非正規ベースで、結果的に非正規比率が上昇という「きわめて望ましくない」現実に繋がっているということになってしまっています。何がそうさせているのでしょうか。
日本経済の高度成長期から多くの企業や経営者との接触の経験などを思い起こして考えますと、この長期不況を経て、経営というものについてのアメリカ型、短期利益追求型への無意識の転換があったように思われてなりません。
もちろんアメリカにも「エクセレント・カンパニーズ」と言われたように優れた企業は沢山ありましたが、ポスト・インダストリアル・ソサエティーなどという言葉がはやり、モノづくりから金融偏重の時代に入り、経営理念も、企業評価システムも、会計基準も短期利益重視に変わってきました。
人間中心・長期的視点の経営を基本理念に掲げて発展してきた日本企業も、20余年にわたる長期不況の中で、次第に変質してしまったようです。
長期的視点の経営の背後にあるのは、人間重視の経営です。企業とは「人間が資本を活用して付加価値を作る」システムですから、成果は「人間が何を考え、何を行うか」で決まります。
だからこそ日本企業の経営理念には「企業は人間の育成の場」という趣旨が多く謳われています。
その日本企業に長期不況の中で次第に「即戦力」といった言葉が言われるようになりました。即戦力というのは「誰かが教育した人間を採る」ということです。
この辺りから企業の教育への手抜きが始まります。即戦力を採り、ダメなら使い捨てという欧米流の雇用形態です。
ダメなら再教育、再訓練(日本企業本来の考え方)ではないのです。
今、企業で不祥事が多発し、ブラック企業、ブラックバイトなどといった唾棄したいような言葉がマスコミに舞います。
職場で部下を管理監督する人たちが、確りとした教育訓練を受けずに仕事をしているのです。そして20年不況の歳月がそういう人たちを管理監督職に就かせているのです。
かつては企業の中の「主柱」だった人事・労務担当業務が、アウトソーシングで済まされるような時代になってしまったようです。
「企業は人なり」という言葉は、企業が人間社会ある限り変わらないでしょう。
管理監督者の教育訓練を徹底し、企業の長期的発展を考えることは、企業トップの最重要の仕事です。
経営者自身の再教育が必要な時代なのかもしれません。
日本銀行は、日本経済は徐々ながら成長軌道と読んでいるようですし、安倍さんは、企業には投資しろ、賃上げしろと焦ってはいますが、日本経済が後退しているとは思っていないでしょう。
企業の多くは増収増益基調を維持しているようです。
にも拘らず、非正規従業員の比率は下がりません。円レートが$1=¥80前後でデフレ不況のどん底だった頃、非正規の比率38パーセントでしたが、最近は40パーセントを超えたようです。
景気が回復に向かったら正規従業員が増えるだろう(経済・雇用の正常状態への復元が起きるだろう)と予想していたこのブログの見方は外れたようです。
かつて「 IKEAに学ぶ日本的経営」などで書かせていただきましたが、日本企業の多くでも非正規従業員の正規化に取り組んできています。
しかし、日本の雇用全体で見ると、雇用増の多くが非正規ベースで、結果的に非正規比率が上昇という「きわめて望ましくない」現実に繋がっているということになってしまっています。何がそうさせているのでしょうか。
日本経済の高度成長期から多くの企業や経営者との接触の経験などを思い起こして考えますと、この長期不況を経て、経営というものについてのアメリカ型、短期利益追求型への無意識の転換があったように思われてなりません。
もちろんアメリカにも「エクセレント・カンパニーズ」と言われたように優れた企業は沢山ありましたが、ポスト・インダストリアル・ソサエティーなどという言葉がはやり、モノづくりから金融偏重の時代に入り、経営理念も、企業評価システムも、会計基準も短期利益重視に変わってきました。
人間中心・長期的視点の経営を基本理念に掲げて発展してきた日本企業も、20余年にわたる長期不況の中で、次第に変質してしまったようです。
長期的視点の経営の背後にあるのは、人間重視の経営です。企業とは「人間が資本を活用して付加価値を作る」システムですから、成果は「人間が何を考え、何を行うか」で決まります。
だからこそ日本企業の経営理念には「企業は人間の育成の場」という趣旨が多く謳われています。
その日本企業に長期不況の中で次第に「即戦力」といった言葉が言われるようになりました。即戦力というのは「誰かが教育した人間を採る」ということです。
この辺りから企業の教育への手抜きが始まります。即戦力を採り、ダメなら使い捨てという欧米流の雇用形態です。
ダメなら再教育、再訓練(日本企業本来の考え方)ではないのです。
今、企業で不祥事が多発し、ブラック企業、ブラックバイトなどといった唾棄したいような言葉がマスコミに舞います。
職場で部下を管理監督する人たちが、確りとした教育訓練を受けずに仕事をしているのです。そして20年不況の歳月がそういう人たちを管理監督職に就かせているのです。
かつては企業の中の「主柱」だった人事・労務担当業務が、アウトソーシングで済まされるような時代になってしまったようです。
「企業は人なり」という言葉は、企業が人間社会ある限り変わらないでしょう。
管理監督者の教育訓練を徹底し、企業の長期的発展を考えることは、企業トップの最重要の仕事です。
経営者自身の再教育が必要な時代なのかもしれません。